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第十話 分かること、分からないこと

日が変わるまえに投稿出来ずにすみません。

いつも、皆さまのコメントに支えられて頑張ってます!

明日から三連休なので、ガンガン書いて投稿していきます。

…もう、今日か。

起きてください。

もう、五時ですよ。


「あと、ごふん」


あなたが起こしてくれと言ったのでしょう。

また、足の小指をタンスにぶつけますよ!


「…うるさい」


ここ二日で分かった事で、ハジメは朝に弱いようです。

無理に起こすと、不機嫌モードになります。

昨日の休みの日に起きたのが九時過ぎでした。

ですが、昨日ハジメは新田さんに野球部入りを認めてしまい、今日から六時の朝練に行かなくてはなりません。

ですので、まだ薄暗いこの時間から家を出る事になったのですが。


「zzz〜」


仕方ありません。


下に新田にったさんが迎えに来てますよ。


「!?」


ハジメは窓から下を覗きますがもちろんの事そこに誰もいません。


「ちっ」


本当に単純ですね。

舌打ちする前に着替えて、朝練前に学校まで軽くランニングしますよ。


「なんで、指図されないといけないんだよ」


あくまで提案です。

実際にするかどうかはハジメ次第です。

ですが、一昨日のバスケの時や昨日のランニングなどで集めたデータからハジメに適切な練習プログラムを作成しました。

まだ、調節が必要ですがやってみませんか?


「分かったよ」


一昨日までは考えられなかった光景ですね。


「ここ数日の事で理解した。前々からイツキは基本俺の為になるように、色々とやってくれてるって」


理解いただけて嬉しいですよ。


「嫌いな部分も多いが」


そうですか。

でも、今はとりあえずそれでいいです。

ハジメは学校指定のジャージに着替え、昨日のうちに作ってもらった朝ごはんを頬張り、学校へ向かう。

ですが、学校までの中間地点に差し掛かった頃でした。


「腹減った」


少し走るペースが遅くなります。

先程、お母さんの作ってくれたおにぎりを食べたばかりでしょ。


「でも、腹が減るのはしょうがないだろ」


前に買って食べずに置いといたプロテインバーをカバンに入れておきました。

せめて、それを食べてください。


「あれって、腹にはたまるがすごく不味い」


そうですね。

ですが、アスリートを目指すからにはある程度は頑張ってください。

何でもかんでもダメなんて言いません。

ですが、間食くらいは自重してください。


「はいはい」


昨日、足を止めた信号機の前に見覚えのある後ろ姿がありました。


「良子ちゃーん、おはよう!」


ハジメの声に振り向いた新田さんは軽くため息を吐く。


「ランニングしちゃったか〜」


「ランニングしないほうが良かった?」


「そんな事はないけど、一年生はまず体力作りからだから」


なるほど、ランニングや筋トレといった基本トレーニングがメインになんのですね。

でも、当分の間僕が考えてるトレーニングも体力作りを主軸になりますので、問題ないです。


「えっと、大丈夫、だと」


「感覚だけど五キロくらい家から距離あるでしょ。朝練でも三キロ走るわよ」


「それなら余裕だ」


「そう」


信号が青に変わり、二人とも走り出します。

もっとスピード出していいですよ。

後、次の角で残り三百メートルです。

全力で走ってください。


「それじゃ、先に、行くね」


新田さんを少しずつ離していきます。

そして、学校に着くのでした。

すぐにストレッチを。


「OK」


軽いストレッチをしていると、少し遅れて新田さんが学校に到着しました。


「は、はやすぎ」


途中まで付いてこようとしてましたが、無理だったようですね。

でも、自転車で追いつかないって、新田さんは基礎筋力が低いようです。

場所を野球グランドに移します。

その後は腹筋、背筋、腕立てをゆっくりと五十回行ってください。

そして、ランニング三キロすれば始業時間十分前には間に合うでしょう。


「今日、クラス決めのテストなかったっけ?」


ありますが?

もっと、ゆっくり負荷を掛けるように筋トレしてください。


「勉強、しなくて、いいのか?」


勉強は常日頃から行うものです。

直前にちょっと勉強した程度で点数が変わるような、勉強の仕方はしてないです。


一樹かずきは、勉強し、てたな」


そうですね。

逆に直前にしか勉強してませんでしたが。


「勉強の何が楽しいんだか」


はい?

勉強なんて楽しいわけないじゃないですか。


「そう、なの、か?」


はい。

でも、ハジメみたいにスポーツが得意というわけでもないですし、勉強することが分かりやすく未来に直結しやすいですから。


「どこまでも、効率、重視、なのな」


褒め言葉ありがとうございます。


「体力オバケ」


声の方を向くと新田さんが先程とは違って、深いため息を吐いていました。


〜〜


イツキの予想通り、ホームルーム十分前に席に着いていた。


「そこがこうなるのか」


イツキは周りが勉強している中、教科書や参考書ではなく、分厚い本を読んでいました。

しかも、英語?


「いえ、ドイツ語です」


だと。

内容は?


