第六話...人肉炙り・朝
カラオケ行きたい
ガリアの一言と同時に飛び出し、大鎌をガリアの隣にいるパートナーに振り下ろすと同時に金色の結界に閉じ込められる。
結界の中に閉じ込められた影璽の胸に呪印らしい痣が現れ、鎖が飛び出すとグルグルと影璽に巻き付くと影璽は気絶する。
その次にライアが結界に閉じ込められ、光輝くとライアは痛みで泣き崩れ、声を上げる。
拳で海時が殴り付けると弾かれ、その衝撃に寄って右肩が外れる。
「なっ......」
「驚いた?私の能力は神聖力を扱う事ができる。言わば天使の技を使い、悪魔を殺すのではなく、消滅させる事ができる」
「そりゃあ!ワクワクするなぁ!?」
「祐子!今から貴方の能力の発動準備!」
「圷堵はガリアを!あの女とボディーガードは俺がやる!」
「了解了解!!ぶるるるんぶるぅぅゥん!!!」
腰から刀身を引き抜き、手首をクルクルと軽い準備運動を終わらせると海時は地面を蹴って跳躍、外壁に足跡を付け、高く飛び上がり呪文と誐ながら魔法陣を展開する。
青い魔法陣から水を噴射すると黄色い粒子が漂い、放出した水と共に壊徒は四角い結界に閉じ込められる。
水中では動き難く、得意の身体能力を生かす事が出来ない。既に捕まっているライアの魔力放出でさえ、傷一つ付ける事は出来ず、刃一つだけで脱出できるとは到底思えない。
──どうしたもんかな。厄介......と言う寄りもだ、俺と相性が悪い。
そう思うと結界を観察するとある事に気付く。ライアの方を見ると先程と大きさが違い、四畳程の大きさの結界はしゃがみ込まなければいられないほど小さくなり、速くしなければライアは圧死する。
先程捕まえられたライアの結界とスピードが明らかに違う為、ライアを殺す為に用意された特殊な結界である事を察すると本気で結界を殴る。
殺した相手の異能に寄って気絶させられた影璽を起こそうと声を出そうにも、水中では声を発する事が出来ない。
「さぁって、絶対に勝てないと言ったのに、結構追い詰められてるんじゃないかなぁ?!」
「俺には一撃も与えてねぇぞ!!」
「テンションたっかっ!」
「真里亞《マリア》!」
「分かってる。私の能力に引っ掛からない人間はいない」
「ウルトラハイパーファイア〜パーンーチー」
地面を蹴って更に加速、ガリアに殴り掛かると結界が展開され、その拳を防ぎ切って反射する。
筈だが、拳はガリアの腹に直撃し、大きく吹き飛ばす事に成功する。
術者である真里亞はたじろぎ、脂汗をかいて腰を抜かし、仰け反る。
圷堵自身も防がれる事を計算に入れ、カウンターパンチをお見舞いしようと手加減し、本気だと思わせる為にハイテンションで挑んだが、無駄に終わった。
ガリアの攻撃は魔術防壁に寄って防がれ、目をパチパチと瞬きし、状況を理解出来ないかったが、ニヤリと笑う圷堵の姿を見て状況を理解する。
普通の魔術防壁であれば先程の圷堵のトイファパンチを防ぎ切る事が出来ず、本来であれば粉々に砕け散り、上半身が吹き飛んでいた。
ガーディア家は生まれた瞬間、身体の一部がゴーレム化する特殊な一族。
──何故、あいつは真里亞の神聖術が通用しない?天使にも効く筈だ。
風の魔法陣を展開すると空中へとガリアは飛行し、魔法陣を重ねてトルネードを掌で作って見せる。
「何故、神聖術が通用しない?」
「俺は神だぞ?俺が効かないと言えば効かねぇんだよ」
「お前に言っても全て無駄なようだ。仲間は死ぬ、お前は俺には勝てない。底なしの魔力を持とうが、俺には勝てねぇんだ」
「そろそろライアがまずいな、、、影璽!!!」
影璽に向かい叫び、真里亞に飛び掛る圷堵にボディーガードの男から伸びる鎖に絡み取られ、暴風に寄って体を刻まれる。
鎖を砕き、足を進めると地面が崩れ、底が見えない半径50メートルはある落とし穴が突然現れ、その巨大な穴に落ちる。
「へっ?」
「アイツには呪いを受けている。悪いけど、生者である以上呪術から抜け出せる事は不可能に近い。彼がもしもソッチの化け者と一緒で悪魔だとしても、彼のは特別性でね」
