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第三話 守る物

いつもコメントありがとうございます!

面白いと感じた方は、ブックマークと⭐︎をいただけると幸いです!


錦織先輩が来ないってどういう…


「そう、ですか」


え? それだけ?


イツキの冷たい言葉に遠藤が立ち上がり、手を握りしめた。


「な、あなたが、何をしたのか、分かって」


「分かってます。ですが、今は仕事を優先してください」


「なにそれ!」


錦織先輩よりも仕事を優先させるイツキに遠藤が拳を上げる。

それに対して樹は書類を少し離すと顔を正面に向けた。


ガラッ!


「ヤッホー! みんないる?」


突如、扉が開き大賀おおが みおが元気な挨拶が生徒会室に響き渡った。

しかし、生徒会室の空気に大賀は笑顔を引きつらせた。


「…あ、あー。うん、ごめん。今のなし! じゃ!!」


そう言って大賀さんは逃げようとするが、急に方向転換した身体は傾き、「キャッ」と可愛い悲鳴の後「ヘブシ!」と女の子が出してはいけない声と共に床に倒れたのだった。


「「はあ」」


遠藤とイツキは思わずため息をつくと張り詰めた空気はいつの間にか消えていたのだった。


ナイス! 大賀!


「…すみませんでした」


大賀が土下座て謝る。

それに遠藤は振り上げた手を下ろして、椅子に座り直した。


「それで、何のようですか」


「え、えと。続きはいいの?」


「そんな空気ではない事は大賀さんもわかるでしょ」


「う、うん。分かった。それで、今日の放課後の留学生歓迎会の準備は大丈夫なの?」


遠藤から「あっ」と、言葉が漏れる。

完全に忘れていたのだろう。


「物の用意は終わってます」


イツキは棚の上に置かれたダンボールに手を伸ばす。


「後は飾り付けだけなので、昼休みを使って「蜜柑がやります!」


「お、おい。あぶな」


装飾などが入ったダンボールを下ろす前に遠藤が横から奪おうとする。

だが、急な出来事でイツキはダンボールから手を離してしまう。

そして、ダンボールの中身が出てきて遠藤の上に落ちそうになった。


「ハジメ!」


〜〜


僕が叫ぶと同時に意識世界に戻っていた。

意識世界のモニターには遠藤さんの顔が大きく映っていた。


「何とかなったな」


どうやら上手く助ける事ができたようですね。

遠藤さんを抱きかかえるような体勢で守ったようです。

ですが、遠藤さんの瞳に涙が溜まっていく。


って、ハジメ!


「ん?」


視線を下に向けると左手が遠藤さんの胸に触れていた。


「〜〜!」


ッパン!


遠藤さんはハジメの頬を引っ叩き、ハジメは後ろからひっくり返ってしまった。

そして、遠藤さんはそのまま出て行ってしまう。


「で、これはどんな状況なの?」


遠藤さんの開けたままになった扉の外で、冷めた目で松田まつだ みどりがハジメを見下ろしていた。


〜〜


「一仕事の後のポカリは美味い!」


松田はイツキが買ってきたジュースを一度に飲み干した。

頑張った後の冷たい飲み物は美味いよね。うん。

そして、イツキは一緒に買ってきたコーヒーを一口飲んで机の上に置く。


「すみません。助かりました。用意自体はできても、こういった装飾はセンスがありますので」


生徒会室は装飾で綺麗に飾られていた。

それも、松田が来てくれたおかげだ。

その松田だが生徒会に顔を出したのは姉さんの事が気になり俺に会いにきたと言う事だった。

最初は野球部に顔を出したがいなかったから生徒会室にきて、あの状況を目の当たりにしたのだ。


結局、この場には遠藤はいない。

まあ、あんな事をしてしまったので遠藤は戻ってくるはずがないだが。

一人で放課後までの飾り付が終わるはずもないので、大賀と松田に手伝ってもらったのだった。


「まあ、メアンカ会の件ではあなたのお姉さんに迷惑かけたし」


松田はイツキの前に置かれた缶コーヒーを口にする、が。


「ニガッ!」


「勝手に他人のを飲むからですよ」


「そこは、美少女と間接キスをドキドキする場面じゃないの!?」


俺だったら確実にドキドキしてた。

でも、イツキは松田のそんな言葉を鼻で笑った。


「残念ながら僕の好みではないです」


「勉強モードの柏山くんはつまらん」


「そうですか」


イツキがそう言ってやっと笑う。

それからも松田とイツキが他愛のない話をしていると外から話し声が聞こえてくる。

そして、大賀さんと留学生の少女が入ってきた。


「はじめまして、ミランダ ヴォルコフです」


その銀髪の少女にイツキは目を細めたのだった。

「殺す!」


まさか、姉様の事を何も思ってなかったなんて!

何か弁解があるかと思ったら、仕事をしろだなんて!


「殺す!」


わざわざ二時間も早く来て仕事をしてたのに、ほんの十分でその倍以上の仕事を終わらせるし!


「殺す!」


忘れてた仕事をいつのまにか終わらせてるし!


「殺す!」


守ってくれたのはわかるけど。

む、胸を。


〜〜!


「こ、殺す! 殺す!!」



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