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深海の大王一騎打ち

ダイオウイカと言えば、スー〇ーマ〇オRPGのたこつぼゲッソーを思い出します。

大王と言えば電げ〇です。デ〇デとかニ〇チャンも出ます。

トリケラトプスと言えばどうしてだか何番目かにアギ〇が出てくるんですよね……ウイン〇ムとミク〇スくらいしか知らないで、映画でしか見たことないのに。あとはキョ〇リュウジャーとリュ〇ソウジャーで、ジュ〇レンジャーは記憶があまりないので、イメージだけ。


 トリトナは、シャチの魔獣だ。

 一部の国の、一部の人間しか知らない黒と白の生物は、元より優れた知能と文化を持っていたが、魔獣になったことで、それらは更なる次元の高みへと至った。

 力も上がったことで、今までなら一族でしていた鯨狩りも、単独で行えるようになった。さらに、海に住む他の魔獣や大型生物との戦闘も可能となったことで、彼女の行動範囲は急速に広がった。


 彼女と同時期に魔獣化したのは、彼女の母親で、一族のリーダーだった。

 強く、気高く、そして一族を思いやる優しい母は、トリトナの誇りだ。いずれは彼女の跡をついでこの一族を率いていく。それが当時のトリトナの願いであり、目標だった。


 しかし、ある時、彼女はその存在と出会ったことで、群れを抜けることになった。

 それは小さく、まだ自らのみで生きていくには、心許ない(と勝手にトリトナは考えていた)存在だった。

 他の一族たちは、いち早くそれを食べようと言った。

 魔獣になる前のトリトナなら、食べていただろう。魔獣化したことで、彼女は目の前の小さな存在が、自分と同じ魔獣の類であることを感じ取り、傷ついていることも察した。

 彼女は食欲よりも、この生物の庇護を願った。


 母親に助けを願ったが、許可してくれなかった。

 トリトナは、ショックを受けた。これまでに願いを拒否されたことはたくさんあった。

 だが、この時ほど、辛いと思った事などなかった。


 トリトナはその場で一族に背を向け、小さな存在を連れて、一族が使う回遊ルートから外れた。

 後ろから母親の呼ぶ声が聞こえたが、振り返らなかった。

 追手はなかった。


 彼女は、海の中をひたすら泳いだ。泳ぎながら、小さな命の傷が癒えるまで、守った。

 その命は、トリトナの事を最初恐れていたが、彼女が安否を問うと、いぶかしがりながらも逃げ出さずに、彼女に付き添った。

 その時だった。

 彼女たちの前に、美しき光が現れた。


 光は、小さな命の傷を癒しただけでなく、二人の事を祝福してくれた。

 何が起きているのかわからず、目を白黒させるトリトナと小さな命に、光は言った。


〈君たちを、祝福したかったんだ。えこひいきは、うん、ダメなんだけれどね〉


 恥ずかしそうに言いながら、人の姿をしながら、海の中に佇む大いなる存在は、二人に自らの祝福の証を与えた。

 その時から、トリトナは海の中でも呼吸することができるようになり、自らの中に以前よりも大きな力がみなぎるようになった。

 それは彼女が守る小さな命も同じだった。


 大いなる存在は、二人に名前を問いかけた。そして、新しい名前を付けた。


〈トリトナ、レイラ。これが、君たちの新しい名前だよ。前の名前のカモフラージュとしても使える。真名ではないから、利用されて攻撃されることもない〉


 何でもないように言って、大いなる存在はトリトナとレイラを、そのほっそりとした両手で抱きしめた。

 何だか、懐かしいような、温かいような、そんな心地よさを、トリトナは感じた。


『アンタは……一体……』

〈トリトン。それが僕の名前だよ〉


 この日、トリトンに祝福された魔獣、トリトナとレイラが誕生した。

 二人はトリトンと少しだけ共に過ごし、魔法やいくつかの知識を学んだ。


 そして、トリトンと別れた後、二人は広い広い海を旅し出した。


『お姉ちゃん』


 レイラが背中に掴まりながら、話しかけてきた。幼い声音の中にも、芯の通った強さがあった。

 もう、彼女は自分が助けた時よりも、強くなっている。

 なのに、自分と一緒に旅をしてくれる。


 トリトナは、彼女の事を、いつしか家族同然に愛していた。


『私、お姉ちゃんと一緒に旅ができて、嬉しいんだ』

『へへっ、私も嬉しいぜ?』


 彼女となら、どこへだって旅が出来る。

 これまで知らなかった場所へ、二人なら行ける。


 笑って、時に喧嘩して、一緒に泣いて、二人は楽しく旅をしていた。

 数年それが続いて、ある時、人魚の街の一つがあるという海域に近づいた。


 旅の疲れを癒すのと、観光の為だった。

 人魚たちは、理性あるトリトナたちを歓迎してくれる存在だ。


 これまで、何度か人魚の街や里を訪れていた二人は、今回も土産話や他の海域で採取した海産物を持って、人魚たちと交流する気だった。


 だが、そこへ奴が現れた。

 一族に居た頃に数度、旅をしている最中にはもっと。

 見かけた巨大な存在は、しかし、自分たちと同じ魔獣の気配を放ちながら、突然攻撃をしかけてきた。

 普段なら、気にせずに逃げられるし、やろうと思えば撃退できるはずだったが、魔獣化した襲撃者は、トリトナとレイラを逃がしてくれなかった。

 触腕で攻撃され、打ち所が悪かったレイラを、巻き込みで激しいダメージを負ったトリトナは薄れる視界の中でどうにか回収した。

 命からがら逃げだし、敵の気配が消えた、魔照石で薄らと輝く海底にたどり着いたトリトナは、回復魔法でレイラを癒した。

 しかし、いくら使えどレイラが目を覚ますことはなく、さらに、魔力の使い過ぎで、自分への回復を怠ったトリトナは、そのまま気を失ってしまった。


 やがて気が付いた時、レイラは人魚たちに連れられていくところだった。体が動かず、声を振り絞ることもできなかったトリトナは、心の中で、待ってくれと叫んだ。

 トリトナの脳裏に浮かんだのは、レイラを拾った時の、一族たちの様子だ。

 流石に今のレイラを、人魚たちが食べるとは思わない。

 だが、“攫って”行った以上、よからぬ事を企んでいるに違いない。


 トリトナの中で、怒りがふつふつとわいてきた。

 こうして、復活したトリトナは人魚たちに嫌がらせを行い、途中で諌めにやって来た巨大な海竜の言葉にも耳を貸さず、腹ごしらえのために追い詰めていたサメ魔獣を横取りした謎の竜種と妖精に叩きのめされた。

