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第十一話 新たな日常

いつもコメントありがとうございます!

次回からゴールデンウィークに突入します!

これからも読んでいただけると幸です。

「師匠! おはようございます!」


新田にったさんをいつもの交差点で見つけたハジメは、大きな声で挨拶をします。

そして、新田さんはいつも以上に嫌な顔をしています。


「ちっ!」


しかも、隠す気などないのがわかるほど明確に、力強く舌打ちをしました。

数日前にあんなことがあって、これなら誰だって苛立ちをかくせないでしう。

ついでにマーシャの事は何年も前のことなので、少しずつ調べて、お墓を探し出そうということになりました。


「今日は負けない!」


よく見ると、新田さんの自転車がロードバイクになってます。

新田さんは本当に負けず嫌いのようです。


「はい!」


そして、信号が青になると同時に二人は走り出しました。

結果からいうとロードバイクに慣れてない新田さんはその性能を活かしきれず、黒星の数を増やしたのだった。


〜〜


「イツキ、昼休みにまで手伝ってもらってすまない」


今日も錦織にしきおり先輩にお昼を奢ってもらったイツキは、代わりに生徒会の仕事を手伝っていた。

少し前までは二、三日に一度のペースで生徒会に来ていたが、錦織先輩が休日出勤していた日から毎日くるようになっていた。


「いえ、僕がこうさんと一緒にいたいから、手伝っています。気にしないでください」


「イツキ」


見つめ合う二人。

その距離が少しずつ近づいていく。


バンッ!


錦織先輩の隣でプリントのホチキス留めをしていた遠藤えんどう 蜜柑みかんが、プリントを叩き下ろしたのだ。


「ここは神聖な学舎です。不純なことはこのお目付役である、蜜柑が許しません!」


そして、遠藤はイツキを睨む。

でも、イツキは焦らず微笑み、錦織先輩の手をとる。

その動作に遠藤は顔を真っ赤にする。


「な、なにを! ふ、不純! 不純です!」


「僕は恋さんの手をとって、見つめ合ってるだけですよ」


そう言って、イツキは錦織先輩をまた見つめる。

先程目を合わせた時はなんとも無かった錦織先輩は、今度は意識してしまい顔を真っ赤にする。


「ははっ」


「な、なにを笑ってる」


錦織先輩は少し目を吊り上げる。

しかし、イツキは少し近づいく。


「いや、僕は恋さんが本当に好きなんだなって思って」


「こ、こらあああ!!」


目を大きく見開いていた錦織先輩の隣から、遠藤がイツキと錦織先輩の間に入る。


「アウト! それはアウト!!」


「どうやら、ここまでのようです」


そう言って、イツキは楽しそうに笑った。


〜〜


「ほら、大西おおにし! 走れ!!」


すでに今日のランニングを終わらせたハジメは更に大西くんの後ろについて、歩こうとしているのを叱責していました。

この前の新田さんとの事もあり少し厳し目です。


「死ぬ〜」


ランニングが終わると大西は倒れ込みます。

そんな、大西をおいてイツキはグランドに向かいます。


「どうぞ」


その途中で松田まつだ みどりさんがスポーツドリンクを渡してくれます。

最近、部活中によく松田さんが世話してくれます。

特に大西くんと一緒の時など。

今のところ害はないのでほっておきましょう。


「ほって!?」


急に松田さんが大声をあげます。


「ど、どうした?」


「いえ、気にしないでください」


どこか、僕が苦手な人と同じ気配がしますが、気のせいと思いたいです。


「なにしてるの! バッティング練習するんでしょ!」


「師匠!」


本来一年生はグランドでボール拾いをしなくてはいけませんが、補欠とはいえ甲子園を目指すメンバーです。

個人練習が認められていました。

そこで、鏡を見ながらバッティングをしていると、効率が悪いと一昨日から練習を付き合ってもらってます。

確かにビデオカメラで誰かに撮ってもらいながら練習するのが一番いいです。


「次、インハイ!」


「はい、師匠!」


ボールはないので、本来出せるスピードより幾分落としてバッティングをします。

そういえば、その師匠ってなんですか?


「俺はこの前ので、自分と向き合い」


ブォン!


「精神的に未熟過ぎるって、思った」


ブォン!


「それと同時に、新田さんは凄いと、思った」


ブォン!


「だから、こんな奴みたいになりたいと、いうことで、師匠なんだ」


そうですか。


「こら! 集中しろ! バットの位置が上がってきてる!」


「すみません!」


それから、実際に球を打つ練習もして、今日の部活が終わろうとした時でした。


「いい、バッティングじゃないか」


「「監督!」」


いつもは守備練習やピッチングを見ている監督がいつのまにかバッティング室入ってきていたようです。


「明日から守備練習にこい」


「わ、わかりました」


その後すぐに監督は部屋を出て行ってしまった。

一緒に練習をしていた新田さんが固まっている。


「どうした?」


「柏山くん。守備練習に出れるって、試合に出る事があるってことよ」


ハジメの頑張りが認められたのだった。

その後はいつものようにランニングをして帰ります。

帰ってからはシャワーを浴びて、自室にもどります。

そして。


「や、やったー!!」


ハジメは思いを爆発させるのでした。


「だ、大丈夫か?」


後ろを振り返ると父さんがいました。

洗濯物を持っているので、置きにきてくれたのでしょう。

連休をもらった父さんは家事の手伝いをよくしているのです。


「俺、野球の試合に出れるかもしれない!」


「な、なんだって! 凄いじゃないか!」


父さんも喜んでくれます。

二人で小躍りしてると、いつのまにか母さんも入ってきます。

そして、ささやかなパーティーをしてくれんのでした。


「そういえば、こんなものをもらったんだ」


食後、父さんがそう言って出したのは二枚のバイオリンコンサートのチケットだった。

マリア・ヴォルコフ?

ロシア人のバイオリニストのようです。


「錦織さんをデートにでも誘いなさい」


それが本音ですね。

ありがとうございます!

早速、明日誘ってみましょう。

ハジメは微妙な面持ちで、部屋に戻ります。


「二人は昔仲よかったものねえ」


出て行く瞬間に母さんはそう言いました。

よくわかりませんが、僕たちには関係ないと聞き流すのでした。


「ねえ、お姉ちゃん。日本ってどんなとこ?」


飛行機の中で妹が問いかけてきます。

私ももう昔のことなのでよく覚えていませんが、いいところではあったと思いますよ。


「そうなんだ。 …それで、お姉ちゃんの王子様はまだいるのかな?」


その言い方はやめてください。

恥ずかしいわ。


「そんなこと言って、楽しみのくせに」


で、でも、もしかしたら引越しとかしてたり。

私のこと忘れてるかもしれないわ!


「もう、お姉ちゃんはネガティブだなぁ」


それに、恋人だっているかもしれないもの。

彼、素敵ですから。


「はいはい。それなら、キスか、なんなら体でも使って奪っちゃえばいいよ」


そ、そんな、はしたない事出来ないわ。


「もう、恋愛は戦争なんだからね!」


分かりました。

さて、飛行機の窓から日本が見えてきました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 前の話で、あれ、ロシア娘もしかして生きてるのと思ってたら、ああ、生きてたのね。
[良い点] マーシャってマリアの愛称じゃないですか~。
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