第六話 二人の行く末
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次回からはじめ回です。
「こちらです」
車から降りると黒服の男が店の奥へと案内する。
俺たちは遠藤さんに誘われるがまま学校を、出るとそこには車が待っていて、乗るように指示されたのだ。
車に乗ってしばらくすると郊外の大きな料亭に着いた。
「あれは!」
料亭内を誘導されるまま歩いていると前を髭を生やした風格のある男性が向かってくる。
そして、彼は軽く頭を下げると隣を過ぎていった。
知ってる人か?
「知ってる人って…。 あの人は須藤厳さん。今の法務大臣ですよ」
は?
なんで、そんな人が?
「この先にいる人と、会っていたのでしょう」
そして、白竹の間と書かれた部屋の前に着く。
「こちらでお待ちです」
黒服の男が襖を開けると、そこには厳つい顔をした壮年の男性と、小さな男の子が向かい合うように座っていた。
一見すると厳格な祖父に怒られる孫のように見える。
「父さん」
萎縮して更に小さくなっていたので、一瞬理解できなかったが、男の子は俺の親父だった。
「一樹、やっときてくれた」
親父は涙目でこちらを見てくる。
「まあ、こちらに来て座りなさい」
そして、男は中に入ってくよう言った。
イツキは親父の隣に座ると男はイツキを睨む。
「私は錦織 一馬だ。恋の父でもある」
錦織先輩のお父さんだった。
「はじめまして。僕は柏山 一樹です」
「知っている。それと、今日の事はご苦労だった」
錦織父は労いの言葉をかけてくるが、その声には怒りが垣間見える。
「恐縮です」
「だが、少し事を急いていたのではないか?」
少し威圧的に話しかけてくる。
隣に座っている親父は過呼吸なっていた。
「確かにそう感じるかもしれませんが、これが最良であったと思います」
「なんだと?」
不機嫌を露わにしこちらを睨む。
そして、隣の親父が倒れた。
それでもなお、イツキは錦織父に向かい合う。
「僕にはこの事件が表に出る前に終結させる事が大事だと考えました」
「…続けなさい」
「はい。まず、錦織さんがおっしゃる早すぎる件について、下準備をするための他への話し合いの時間作れなかった事。深く謝罪いたします。ですが!」
イツキは錦織父を強く見つめた。
「大賀さんの行った事が明るみになり、学校生活ができなくなる方がまずいかと思いました。というのもこちらは既に事件発生から数日が経ち、何も対策をしていなかった。あまりにも後手に回り過ぎていました。それに僕が知った時には相手の計画が表面化して来ていました」
「だが、何も確認せず行動を起こし、何かが起きればそれこそこちらに責任が来るのではないか?」
「確かにその通りですが、今回は裏に別の誰かがいるのは状況的に分かっていました。だからこそ、周りが罪を認識する前に、彼女を加害者ではなく被害者側にしてしまおうと考えました」
「それでも私には君が危ない橋を渡ったようにしか思えない。余りにもリスクが有りすぎる」
「では、恋さんに泣き寝入りしろと、仰るのですか?」
イツキの質問に錦織父は頷く。
それに対して、イツキは顔を険しく歪める。
「僕には出来ません。恋さんを悲しませるのは」
「なんだと?」
「恋さんは大賀さんとの事を今でも大切な友達だと思っていました。あのまま大賀さんが実行していれば成否は問わず、恋さんは傷ついていました」
「なんで、そこまで」
錦織父の言葉に樹は息を大きく吸い込む。
「恋さんは僕が幸せになっていいかと、聞いたら私が幸せにすると言ってくれました。その言葉が嬉しくて。だから、彼女が許してくれる限り彼女を幸せにしたい!」
「…そうか。なら、話を進めていいな。おい!」
錦織父の声に襖が開く。
そこには遠藤と錦織先輩がいた。
「イツキ!」
錦織先輩が樹の元まで駆け寄り抱きしめる。
「それでは、娘を頼むぞ」
「……はい?」
イツキは全く話の流れについていけていなかった。
てか、俺もついていけない。
なんで、こんな展開に?
「わ、私が先程父に連絡した時にな、イツキはよくモテると、話したら、な?」
それで、なにが、どうなって、娘をよろしくに?
「なに、恋が初めて連れてきた男だ。最初は学生の色恋と思っていたが、中々に気骨がある。まあ、唾付け程度に思っておいてくれ」
「はあ」
「須藤大臣も狙ってるみたいだったしな〜」
なぜ、そこであのおっさんが?
だが、その言葉に錦織先輩が抱きしめる手に力を入れる。
「大賀さんでもイツキは絶対に渡さない!」
「やっぱり、大賀さんは須藤大臣のお孫さんなのですね」
「そういう事だ。恋もここまで惚れてるようだし、頼むぞ」
「はい!」
イツキはしっかりと頷いた。
「…
……
………
…はっ!」
親父は食事も全部終わった頃、目を覚ましたのだった。
「私の動画はこれで最後になります」
メアンカ会の会長メアンカが突如動画を流した。
その動画を全世界が固唾を呑んで見ていた。
「私の思いはこの世界では異端で弟に届ける事はできませんでした」
そして、彼女は一本のナイフを取り出す。
それを胸に当てる。
「どうか、私があなたを思っていた事を忘れないで」
そして、突き刺した瞬間に動画は終わったのだった。




