第九話 嵐の前の静けさ
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「おはよう」
「おは、よう?」
新田さんが休み次の日、僕達は部活前のランニングに出ようとした時だった。
その新田さんが家の前で待っていたのだ。
「えっと」
「ほら、早くしないと練習遅れるよ」
そう言って新田さんは自転車を走り出した。
電動自転車に変わってる。
まあ、ロードサイクルは乗り慣れてない上に、怖いのかそこまでスピードを出してなかった。
ハジメのランニングに付き合うなら、電動自転車の方が持久力はあるでしょう。
「何してるの! 大リーグへの道はまだ先よ!」
「そんな、飛ばし立てるとバテるぞ」
そうして、今日のランニングを開始する。
結局、新田さんのスピードを考慮した結果、いつもより十分程遅く学校に到着したのでした。
松田さんは今日も学校に来ていませんでした。
部活での追加ランニングと筋トレ後、守備練が始まるのでタオルと水分を摂りに行く途中でした。
新田さんが大量にカゴは積まれたユニフォームを持っていました。
「ほら、待つよ。野球場裏でいい?」
「うん。……ありがと」
「おう」
ユニフォームを運ぶまでの数分の間、何故か沈黙が訪れます。
……。
新田さんが好きなんですか?
「は!? んなわけ」
「ど、どうしたの?」
「え!」
ハジメは新田さんの声に反応して視線を向けるとその視線が重なります。
そして、新田さんが恥ずかしそうに視線を逸らしました。
ああ、はい。
分かりました。
「な、なにが」
とりあえず、時間はないのでユニフォームを早く運んで、守備練に行きますよ。
「し、師匠! これ、置いてくるから!」
「え?」
ハジメは一人走り出しユニフォームを物干しがある野球場裏へ運ぶと、守備練に戻るのでした。
恋さんは約束通り休みは家で過ごしてくれてるようです。
その為、お昼はプロテインバーです。
姉さんに頼んでもよかったのですが、昨日父さんに夜遅くまで怒られていたので、やめておきました。
借りを作るのも怖いですし。
「でも、食った気しないな」
まあ、我慢して「また、そんなの食べて」
「ん?」
新田さんですね。
その手には小さな巾着が握られています。
「ほら、私の分けてあげるから」
巾着を開けると中には少し大きめのお弁当箱とラップで丸められたおにぎりが入ってました。
「これが梅で、こっちがしゃけね」
「じゃあ、梅をもらっていいか?」
「う、うん」
ハジメは大きな口で少し不恰好なおにぎりを頬張ります。
「うん。うまい」
「そ、そっか。よかった。うん」
新田さんは顔を背けて呟きます。
あっという間にハジメは平らげます。
「師匠、もう一個もらっていいか?」
「あのね!」
「お、おう」
「その、師匠っての、やめて」
「えっと、じゃあ。新田?」
新田さんはハジメの言葉に俯いてしまう。
「柏山くんは友達だよね」
「そりゃ、もちろん」
「なら、下の名前でいいよ。兄さんもいるし、分かりずらいから」
「良子?」
「もう、はあ。それでいいよ」
呼び捨てですか。
さすがと言いますか。
またかと言いますか。
進歩しませんね。
「ん?」
もういいです。
でも、恋さんを悲しませる結果だけはやめてください。
「ん? 良く分からんが、分かった」
「明日も作ってきても」
「ごめん。明日は用事があって来れないんだ」
明日は恋さんとデートですからね。
私、大賀 澪はおじいちゃんの書斎に来ていました。
「ねえ、おじいちゃん」
「なんだ?」
「お願いがあるの」
「言ってみなさい」
これで叶わなかった願いはありません。
でも、おじいちゃんが法務大臣になってからはなるべく使わないようにしてました。
だって、国をおかしくしたらみんなに悪いもの。
でも。
「この前に結婚法の法改正案があったでしょ?」
「まあ、そうだな」
「それをどうにかできない?」
おじいちゃんは一瞬驚いた表情をしました。
「それは、む、無理だ。あの改正案が国会までいくとは思えない。いったとしても否決される」
「出来るところまででいいの」
おじいちゃんは目を細めます。
「もしかしてあの男か?」
おじいちゃんは話が早くていい。
でも、私は友達も捨てたくないの。
とっても、欲張りなんだ。
だから。
「おじいちゃん、お、ね、が、い」




