第7話 どんどんハーレム要員が増えますね。
フェルが国王陛下からの手紙を持って来て数日後...。
初めて造った剣を持ってシリエスと一緒に国王に会うため城に来ていた。
「うう....緊張してきた....」
そう呟くと
「ほら!シャキッとする!」
とシリエスに背中を叩かれた。
「なんでシリエスはなんで平気なの?」
「まあ、何回か来たことあるからね」
シリエスのその発言に僕は驚く。
「ええ!?そうなの!?」
「驚き過ぎよ。これでも私はそれなりに名の知れた鍛冶士なんだよ?」
「そうなんだ...」
そこへ
「シグレ!シリエス!」
という声と共にフェルとアスハが駆け寄ってきた。
手紙を渡されたあの日、あの後アスハと自己紹介しあったのだが...
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遡ること数日前
「時雨です。よろしく」
黒髪の女性に挨拶すると
「.....アスハ・コルティ。フェルレナ殿と共に魔物の討伐をしている」
そう返された。
.....のだが、一回も目を合わせてくれなかった。
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そして今日もアスハを見ると目を反らされてしまう。
「は~」
とため息をつくと
「どうかしたのか?」
フェルが聞いてくる。
「アスハは僕のこと嫌いなんですかね」
そう言うと
「なんだ、その事か。アスハは恥ずかしがり屋なだけだよ。
アスハのことヨロシクね」
と言われてしまった。
どういう意味だろう。
そんなことを考えながらフェルについていく。
そして大きな扉の前で止まる。
いかにも王さまがいそうな場所だ。
フェルとアスハが扉を開ける。
そこには髭が生えたいかにも威厳がありそうなオジサンと
金髪クルクルの同い年くらいの少女が大きな椅子に座っている。
「よく来たね、シグレ君。それにシリエスさんも久しぶりだね」
「は、初めまして」
「お久しぶりです、国王陛下。シャルロッテも久しぶりね」
シリエスは先ほどまでとは違い、真剣な表情で挨拶する。
「早速、本題に入りたいんだが、いいかね?」
「は、はい」
そう言って剣をフェルに差し出す。
そしてフェルが国王に渡す。
国王やお姫様の暗殺対策なのだろうか。
国王は剣をじっくり見定めている。
「私は昔、とある鍛冶士のもとで修行したことがある。その為知識はあるのだが....
この剣は話に聞いた通り、実に素晴らしいな」
「あ、ありがとうございます!」
「シグレ君、それとシリエスさん。王国専属の鍛冶士にならないかね?」
国王はそう提案した。
しかし、
「前にも言いましたが私は自分の造りたいモノを造ってるだけですので、
その話はお断りします」
そう言って、断った。
というか、シリエスって凄いんだ...。
「やはりそうか...。シグレ君、君はどうだい?」
「お断りします」
ハッキリとそう答えた。
「理由を聞かせてくれ」
「自分はただシリエスに助けて貰った恩を返しているだけですので。
そう言う名誉な事を頂けるほどの志もありません」
「ふむ、そうか」
「それと、今の暮らしに満足してるんです。シリエスと一緒にいる今が」
そう言って顔をあげると
お姫様がキラキラと目を輝かせていた。
その様子に国王も気付き
「どうしたんだい、シャルロッテ」
声をかける。
「...シグレさんの思いに感銘しました。貴方こそわたくしの求めていた男性です!
是非、わたくしの夫になってください!!」
「えええええっ!?」
この世界に来てこんなに驚いたのは二回目だ。