表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/43

のちの報告

気に入っていただけましたら、ページ上か下の「ブックマークに追加」や、ページ下部にて「ポイントを入れて作者を応援しましょう!」とある「☆☆☆☆☆」のマークにて、評価をいただけると幸いです。

――――――――――

 私はヘティーと申します。

 ネコの女中のひとりでございます。

 今回、こうして今回の戦いの記録をまとめさせていただく任を拝命いたしまして、こうして筆をとりました。

 さいわいにして私どもには、この世界の事物を書きしるすことばを、両の世界から受け継いで持ちあわせております。それゆえ、今回の戦い、つまりは結局は主人の勝利に終わったあの戦いですが、それについて書くのも適任でしょうか。

 あの「渦」に巻きこまれた方々には、敵ながら哀れみの念を持たずにはいられません。

 戦いは、そもそもといえばゼテア=ヌンの国に報が届けられたことにはじまります。

 いわく、

「魔王軍、サピア王国に対して、正式な和平の提案を送る」

 複数の情報源がこれと同じことを書いたようです。

 焦ったゼテア=ヌンの指導者は旧・人魔境界、つまりは私どものいるここで、密偵であるハマシマ・ヨシキらを通じ、騒ぎを起こそうとしたものでございます。

 もともと、サピア国内の魔物に対する恐怖は癒えていなかったようです。王城はともかく、市民のあいだにセンセーショナルな火種――「サピア王国の人間が殺された」を撒ければよいと考えていたようです。

 転移陣の存在も、恐怖の一因でした。

 魔王軍は転移陣に関する事情の発表もございませんでしたから、ゼテア=ヌンは「魔王軍が乗りこんできて、やった」という説を流布しようとしたようです。

 狙いは、サピア王国住民の反対による、和平提案の破棄へのはたらきかけ。もしくはクーデター。

 セレネローザさんの見回りの兵隊長という立場は、市民にとって、国防の顔と言ってよい存在であります。

 今回の戦いに参加した兵士は、指揮官をハマシマ・ヨシキ、そして集められた傭兵たちを展開・指示していた将軍、名はメフトゾットの二名とし、その配下の七三名からなる、計七五名でございます。

 特記する事項としましては、銃器が複数持ちこまれていたようで、ハンドガン二挺、ロケットランチャーが一挺、そしていくらかの兵士が身につけていた粗悪品(いずれもが内部爆発を起こし全損、あるいは紛失)、少なくとも九挺がありました。

 多くが導電性の装備を身につけていたことにつきましては、もともとの狙いがセレネローザさまであり、また野生の魔物が潜むとされる森の環境に備えたものと思われます。

 ハマシマ・ヨシキが獄中で語ったことによると「実用可能なハンドガンはあと三挺あるはずで、うち一挺は兵士がひそかに盗み、持ちだし、武器マニアの貴族が買った」うんぬんとのことです。


追記:

 戦闘後14日が経過いたしましたが、敵味方ともに死者はおりませんでした。

 多くが深刻なトラウマを抱えているようではありますが……。

――――――――――

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! この下部にある「☆☆☆☆☆」のマークにて、評価をいただけると幸いです。

SNS、Discord等での共有もしていただけると、助けとなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