格好いいですけども
玲奈と俺はカスミの身体に機ぐるみアンドロイドのパーツをつけていった。関節部分は当たって痛いというのでアスリート用のサポーターをつけてもらい、足の先からアンドロイドの機ぐるみを嵌めていった。
この機ぐるみは少々こけても外れないようにするため、パーツをつけるたびにネジ締めする設計になっていた。そのため一度着てしまうとカスミは自分では脱げなくなってしまうものだった。最初立ってやっていたが、腰の所まで着装が終わった時点でカスミが疲れたといったので、一度休憩してもらった。その時一度トイレに行ってもらった。今日は金曜日で明日学校が休みとはいえ、はじめての着装だからハプニングがあるかもしれない。取り合えず今日は遅くなると家には連絡していた。
休憩終了後、着装作業の続きを始めた。出来る限り急いで完成させるためサークルのスタッフは五人になっていた。この様子は本当にカスミをメタリックな改造人間にしているような光景であった。
そしてカスミは首から下は完全にアンドロイドになってしまった。すると後から来た高橋先輩がこのアンドロイド機ぐるみの名前を「サユリMARK7」と命名した。サユリとはロボット研究会が代々女性型ロボットに命名している名で、なんでも初代会長を振った彼女の名前だという。この時からカスミはアンドロイド機ぐるみを着ている間、”サユリ7”などと呼ばれることになった。
この時、サユリ7ことカスミは中間試験の勉強疲れで意識が朦朧としており、自分が機ぐるみを着せられている間居眠りしていた。そのため完成だと騒ぐ声で目が覚めたが思わず。
「格好いいですけど、わたしはアンドロイドじゃありません! でもアンドロイドのマスクをした時からあたしはサユリ7になりきります!」と良くわからないことを寝言で言っていた。




