異世界召喚!?
ある日の放課後、堂前十和子、天峰海斗、時野心音、今井音緒の四人が先生に頼まれた資料の政策にあたっていた。
「はぁ~、つかれたよ~」
クラス委員の一人である、心音がため息をついた。
「心音ちゃん、少し休んでてもいいよ? 後はホチキスで止めるだけだし」
「ううん、大丈夫!ありがとう、十和子。」
「てか、クラス委員の仕事多いよな~」
「仕方ないだろ、先生も忙しそうだし、クラス委員になった俺らが悪い。わかったらさっさとやれ。」
不満を漏らした流伽に対して、海斗が冷たく返す。
黙々と作業していた海斗のおかげでほとんどの仕事が終わっていた。
後は職員室まで資料を運ぶだけとなったとき、足元から強烈な光が放たれ、四人の体をのみこんだ。
『きゃっ!』『うわっ!』 一瞬体が宙に浮いたように感じ悲鳴をあげる。
光が消え、四人は目をあける。
「なんだよ、ここ…」「なにが起きたの?」
目を開けると、先ほどまでいたはずの教室ではなく、見慣れない西洋の建物の中、複数の武装した人間に囲まれていた。
見慣れない風景に戸惑っていた四人に煌びやかな装飾の洋装を身にまとい、頭には王冠を被った王様のような人物が声をかけた。
「ようこそおいでくださいました。勇者様。私はこのクラーク王国の王、ライゼン・ドラウト・クラークと申すものである。この度は勇者召喚の儀に応じてくださり誠に感謝申しあげる。」
「勇者様?」「召喚?」状況が読み込めず、戸惑う四人に家臣の一人が鏡のようなものを突き出した。
「失礼ながら、勇者様方の能力を鑑定させていただいてもよろしいでしょうか。」
「鑑定って言われても、どうすれば…」
「こちらの魔道具に触れていただくだけで結構ですので、」
恐る恐る四人は魔道具に触れる。
「おお!お名前は天峰海斗様。聖剣の使い手!固有スキルは聖魔法!」
海斗のスキルを家臣が読み上げると、周りがざわつきはじめた。
「今井音緒様。火魔法、水魔法、風魔法、魔法は全て網羅されていますな。」
「時野心音様。筋力向上のスキル持ちですか!心音様は戦闘に長けていらっしゃるようですな。」
さらに、二人のスキルが読み上げられ、歓喜の声を上げ始める。
「そして、堂前十和子様。スキルは、『適応』?」家臣が不思議そうな声を上げる。
「『適応』って何?他にはないんですか、スキル、」
「他には、鑑定やアイテムボックスのスキルはありますが、とても勇者とは、、、」
「『適応』など聞いたことのないスキルですな」「戦闘向けではないようですが」
「勇者としてふさわしくないのでは」家臣が次々に不安の声をあげた。
「沈まれ!皆の者!召喚されし勇者たちの前でみっともない真似をするな」
王の一声でその場は静まり返った。
「召喚されたばかりで疲れたであろう。詳しいことは明日話すことにして、今日のところはもう休んでくれ。」
王の話が終わると、家臣たちに部屋に案内された。