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追放令嬢の叛逆譚〜魔王の力をこの手に〜  作者: ノウミ
第二章 魔の森と力の目覚め
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episode.18 小さな休止

こんにちは、ノウミです。


たくさんの小説や素晴らしい作品がある中で、私の作品を手に取っていただきありがとうございます。

これまでに多くの作品を発表してきましたが、皆様に楽しんでいただけるよう、これからも様々な物語をお届けしていきます。


皆様に「読んでよかった」と感じていただけるよう、

一層精進してまいります。


どうぞ、これからもご期待ください。

「ここは、どこかしら……」


朧気な意識を起こしながらも周囲を見渡す、見慣れない景色に覚えのないベッドの上で目を覚ます。カーテンからは光が漏れ、外は明るいのだと感じる。


「一体私は…」


何故こんなところにいるのが頭の中に、重く暗い靄がかかったようで何も思い出せないでいた。視界も朧気で辺りにあるものがよく見えていない。そうして目を凝らしながら隣のカーテンに手をかけ、少しだけ開いてみる。すると、外に見えたのは明るい日が射し込む木々の景色が広がっていた、見慣れない景色の筈なのに、どこか悲しい気持ちが押し寄せてきた。


しばらく眺めると、突然鈍器のようなもので頭を殴られたような痛みが襲いかかる、声を上げることも出来ずもがき苦しんでいると、ここに至るまでの出来事が一気に流れ込んできた。国から追われるようにして逃げてきたこと、森の中でお父様が殺されその最中魔王と出会ったこと。


「思い出した…全部…全部全部っ」


思い出すと同時に痛みは引いていき先ほどまで苦しんでいたのが嘘のように思える、次第に取り戻す冷静さに体の内側から怒りの感情が湧き上がってくる。その矛先は何処に向ければいい、お継母(かあ)とソフィアなのかディンズ家なのか。


それには足りないものが多すぎる、力も情報も戦力も。


「それともこのまま身を潜めて……」


すると部屋の扉が音を立てながら開かれる、そのまま中に慌てた様子で入ってきたのは。


「エレナ様っ、お目覚めですか」

「アリ……サ…」

「声が聞こえた気がしましたが、ご無事で」

「セブンス……」

「「遅ればせながら戻りました」」


そう言いながら二人は膝をつき頭を下げながら、私は二人の姿を見た瞬間涙が溢れ出ていた。生きていた事を喜ぶ事よりも、意識が途絶える間際にこの二人を見たことを思い出し一連の出来事が夢でもないと、改めて押し付けられた現実に泣くことしか出来なかった。


「二人は生きていたのね……」

「情けなく、申し訳ございません」

「間に合わずでしたが」

「いいえ……ありがとう、二人がいなけれなこうして私が生きている事も無かったでしょう」


そうして今いるこの場所が魔の森の中心に位置する家にいること、私が気を失ってから三日ほどの時間が経過しそれまでの間はここまで敵の手が及ぶことも無く、不気味なくらい静かなものだったが魔王オルタナも一役買ってくれていたそうだ。


「それで、オルタナは?」

「森を散歩してくると仰られていましたので、暫くしたら戻られるかと」

「あ、私は朝ごはんの準備してきますね」

「そう、朝だったのね……ねぇセブンス、私も外を歩きたいので手を貸してくれるかしら」

「かしこまりました」


優しく伸びるその手に、思わずあの日のリュシアン様を重ねてしまった。彼は今どうしているかと考えずにはいられない、去り際に見たあの苦しむ姿は鮮明に思い出させる、今もなおあの国で苦しんでいるのでしょうか、恐らくはソフィアと婚約でも結んで過ごしているのだろう。


「エレナ様?」

「あ、ごめんなさい。少し考え事を…」


そうして温かいはずの手を握り、ベットから起き上がる。床に触れた足はとても冷たく感じ血の通っていないかのようで、触れたもの全てが何も感じさせてくれなかった。まだ本調子出ないかと思いたいが、先ほどから見える景色が薄い白黒に見えていた、何度か目をこするようにしてみるが変化はない。


