第4話 勇者登場....まさかの金髪美少女!?
店に来たのは金髪美少女の女剣士。
「いらっしゃい、フェル」
シリエスは挨拶をする。
「こんにちは、シリエス。ところでその少年は?」
「居候のシグレよ。記憶喪失みたいでうちに住んでるの」
「私はフェルレナ・スタータレット。ヨロシクね」
フェルレナは笑顔でそう言った。
あまりにも眩しすぎる笑顔に気をとられてしまう。
「....時雨です。よろしく」
時雨は挨拶するとある質問をした。
「フェルレナさんは兵士なんですか?」
「フェルでいいわ。私は兵士じゃなくて勇者よ」
「勇者?」
「そう、魔王軍と戦う勇者」
そう言われ、前にシリエスから魔物がいるって話をされたのを思い出す。
「と言うか本当に記憶喪失なのね。私はそれなりに有名なんだけど....」
「フェルレナ、それより何しに来たの?」
フェルレナはそこで元々の用事を思い出す。
「この剣を研いでくれないかしら」
「お安い御用よ」
フェルレナはシリエスに剣を差し出した。
すると机の上に黒い剣が置かれているのが気になった。
シリエスは無造作に剣を置いたりしないから。
「ねえ、この剣どうしたの?」
フェルレナは訊ねる。
「ああ、それはシグレが造ったんだよ」
「え!?この剣を彼が!?」
「そうなのよ~。私も驚いたもの。初めてなのにこんなに凄い剣を造るなんて」
「初めて!?」
「シグレには才能があるんだよ。きっと」
「そうね。シグレ、この剣譲ってくれないかしら?」
フェルレナが提案する。
しかし、時雨は首を縦に振らない。
「それよりもっといい剣、シリエスが造ってくれるよ」
「私はあなたの剣がいいの。私は剣は作り手の心をうつす鏡だと思ってるの。
あなたの剣は力強いけどそれだけじゃない。
それはあなたが強く、優しい心を持ってる証拠よ」
しかし、時雨は渋る。
「じゃあさ、シグレが納得いく剣が出来たらフェルにあげるってことでどう?」
剣を研ぎ終えたシリエスが提案する。
「それ、いいわね」
時雨は二人に押しきられ、妥協する。
「わかった。いつになるかわからないけど、納得いくのが出来たらフェルにあげるよ」
「約束よ」
「うん、約束」
いつになるのか分からないがとりあえず当面の目標ができた。