プロローグ 夏休み開始!
こんにちは、にとろんと申します。
今回は自分の好きなハーレム系ラブコメを書きたいなあと思い、書きはじめました。
まだプロローグということで主人公しか出てきませんが読んでくださると嬉しいです。
それではどうぞ。
大学生の夏休みは長い。
自転車をこぎながら自分の夏休みの日数を数えている彼、榊真司は男子大学生である。
黒ぶちのメガネに白のシャツ、黒のズボンに黒の髪というなんとも地味な格好の彼は、人生初の大学生としての夏休みの予定を考えているのだ。まあ、予定といっても海だ山だ恋だなんてものではなくて宿題やバイトのことだけというのが悲しいところだが。
学校からの長い下り坂を下りきると交差点に突き当たる。標識の示す地名は神野町。この町は学校が多い、すなわち学生の多い町だ。駅名にもなってはいるが都会というわけでわなく、ビルは駅の近くぐらいにしかない。真司の家は神野駅と学校を線で結んでちょうど真ん中辺りに建っている風呂トイレつきのワンルームというよくある学生の一人暮らしのアパートで、決して広いというわけではないが、自慢の城だ。アパートの駐輪場に自転車を停めて、少し錆びた階段を上がると彼の部屋、201号室である。
「ただいまー。」
相手のいない帰宅の報告を済ませ、少しむなしくなってから部屋着に着替えると、今日学校で手に入れたアルバイト募集のチラシを鞄から取り出す。真司は決して浪費癖があるわけでもなく、親からの仕送りもあるのだが、夏休みはバイトをしようと決めていた。というのも、小さい頃から大好きなゲームシリーズであるカミサマコロシアムの最新作、カミコロ4が今年の秋に発売されるのだ。カセット代だけなら少し食費を見直せば捻出できないこともないだろうが、問題は真司がカセットの対応しているゲームハードを持っていないのである。まだ発売して一年も経っていないので中古品にしてもなかなかのお値段で、そこでバイトである。
何枚もあるバイトのチラシに目を通していく。飲食店では時給が低いし、引っ越し業者や土木関連の仕事ができるほど体力に自信はない。仕事に楽なものなんてないとわかってはいるつもりだが、自分にもできて、カミコロ4という目標も達成できそうなものはなかなか見あたらない。諦めかけていたところで1つの仕事が目にとまった。
「塾講師か………。」
フレイヤ塾という名前の塾の夏期講習のアルバイトだ。これなら真司にもできるかもしれない。少し塾の名前が気になるが、ここまできて贅沢は言えない。善は急げと広告の電話番号に連絡をしたところ、3日後に面接をすることになった。
真司の夏休みがはじまる。
神様の塾講師 プロローグ、読んでいただいてありがとうございました。今回も大まかな設定のみでエンディングはまだ決めておりません。楽しんで書けていけたらなあと思っております。
では、またいつかお暇なときにでもお付き合いください。