何度呼び掛けようとピクリとも動かず、微動だにせず眠理続ける影璽に絡み付く鎖は影璽の魔力を吸い取り、紫色に染る。
ライアが泣き、痛みに耐える声を聴くと少し指が動くが、結界が輝きを増して影璽の肉を焦がす。
何度も刀を突き刺し、結果から脱出しようとする海時の息はもう限界に近く、ブクブクと口から泡を出している。
ライアも結界と言う密室空間に閉じ込められ、身体を押し潰そうと強く押され、空間が小さい為に酸素が乏しい。
──何か......方法はねぇのかよ!?ライアは悪魔族、人間の力で神聖術の真似事をしている霊力と、神聖術には弱い。だから、この結界にいるだけでも皮膚に針を何度も刺されている痛みを味わう事になる。
酸素が少ない脳が導き出した答えはライアに、伝達魔術を使用すること。
一定の信頼度を持たなければ発動出来ず、海時が導き出した命懸けのとても細くて見えない蜘蛛の糸。
『魔力を酸素に変えろ!燃費が悪くて俺には出来ないが、お前にはできる!そして、叫べ!!』
「助けて!影璽君ッ!!」
眼を開くと鎖は跡形もなく砕け散り、雄叫びを上げながら拳を真里亞に向かって振るうが、矢張りと言うべきか結界に防がれ、ニヤリと余裕を見せて笑う真里亞。
だったがオレンジ色の魔法陣を展開、竜の鱗が左腕に現れ、鋭く伸びた黒き爪が結界を砕きて真里亞の顔を斬り裂いた。
絶叫し、両手で顔を抑えて転げ回る真里亞の腹を踏み付け、体力を大きく吸われた為か喘ぎ、ライアの無事を確認すると影璽はぶっ倒れる。
「少し寝る」
「あっ......あっ...えい......」
「はぁ......はぁ......はぁ...はぁ......助かった。後は俺達に任せろ」
「よくっ!」
喋る真里亞の喉に肘鉄砲を喰らわせ、トドメに脊髄に強力な一撃を放つ。
加減を間違えれば一生車椅子生活だが、海時に真里亞を気に掛ける心は全くないために、力加減は適当。
フゥ〜っと息を吐き、限界まで肺を膨らませるとボディーガードの二人に向かい歩を寄る。
警戒されたのか、鎖が素早く海時を襲うが、刀で捌いて軽々と躱して二人に勢い良く飛び出し、地面を切り裂く。
「生きて帰れると思うなよ!」
「てめぇがな!」
海時は二人がナイフを取り出し、振るうのに対して刀を振るう動きを止め、停止するとボディーガード二人は突然現れた大きな波に寄って吹き飛んで往く。
ビルを軽々と超える津波は建物を薙ぎ倒し、全てを削り取って進んで行く。
パチンッ!と指を弾くと津波は消滅、後に残ったのは津波に流され、雑草一つ死に絶えた大きな地平線が見える大地。
ノアの大洪水に似た事は現象の世界で起きたとされ、それは元々は軈て海となる水蒸気の層が天上にあった。
通常植物は地から湧き出る水と水蒸気の層から得られる水で育っていたが、地球の水問題を解決していた水蒸気の層が全て雨となって地上に降り注ぎ、現代の地球で言われる豪雨では表現しきれない、地球全体が突然海になる状況を作り出して全生物を巻き込み、圧殺した。
地球規模の大災害は地殻変動を伴い、地球の地形や環境そのものを変える現象であった。
最近の研究で解った事がある。それは地質に残された痕跡であり、世界中の地層は長い長い年月を掛け、徐々に堆積きた。
近年、火災流に寄って高さ7メートルの地層が数時間てわ形成され、概念を変える事例が発生している。
再度された研究では、グランドキャニオンは従来通りに時間をかけて堆積したのであれば地層ごとに侵食の跡があり、密着した水平な地層が出来ない事が解った。
その為、こういった水平の地層は長期間の積み重ねではなく、一度の激変に寄って侵食等の影響を受けない水中で作られた可能性。
更に化石は生物の死体が徐々に土砂に埋もれ、長い年月をかけて形成されると考えていたが、長い時間をかけて埋もれた場合は微生物に寄って分解され、化石にならずに消滅する。
詰り、生物が瞬間的に土砂に埋もれ酸素や微生物などを遮断する必要があり、そんな瞬間的な埋没が世界中で起きるとすれば、地球規模の大災害を意味する。
