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転生したいとは言ったけど

作者: 漆射今晶
掲載日:2026/09/13

診断メーカーでもらったお題で書いてみました。

お題は

『暗転』

『高速道路』

『鼓動』



その日は雨だった。

弾丸のようなそれにハンドルを取られぬよう気にしつつ、目的地へとバイクを走らせる。

急ぐ道だが事故を起こしては元も子もない、そう言い聞かせていた時。

聴こえてきたのは頭上からの轟音。

驚いて見上げたその先。

己の驚いた顔を最後に、意識は暗転した。


次に目を覚ました時にあったのは、何もない空間と神を名乗る光の玉。

告げられたのは、高速道路で起きたスリップ事故。

その際に高架下へ転落したトラックに、丁度通りかかった自分は潰されたのだという。

本来の運命では起こるはずのなかった事故により死亡したということで転生させてくれるという。

原因は何故か教えてもらえなかった。

元々異世界転生に憧れて、そういうジャンルは多数読み漁っていた身だ。

トラックに撥ねられたわけではないけれど、トラ転は願ったり叶ったりだった。

そうして生まれ変わった先で、前世と変わらぬようなありふれた人生を送っていた。


ある雨の日、仕事で走らせていたトラックの中で流していたラジオから聴こえてきたニュースに私の鼓動は跳ねた。

ある場所で起きた事故の話。

その事故は、前世でバイクを走らせていた原因。

巻き込まれた家族の下へと急いでいたその道は、目と鼻の先だった。

あの時落ちて来たトラックと、今走らせているこれは同じ車種ではなかっただろうか。

脳裏によぎった瞬間、耳元で声がした。


「気づかなきゃ、生きられたのにね」

壮絶な事故現場を見下ろしながら、光の玉は呟いた。


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