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拝金教
縹局の看板
女が走って来る。
中庭で男が武術の稽古をしていた。
「兄さん」
「どうした、琳。こんな朝早く」
「お父さんが殺されて、大金が盗まれたわ」女が男に言った。
「ナニッ」
その頃、山中の家の前に人々が集まっていた。
家から男が出て来た。
「皆の者」男が口を開く
「悪どい金貸しは我々の手で処刑した。そして金は奪い返した」
パチパチパチパチ
人々が拍手喝采した。
「これから、皆に等しく金を与える。並べ」
人々の長蛇の列が出来る。
「教祖様、ありがとうございます」
皆、口々にそう言って金を受け取った。
「我等、拝金教に従えば金に困る事はない」教祖が言う。
「共に戦おう。富豪は敵だ。共に奪おう。そのために戦うのだ」
歓声が響き渡る。