 そして、人魚たちへの誤解が解け、これまでの詫びとレイラを助けてくれたことへの感謝として、人魚の街を守ることになった。


 レイラも目を覚まし、トリトナの行いを叱りながら、無事で良かったと鼻先を抱きしめてくれた。

 トリトナは、助けてくれた医者兄妹に深く感謝した。


 だから、街へ近づいて来たそいつを見た時、トリトナの中に、様々な感情が巻き起こった。

 怯えはある。

 だが、それ以上に、怒りが勝っていた。


 燃えたぎる怒りはトリトナの戦意を強くし、顔を強張らせる人魚の衛兵たちに叫んだ。


『私がやるっ! アンタらは街を守れっ! 皆を逃がせ!!』


 そして、たった一人でやってくる敵へと突っ込んだ。


『かかってこいやぁぁぁぁぁぁ!!!』


 一族に居た頃に狩っていた鯨よりも大きく、今までに見た生物の中で、一位、二位を争う巨体を持つ存在――魔獣大王烏賊にトリトナは戦いを挑んだ。

 全ては、愛する妹を守るために。




           ‡




 トリトナは、人魚の街へ振り返らず、ひたすら目の前の大王烏賊の注目を集め、攻撃を仕掛け続けた。

 触腕の嵐をすり抜け、噛み付き、体当たりし、魔法で攻撃もした。

 しかし、大王烏賊は痛がる素振りも見せず、トリトナを鬱陶しそうに追い払おうとするだけだった。

 まだ、本気で戦われていない。

 そう感じながら、トリトナは攻撃を止めはしなかった。

 もうレイラたちは逃げられただろうか。

 ちらと確かめようとして、触腕が目の前に迫っていることに気が付き、慌てて回避する。


『へっ……まぁいいか』


 最悪、ここで自分が倒れたとしても、構わないと思っていた。

 レイラを助けてくれた人魚たちを攻撃したのだ。その償いはしなくてはならない。衛兵の手伝いで足りる訳がない。

 人魚たちは、特に医者兄妹はとてもいい奴らだった。あの二人になら、レイラを預けられる。

 レイラはきっと、すごい奴になる。

 トリトナは、追い詰められていく中でありながら、笑っていた。


 レイラを拾い、一族を離れ、トリトンに拾われ、旅をして、ついに別れの時が来たのだ。

 レイラの晴れ姿を見れないのが残念だが、仕方がない。


『けど、お前は絶対に止める! 私の命に代えてもなぁ!』


 啖呵を切りながら噛み付いた触腕が、ぶるりと震えた。


『ビビってんのかぁ?! おい!』


 自分へ敵意を集中させるために、挑発するが、烏賊からは何の返答もなかった。

 魔獣として、自分の意志が伝わっている感覚はある。

 なのに、烏賊は何も言わない。


 トリトナの中に、焦りが生まれる。

 もしも今、この時、奴が本気を出せば自分などひとたまりもない。自分を食いながら、奴は街へと向かうだろう。

 そうなれば、もしもまだレイラが、人魚たちが避難中であったなら。


『おいおいおい、返事くらいしてくれよ、寂しいだろぉ? うおお?!』



 噛み付いた触腕が大きく振るわれた。その勢いに口を離した直後、右胴体を別の触腕が掠めた。

 気持ち悪い程の衝撃と共に、視界が猛烈に回転する。その中で、トリトナは、街の方から、人魚たちの姿が消えている様子を見ることができた。


 どうやら、自分の戦いは無駄ではなかったようである。

 できればこのまま離脱して、レイラたちを追いかけたい気持ちになるが、この巨大烏賊を巻いて逃げられる想像はできなかった。


 こいつは、絶対に私たちを追いかけて来る。

 トリトナは大王烏賊の目から浮かぶ、決して逃がさないという執念を見て取って、今度こそ、自分の命を諦めた。

 それは、魔獣になる前のトリトナが持っていなかった、不思議な感情だった。


『楽しかったぜレイラ。トリトン様によろしく伝えておいてくれよ』


 もう届かないとわかっていながら、愛しい妹へのメッセージを思い浮かべる。

 そう言えば、トリトン様はどうしているだろうか。

 今も、私の事を見守ってくださっているだろうか。


