なんだ、こいつらの造詣魂は?
女性アンドロイドの「外骨格」を製作するのはモデラー研究会に依頼していた。彼らが3Dプリンターで外骨格の原型を作り、着色してくれることになった。
もっともカズミが着なければならないので、オリジナルのカズミの体型よりも5パーセント増しにして内部の空洞ができるようにして、表面の外骨格となるメタリックな装甲を作ることになっていた。
立体エンジニア研究会で作成された立体設計図が入ったディスクを持参して、俺は彼らの元を尋ねたが、そこで見たのは美少女キャラクターとリアルロボットのオブジェの数々だった、
サークル代表の庄司はリアルロボットの塗装に勤しんでいた。どうも機■戦士ガン■ムを元に「創作」したと主張するオリジナルの「機兵闘士ガンダニアン」の立体オブジェのようだった。彼らは裏でマニアに制作費に手間賃を加えた金額で格安で販売しているそうだ。しかしオリジナルと主張する美少女キャラクターのほうがよく売れるので、代表の肩身は狭いそうだ。
「ようきたね、早川君。この僕にリアルアンドロイドを作らせてくれるそうだね。嬉しいよ。丁度他のメンバーにロボット物がそんなに売れないよといわれていたところでね。今作っているものが売れるまで、新しいロボットを作らせてもらえないところだったんだ。ありがたいよ」と手がうずうずしている様子だった。
すると奥から奥平という奴が寄ってきて「なに、いってんのさ。女性キャラクターだろ。俺は女性キャラクターのオブジェを作ることに青春をかけとるんだ。是非、俺にやらせてくれ」と詰め寄ってきた。
どうも、自分が作りたいものの注文が来たと勘違いしたようだ。職人魂というか造詣魂というか、すごいオーラを感じられるが、こいつらの情熱は一体なんだと思う弘樹だった。




