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年の差なんてどうでも良い (水伊×要)

多少甘めです。

東市で買い物をしていた私。

母上が最近体を良く崩すため、看病を続けている。


…と、其処で背の高い紫髪の人を見つけた。

恐らく彼は…


「要殿ーっ!」

「あ?よ、水伊じゃねぇか」

「要殿はどうなさったのですか?東市で」

「いや、一寸ぶらついてたんだ。…お前は?」

「母上が体を崩してしまったので…取り敢えず夕飯の材料を買いに来たんです」

「なんなら、俺も手伝おうか?こんなに荷物有るし」

「いえいえ、要殿に迷惑をおかけしてしまいます。私一人で大丈夫ですよ」

「なら……良いけど。そうだ。お前にこれ、あげるよ」

「え?」


そう言って渡されたのは、腕輪。

随分前に要殿と東位置に来たとき、私が綺麗だっていってた腕輪。

まさか、これを買ってくださるために東市に…?


「要殿。もしかして、これを買ってくださるために東位置に来ていらしたのですか?」

「え…いや、そう言うワケじゃ…」

「そうにしか思えないんですけどね…」


――素直に言ってくださって構わないのですよ?要殿

――いや……でも……っ。確かに、今日買いに来たんだ。お前が凄く欲しそうだったから

――高いのに、良かったんですか?買って貰っちゃって…

――良いんだ。お前のためだし

――本当に有り難うございます!大切にしますね!じゃあ、今日はこの辺で失礼します。

――またな、水伊


そう言って、要殿と別れた私。

腕に填められた腕輪を見て、少し笑った私。

五歳も年上の要殿に初めてあった頃に一目惚れした私。


だけど…年の差なんて関係ないのかもしれない。


その時、余所見をしていたのか誰かにぶつかってしまう。

その反動でこけたとき、足を思いっきり捻ってしまい座り込む体制になってしまう。


「ごっ御免なさい!」

「御免なさいで済むと想ったか?お嬢ちゃんよ」

「…他に何か挨拶でもしろと?」

「余所見をしていた奴が悪いんだよ」

「其れは既に承知しております。取り敢えずその場所を退いていただけないでしょうか。母上の看病に戻らなければならないのです」

「あ゛ぁ?戻すとでも想ったか?」


――マズイ。

賊用の剣は置いてきたし、愛剣も持ってない。

それに、足を捻った所為で動けない。

無防備状態だ。


気が付けば私の周りは、五・六人の破落戸ごろつきに囲まれていた。


「はぁ…私を囲んで何のおつもりですか」

「当たり前だろ?アンタを片付けるんだよ。丁度剣も持ってないみたいだしなぁ…」


どうしよう…為す術もないよ……。




――助けて、要殿っ!!!




「おい。水伊に寄って集るんじゃねぇよ」

「貴様何者だ!」

「俺?旺要。取り敢えず其処にいる水伊の幼馴染み。…水伊に指一本触れんじゃねぇ。もし、一本でも触れてみろ。俺がぶった切ってやるさ」


そう言って要殿は懐から剣を取りだして、五六人の破落戸を相手にしようとしていた。


「勝てるんですか!?要殿!!」

「余裕余裕。お前は其処でじっとしてろ。助けてやるから」


もう、その言葉に従うしかなかった。

何も持ってないから。


要殿は、六人の破落戸が一斉に飛びかかってきても優々と交わし、弾き返す。

その姿に暫く惚れていたのは言うまでもないけれど。

本当に…尊敬しています、要殿。


いつの間にか、昨期私を襲おうとしていた破落戸は床に突っ伏していた。

片付けるまでに数分もかかっていないと想う。

要殿は…本当に凄い…。


片付け終わった後、要殿は剣を鞘に収め私の方へと歩んでくる。


「大丈夫だ。もう、片付けたから」

「有り難うございます。…生憎剣を持って無くて…」

「いや、良いんだ。…なんか、お前に呼ばれた気がするんだよ。助けて、ってな。んで、此処に来たらそうなってた訳だ。悪かったな、一人にさせて」

「良いんです。…無防備だった私もいけませんし。あ、戻らないと……痛っ」


足の方に痛みを感じて、裾を捲ってみたら昨期転けたときに捻った足が赤く腫れ上がっていた。


「どうしよう…このままじゃ帰れないな…」

「何なら俺が馬、持ってこようか?」

「え?そっそんな要殿が手間掛かるだけですよ!」

「取り敢えず待ってろ。急いでいくから」


そう言って、私が止めるのも聞かずに要殿は急ぎ足で戻っていった。


本当に…迷惑かけすぎだな…私。



だけど、要殿と少しでも長く入れるのなら其れは其れで良いな、と思った私。


数刻して要殿が馬に乗って私の前に来た。


「待たせたな、水伊。取り敢えず、馬に乗れるか?」

「何とかいけると…痛っ」

「やっぱ、無理か。……一寸悪いけど」

「え?何するつもりですか……ってえぇ!?」


世に言う「抱き上げ」って奴をされている私。

馬上に来たときにはもう心拍数が異常な数を示していた。


「しっかり捕まってろよ。手、離すな」

「わかりました」


そう言って手綱を持つ。何時もの馬の早さとは何か違うと想った私。


(急いでくれている?)


「もしかして、急いでくれてるんですか?要殿」

「当たり前だ。お前をこのままにしておく訳にはいかないからな」

「本当に……迷惑ばかりかけて申し訳ございません」

「馬鹿言うな。俺は迷惑なんて思ってないから。…むしろ、かけてくれて良いから」

「そんな訳にはいきません。…貴方に今までどれほど迷惑をかけたか。もう、数えきれません」

「其れだったら俺だって同じさ。本当に、済まない」

「要殿が謝る必要なんて、何処にもないです。…今回も本当に有り難うございます」

「良いんだ。お前が何かあったら、俺が平常心ではいられなくなるからな」

「あまりに執着する人ならその場でぶった切ってますけど、要殿場合ぶった切れ無いです」

「何だ世其れ!?其れってもし、俺が幼馴染みとかじゃなかったらぶった切られるって事!?」

「そうですね」


そんな事を言って笑いながら、馬は私の家の方へと向かっていった。


年の差の恋……どうでも、良いよね。

好きなのは、好きなんだから。

これからもよろしくお願いします、要殿。


…私は何時か賊として貴方を殺しに来る羽目になります。

その時は、本当に御免なさい。

一つの任務として、受け入れてください。


そして、何時までもこの年の離れた恋を見守っていてください。

あとがき


えーーーーーーーーーーーーーっと(長い

とっ取り敢えず、甘めです。


封弥さんは甘いのしか書けないんですよ(←

甘いのを得意分野としています(黙れ


取り敢えず、次回は甘くはないと想うんです。

あくまで予想ですので、お気になさらないでください。

封弥の予想は68%当たらないので(微妙だな


ではでは♪

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