サユリ稼働中
ガイノイド・サユリになったカスミは学園祭で注目を浴びた。といいたいところだが弱小ロボット研究会の展示を見に来る来客は多くなかった。どうしても有名な出し物の方に見物客は流れていった。
そこで顧問、とはいっても名目上の榊原講師と実行委員会の許可を受けて、サユリを連れて会場内を歩く事にした。「内臓」のカスミからすれば辛かったかもしれないけど、注目はすごく集めていた。
多くの見物客が記念撮影してくれと殺到したので、前に進む事が困難になった。この時サユリの中に入っているカスミが筆談させてくれるようにとポーズをしてきた。そういえばマスクを被せると会話できない事を思い出した。
「熱い! 撮影会を開くなら陽の当たらないところでして頂戴!」そう彼女が書いた。
「みなさん、ここは集まりすぎたのでこれから校舎裏の駐車場に行きましょう! お願いします」
そういって撮影希望者を引き連れて駐車場にいった。ここも空いているスペースはなかったが、とりあえず校舎の壁をバックにして撮影会をした。しかし、ここも多くの人が集まりすぎたので実行委員会からのクレームで元の展示会場にへと追いやられた。
こうして研究会の会場に来客を呼び込むことに成功したが、サユリは休みなく対応していた。途中で「メンテナンス」といって隠れ場所でカスミにスポーツドリンクを飲ませたが、大変な汗をかいていることが判った。