「X線解析における基本知識と被験体やデータの使用に関する留意点です」


何言ってるか分からん。

しばらくすると、ホームルームが終わりテスト監督の先生が教室に入ってきた。


「それてはテストが始まりますので」


了解。

終わるまで黙ってるよ。

暇な時間が増えるな、そう思っていた。

でも、イツキは本来一時間かけてのテストを十分そこそこで終わらせると、回答用紙を提出して本の続きを読み始めた。

国語、数学、英語の全てで同じことがおこり、午前中最後の理科のテストの時だった。


「図書室に行ってもいいですか?」


例の如く、本を読んでいるたイツキだが試験監督の先生を呼び止めて言った。

テスト時間中なんだからダメでしょ。


「あまり、特別扱いはしたくありませんが、首席くんだしいいでしょう」


あっさり許可が出てしまった。

…首席?

イツキは図書室で物理学の専門書を手に取って貸し出しの受付をしてもらう。


「返却をお願いしたい」


聞き覚えのある声に樹は隣の返却受付を見ると恋先輩が和やかに笑ってた。


「昨日ぶりだね」


「こんにちは」


「ああ、こんにちは。この後、ちょっといいかい?」


こう先輩が話したいことがあると言うことで中庭に移動する。

二、三年生もテストなのに中庭にはすでに何人もの先輩方が昼食をとっていた。


錦織にしきおり先輩は理系選択なんですね」


「そうだ。今は歴史のテスト時間中だな。理系は社会科目を一つ選択で受けるから、地理を選んだ私は今の時間空いているんだ」


「本来は自習教室で勉強では?」


「硬いことを言うな。それに、自習教室には教師もいない。黙認されているんだ。それより、お昼だろ。食べないのか?」


「そうですね」


鞄に手を入れるとなぜか弁当が入っていた。


「昨日はなかったのに」


「どうした?」


「い、いえ」


イツキは弁当を開けると彩り豊かなおかずたちが、詰められていた。

母さんか?


「栄養バランスもいい」


「愛されているのだな」


「…そうですね」


何か思うところがあるようだが、イツキは「考えすぎか」と、呟き弁当に舌鼓をならす。


「私は生徒会を辞めようと思う」


しばらく、静寂に包まれながら昼食を摂っていると、恋先輩が突然宣言した。


「そうですか」


「でも、急には生徒会メンバーを集めることができない。そこで、ゴールデンウィーク明けの交換留学生の歓迎会が終わるまで仮で生徒会長をすることになった」


「大体予想通りです」


「あと!」


聞きに徹していたイツキは恋先輩の突然の大声に横を向く。

恋先輩は顔を俯かせながら、耳まで真っ赤にしていた。


「君から受けた、こ、告白の、件だが。返事は、もう少し、待って欲しい。まだ、お互いの事もよく知らないし、君の言葉が、棘のように刺さる事もあった」


「す、すみませんでした」


イツキの言葉に恋先輩は目を大きくする。

そして、イツキの制服の端を掴むと涙で溢れそうな視線を向ける。


「い、いや。謝って欲しい訳ではない! 寧ろ優柔不断な私が悪かった。三人から告白されて怖くなって全て断ったのも、君からの告白に対して、まだ、返事が、できていないのも」


「はい」


「君の事を昨日からずっと考えていた。生徒会の仕事はもちろんの事、去年の話を聞いてくれた事も、辛辣な助言も、私のためだったと、理解して尊敬している! 好きか嫌いかで言われれば。 …好きな部類なのだろう」


恋先輩はまた、俯いてしまうが制服を握った手は離さない。


「だけど、恋愛は初めてで分からない。だから、もっと、君を、教えて、欲しい! 君を恋愛対象として好きだと判断できるだけの要素が欲しいんだ!」


「そうですね」


言葉自体はいつもと変わらない樹だが、その視線は焦点が定まらず、モニターがグラグラと揺れている。

内心かなり照れやら驚きで一杯なのが分かる。


「そういえば忘れてましたが」


だから、あいつは失敗したのだ。


「僕の名前はイツキです」

私がやらなくてはいけない事。

それは、一樹にマーキングするのとである!

いえ、犬、猫のような事は一樹に頼まれればしますが、基本しません。

でも、良からぬ虫がつかないよう牽制はしておくべきだと思います。

そこで、メスどもに牽制かつ、胃袋を掴んでおこう大作戦です!!


一樹がママに頼んでいたおにぎりを代わりに愛情をたっぷりと込めて握りました。


更にお弁当を朝早くから作りました。

ハートも添えて、こっそり鞄に入れておきます。

どうやって入れたかって?

企業秘密です。

かなり、余ったので、パパの分も作ってあげましょう。


これで準備万端です。

後は一樹の帰りを待つのみ。

扉が開く音に反応して思わず玄関まで行きます。


「ただいま〜」


しかし、パパでした。

今日はパパの方が帰りが早かったようです。


「芽明」


「なに?」


「ハートはちょっと恥ずかしいかな」


私は膝から崩れ落ちるのでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 豪快な姉。 [一言] まあ姉は置いといて(何かもう主人公以外の家族の物語が 面白過ぎて)、主人公無理しすぎると又、倒れるのでは。
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