 トリトナは考えた。

 あの方は、海の事を公平に見ている。自分だけに肩入れはしないだろう。

 別れて以来、声を聞くこともなくなった敬愛する神を思い浮かべ、苦笑した。


『私も、ヤキが回ったな……』


 迫りくる触腕を目にしながら、トリトナは最期まで挑発を止めなかった。


『おいおいこんなもんかよ! 前に私を逃がした時よりも弱いんじゃないかぁ?!』


 これで終わりだ。

 そう思った時、ふと脳裏に浮かんだのは、母親が最後に自分へ向けた眼差しだった。

 あの時は、酷く落ち込んだし、恨みもしたが、今のトリトナにはわかった。


 母親は、群れの皆から、トリトナを守りたかったのだ。

 魔獣というご馳走を前にした皆から、敵意を向けられないように、わざと厳しい態度を取っていたのだ。


『なんだ……』


 体中から力が抜けた。

 同時に、心が軽くなった。


 最後の最後に、心の奥に、ひっそりとひっかかっていたものが、綺麗サッパリ消えていく。

 以前、旅の中で見た、マリンスノーの様子を思い出した。


『……母さん、ごめん』


 それが、彼女の最後の言葉になる。




 そんなことは、なかった。




『アースショットォッ!!』


 力強い意志が、頭の中に響いてくる。

 回転する視界の中で、幾つもの輝きが触腕にぶつかった。大王烏賊は初めて大きく触腕を動かし、トリトナから遠ざけた。

 それからすぐに、体に自由が戻ったが、トリトナは痛みと疲労で、鰭一つ動かすことができなかった。


『トリトナ、無事か?!』


 そんな時、心配する意思をすぐ近くから感じた。

 目を向けると、三本角の竜種が、自分を覗き込んでいた。


『カイト……?』

『そうだ。俺だ』

『どうして、ここに……』

『話は後だ。それよりも今は』


 カイトが顔を上げる。

 その視線の先には、魔獣化した大王烏賊が佇みながら、トリトナたちを睨んでいる。


 初めて、敵意の中に、不快感を見せた大王烏賊の視線に、トリトナは笑った。


『ちっ、私がいくら攻撃しても無反応だったくせに……』


 悔しい。

 だが、一致報いることができた、そんな気がしたのは、何故だろうか。


『いや、トリトナがここまでずっと奴を惹きつけておいてくれたんだ。奴はお前を無視できなかった。それだけ、お前が奴にとっては脅威だったんだ』

『私が……?』

『あぁ。そうだろ、リチュア』

『えぇ。そうでなかったら、今頃奴は人魚の街に向かっているわ』


 カイトの背中に乗っている、妖精の少女が大王烏賊を見ながら答えた。

 自分を倒した二人が、巨大な覇者の前に立ち塞がる。

 トリトナを守るように、彼女の前へと泳ぎ出る。


『お前ら……』

『トリトナ、少し休んでなよ』

『後は私たちでやるわ』


 岩のような後ろ姿と、小さな背中に、頼もしさを覚えながら、トリトナの意識は闇へと落ちて行った。

 しかし、以前、大王烏賊にやられた時のような不安感や喪失感はなかった。


『……あぁ、任せたぜ』


 やりきった感覚と、頼もしい後ろ姿への安心感、そして、レイラたちの無事を確信した、勝利の余韻だけがあった。


マッコウクジラと戦いを繰り広げるダイオウイカの想像図と、前書きにあるゲッソーがまず頭に浮かんでくるダイオウイカのイメージです。あとはドラ〇エですかね。


ところで、ダイナゼノン9話のアレ、どう見てもダイ〇ンダーのドラゴ〇キャn(レックスロアー

第9話、いろいろな思いが交差しながら、成長し、一つになる回でした。

OPの歌詞と、UNIONのサビを想起させる演出でうわぁってなりました。

他にも色々感じましたが、このくらいにしておいて。

先輩とガウマさんかっこいいでしょ……よもさんと夢芽さん早くっついて……ちせちゃんよかったね……(感動

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