一瞬似して土を巻き上げ、生物に覆い被せるのを考えると、大量の泥や水、石などを動かす土石流になって生物達を呑み込んだ。
そんな大洪水を操る海時の固有魔術は過去にその場であった現象を、干渉したモノから起こす事ができる。
先程吐いた息、斬り裂いた地面から現象を発動させた。干渉したと判断されるには十秒以内でなければならず、それ以上延びると消費魔力が大きくなる。
「一度、海を呼んでしまったら俺の魔力はスッカラカンだ。バトンは託した」
「何ぃ?彼奴は死んだ。残りメンバーもういなっ」
言葉を言い終わる前に巨大な穴から立ち上る火柱。底から絶叫が響き、姿を現すのは巨大な赤き龍は咆哮を上げ、すぐさま圷堵の姿に戻る。
圷堵は死んだ目をしていて、開いた瞳孔に目薬さして眼を元に戻す。
「ああぁ......龍になると、力加減出来ないんだよな」
「龍とは、珍しいな......本気でやる気がないのか?」
「強過ぎから、余り使いたくないんだよ!」
「本気で来いよ!」
「ヤケポイッな......」
此方に向かって来る風を左手に炎を纏い、相殺する。勝負は目に見えていることだが、一度始めた決闘は決着が着くまで止める事が出来ない。
心臓があるであろう箇所を貫くと、その違和感に気付く。
両手を掴まれ、脚の形を変えて圷堵の足に巻き付い、風を纏って高速で回転を初めて宙へと飛んだ。
高速で回転しているため、拘束を解くことが難しく、このまま大人しくしていて入れば、最悪の場合は底なしの落とし穴に落とされる。
──ようやく面白くなってきたっ!
落ちれば即死。生きる可能性など零に等しく、恐らく投げ飛ばされる。
人の手を形をし、爪が鋭い鱗に護られた腕がガリアの両腕をいとも簡単にへし折り、龍の腕と人の腕が融合する。
「勝ったな。コレで君は、ガーディア家の嫁となる。沢山の子供を産んでもらうよ、死ぬまでね」
「そうですね。コレで彼が敗北すれば私は家畜を産み落とす、歯車になってしまいますね」
「天使、祈るなら今の内だぞ?」
「祈る?もう既に終わりました。彼ら全員が生き残る事に、ですが」
「エクちゃんカッコイイ!」
「余裕っとでもいいたいのかな?」
金髪のスーツを着た、ガーディア家の現当主は質問したが、素直な答えはエクレシアは答えず、妖艶に微笑み、語る。
「貴方は今、祈ると言いましたね?私は託したのです。夢も、未来も。今から焦ればこれから一生を共にする圷堵を、否定する事となり、私の《《神》》を否定して、私の祈りさへも踏み躙ることになります」
「へっ、余裕こいてられるのも今のうちだねどな」
「叔父様。私、天使が貴方にお告げをあげましょう」
「は?」
「彼は使えなくなります。次世代を速く、セッセと今から腰でも振って作ってた方が良いでしょう。相手を探すのを手伝いましょう。その歳では子供を創る相手も十二分に選べないでしょう?」
「クソガキ」
遥か下にいる海時が皮膚が焼ける熱気を感じる《《温度》》の炎を纏い、ガリアの顔面を掴む。
ジュ〜と肉を焼き焦がし、抑えられない熱気が術者である圷堵の鱗に覆われた腕を焦がし、熱気から蒸気を放つ。
「俺が使える、親頼できる能力の十二の一つ......」
「アッチャウウオオオオオオオイアウオオオオオオオ!!!!!」
「この一撃を持って、お前を倒す。死ぬかな?」
「離せ!離せ!!離してください!!お願いお願い!!!」
「じゃあっ行くぜ?」
「まっ!!」
「人肉火炙り!!!」
掌から放たれる爆撃に寄って二人の姿は見えなく、回転していた二人が投げ出されるのは地面である事は分かってはいるが、観客の声は消え、爆発音がコロシアム全体を支配した。
龍の羽根を生やした圷堵がコロシアムの中心に現れ、手を翳すと天使の輪っからしきモノが現れた。
その円形は広く広がり、圷堵が二秒と言葉を放つと剣を吐き出し、圷堵は剣を天に掲げて勝利宣言を終えると結界術が解除される。
「エクレシアは、俺達の仲間だ」
手元にいるガリアを地面に置き、寝ている影璽を背負ってコロシアムを後にする。
作中の元ネタや裏設定2
人肉炙り、バーナー・インパクトの元なった物は炙りサーモンだったり?