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第8話 言い寄られる彼に片思い

「わたくしの夫になってください!」

お姫様のその言葉に耳を疑った。

「えええええっ!?」

僕は驚いた。

だが、それ以上に周りの人たち(シリエス、フェル、アスハ、国王)が驚いていた。

それはまあ当然だろう。


「ちょっと待ってください!」

お姫様を制止する。

「どうしました?もしかして好きな方でもいるんですか?」


「そうじゃないですけど、自分はどこの誰かも分からない人ですよ」


「そういえば、記憶喪失でしたね。でも大丈夫です。過去がどうであれ大事なのは未来です」


「それに今日が初対面ですよね!?」


「これからお互いを知っていけばいいでしょ」


「貴様、シャルロッテの夫になるのがそんなに嫌かね?」

国王が口を挟む。

「お父様、これは私たちの問題です。口を挟まないで下さい」

そう言われ、国王が引き下がる。

「わかりました。それではお友達になってくれませんか?」

お姫様はそう提案してきた。

特に断る理由も無いから

「それならいいですよ」

と答えたのだが、

「はい!それではお友達から始めてお嫁さんを目指します」

と言われてしまった。

「では、改めて。シャルロッテです。気軽にシャルとお呼びください。それと敬語は無しです。

 よろしくお願いします、シグレさん」


「こちらこそヨロシク、シャル」

そう言って握手をする。


その様子を羨ましそうに見ていた人がいた。

「アスハ、貴女もあれくらい積極的になりなさい」

フェルはアスハにそう声をかける。

「な、何を言ってるんですか!?わ、私にはなんのことかさっぱり...」

アスハは慌てながら誤魔化す。

「貴女がそれでいいなら何も言わないけど、後悔しても知らないわよ」


ーーーーー

それは時雨に手紙を届けた日より数日前のこと。

アスハは一人街をブラブラしていた。

そんなアスハは笑顔で野良猫の相手をする少年を見つけた。

その優しい笑顔に心がときめく。


その数日後。

フェルと一緒にシリエスの鍛冶屋へ行くとあの少年がいた。


アスハは何故か少年の顔を見ることが出来なかった。

見ていると顔が暑くなる。鼓動が早くなる。

アスハは少年に一目惚れしていたのだ。

しかし、アスハはそんなことも知らない。

アスハは恋をしたことが無いのだ。


その事をフェルに話すとそれは恋だと言われた。

言われて初めて、これが恋かと気づく。

ーーーーー

そんなこともあり、シャルの告白に驚いてしまう。

(相手はお姫様。私じゃ到底敵わないな....)

と考えてしまう。

だが、時雨は断った。

(もしかしたら、勝機はあるのかも)

そう思うと自然と笑顔になった。

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