第一話 一人(ふたり)ごと
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連休の投稿一発目です。
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僕は昔の夢を見ていました。
夢だと分かったのは僕の手があまりにも小さすぎたからです。
「ねえ、カズくん。秘密基地で遊ぼう!」
そう言って僕の手を引く智香がいました。
いつも気弱な一樹をいつも手を引いて、外に連れ出してくれたのが智香でした。
小学三年生の春。
一樹は初めての恋をしました。
公園で一人でブランコにのる銀髪青眼の少女でした。
ですが、彼女は日本語を喋れませんでした。
『一緒に遊んでいいの?』
え?
夢だから脳内で変換したのでしょうか?
それとも、最近ロシア語を勉強したからなのか?
あの頃は分からなかった彼女の言葉が確かにロシア語であることとその内容を理解できました。
それに対して僕は手を差し伸べる。
「ごめん、なに言ってるか分からないけど。一人でいるのなら、遊ぼうよ」
その手を彼女は握ると僕は一緒に走り出していた。
その日から僕は彼女、マーシャとの時間が増えていった。
学校が終わると、出会ったブランコを待ち合わせ場所にして、街を冒険したり、お互いの家に行ったり、最後の頃には智香と一緒に作った秘密基地に行ったりもした。
『大好き』
いつからか、彼女がよく僕に言っていた言葉だ。
そうか、そう言う意味だったのか。
そして、その年のクリスマス。
彼女が行方不明になった。
「一樹、よく思い出して、マーシャちゃんとどこに行った?」
「僕は」
動揺した僕は父さんと一ヶ所ずつしらみ潰しに探した。
非効率的だった。
何度も同じ所を探したりもした。
そして、日も落ちて雪が降り出す。
何時間探しただろうか、父さんも帰ろうと言い出した頃だ。
一ヶ所まだ探していない場所を思い出す。
「…秘密基地」
公園裏の雑木林を少し進んだ所にある僕達が作ったダンボール小屋。
その中で彼女は冷たくなっていた。
なにもかもが遅かった。
もっと、効率よく探していれば。
もっと、彼女を分かってあげれるだけの確かがあれば。
〜〜
おい、大丈夫か?
「ええ、一応」
時間はまだ、四時でしかも日曜日だ。
だが、嫌な予感に目を覚ますと、俺は意識世界にいた。
モニターからはイツキがうなされているのが見えた。
起こした方がいいだろうか?
そう考えたと同時に目を覚ましたのだった。
「マーシャ」
こいつはまだ、彼女の事を割り切れていないようだ。
「それを言うならあなただって」
そうだな。
その通りだ。
「……少しは、吹っ切れたのですか?」
分からん。
ても、最近は智香を思い出す日が少なくなってるのは確かだ。
「そうですか。だから、突発的に告白する事もなくなったのですね」
うぐっ
そ、そうだな。
なんで、あんなことを。
「分かり切ってるでしょ」
あ、ああ。
俺は智香に告白した時以外、ちゃんと好きだと伝えたことがなかった。
マーシャにも、気持ちを伝える前に。
「僕も生まれてすぐは、極度のコミュニケーション下手でしたし」
最近は普通に話せてるしな。
…姉貴以外。
「効率を考えると、恋や愛といったものが分からなくなるものなのですよ」
それは、今でもじゃないか?
恋先輩に返事を待って欲しいと言われて二週間も経つのに進展はないし。
「元々僕は好きでも、なんでもないです」
でも、生徒会の仕事だけは手伝うあたり本当に面倒見がいいな。
「あなたの尻拭いの結果なですが」
すみません。
…
……
…一樹って、どうなったんだ?
「やはり、そこですね。引きこもってたハジメと違い、僕は生まれてすぐの頃から、一樹をやってました。だから、あまりにも違い過ぎると分かりました」
俺も今感じている。
野球部だったがスポーツ万能なわけではなかった。
バスケの件も、体力作りの為に毎日十キロ以上走っているのも一樹の頃からは想像もつかない。
更に性格も真面目、というか根暗だった。
「でも、確かに一樹の過去の記憶や思い出は今もここにあります」
そうだ。
だからこそ、俺が一で。
「僕が樹なのでしょうね。さて、もう五時です。朝練の準備をするとしましょう」
最近私の朝は早く、パパと一樹のお弁当を作っています。
「おはよう」
一樹が起きてきました。
いつも、朝はご飯と目玉焼き二つ、お味噌汁をかき込みます。
もっと、ゆっくり食べればいいのに。
でも、昔みたく寝癖を直すことがなくなっのは少し寂しいです。
「行ってきます!」
さて、私も行きますか。
一樹は初日は電車で学校に登校していたが二日目からはランニングで学校に向かっているようです。
そのおかげで体も引き締まって、身長も五センチも伸びました。
男らしくなって、惚れ直してしまいます。
「おはよう、良子ちゃん」
最近よく一緒に登校してる女の子です。
でも、彼女は敵になり得ないでしょう。
良き戦友、ライバルのような関係のようです。
十八分四十二秒です。
昨日より少し遅いです。
ちゃんと登校できて何より。
さて、私も大学を頑張りますか!