「あまり無理をなさらないように、まだ起きたばかりではありますから」

「ありがとう、でも今は少しだけ外に出たいの」

「では、参りましょうか」


この繋がれた手を離せば崩れ落ちてしまいそう、部屋の扉を空けて廊下に出る。その目で見える範囲の距離でさえとても遠く感じる、何かがおかしい。


「うっ、うぅ」

「エレナ様っ」


私の体を抱えるようにして抱き寄せる、急激に襲いかかってきた吐気に我慢できずにいた。ただ、口から出るのは何もなく気分の悪い感覚だけが渦のようにして、私の体の中を蠢く。解消されないこれを抱えたま外には出れないと感じもう一度ベットの上に戻里、そのまま倒れるようにして横になる。


「エレナ様、大丈夫ですか。お機嫌が悪いようなので、まだもう少し休まれては」

「えぇ、ごめんなさい。そうさせてもらうわ」

「恐らく傷が癒えてないのでしよう」

「そうかもしれないわね…情けないことに」

「情けなくなどありません」

「そう……ありがとう。少し目をつむるわ」

「はい、何かありましたらお呼びください」

「うん………」


そうしてもう一度瞳を閉じる、起きたばかりだというのに自然と意識は溶け込むように落ちていき深い眠りにつくことが出来た。私の身体に何が起こっているのかは理解出来ずにいるが、今はこうして休むことが先決でしょう。


そうして深く暗い意識の中、朧気な夢を見る。リュシアン様の隣で王妃として笑いながら過ごし、お父様には心配されながらも困っことがあれば相談したり。そんな今では叶わない何気ない日常となるはずたった温かくも悲しい夢を。そして何故かオルタナがお父様の隣に立ちこちらに向かって微笑みかけていた、その光景は不思議に思いながらもどこか馴染むようで。


「なんじゃ、妾の夢でも見ているのか?」


そんな声が聞こえると意識がはっきりとし自然と瞳が開く、オルタナが声をかけてきたのでしょうこちらを覗き込む様にして不思議そうな表情を浮かべていた。


「オル……タナ?」

「何度も妾の名を呼んでおったのでな」

「そう……なにか不思議な夢でも見ていたのかしら」

「夢など覚えておらんでもよい、それよりも起き上がって早々に倒れそうになったらしいの」

「ええ…今も頭が重たいわ」

「次期に慣れる故、我慢せい」

「慣れる?」


オルタナ曰く、私の体内には火炎の魔力と、宵闇(よいやみ)の魔力が混在しており今まではお互いが反発し合ってまともな魔力の流れが出来ていなかったと。そこに先日のオルタナが手を加えてくれた影響で宵闇の魔力が強まり、火炎の魔力を呑み込んでいる状態なのだと。まさに水と油の魔力がお互いに溶け込み合おうと蠢き渦巻いている影響で体の調子が良くないと。


「そうなのね、何故二つの魔力が私に?」

「さぁのぉ、妾にも分からん」


どこか言い淀んだ気がするが、そう感じるのは万全な状態では無いからでしょうか。それにしてもこの魔力が溶け込みあった時には今まで以上の力を手にする事が出来ているのかしら。そんな事に期待をしながらもう少しだけ目を瞑る。


「ごめんねオルタナ、もう少しだけ眠るわ」

「そうせい、無理せんようにの」


そう言いながらオルタナは優しく頭を撫でてくれた、その手はとても温かく重く暗くなっていた意識を優しく解きほぐしていくかのよう。


「お母……さん」


その言葉が何故口から飛び出たのかは分からなかったが、頭を撫でる手が少し震えていた。私の思いがけない言葉に驚いたのかしら。あった事もない母親を想うなどと、恐らくこの優しい手と温かい気持ちが私にそう錯覚させていたのかしら。そんな事を思いながらも次に目を覚ました時には謝らないとね、きっと意識がはっきりした時には恥ずかしくなっているでしょうから。

ご完読、誠にありがとうございます。


少し短いですが激戦後の小休止です、ここから第二章の始まりとなりますが、キリのいいところで。



ぜひ次回もお楽しみに。これからも応援よろしくお願いいたします。また次話でお会いしましょう(*´∇`*)

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