ゴカイ
「ふ〜」 仕事が終わり一息ついた時に 先程
の同僚が話し掛けてきた
「よぅ〜 昼は一人で寂しかったぜ〜」
「悪かったよ どうもほっとけなくてな」
「まぁ 仕方ねぇよ 昼飯で手を打とう!」
「分ったよ 今度ご馳走するよ」
等と話しながら 歩いてると 隣の部署の 扉が
開いていた まだ居るのかな? そう思いチラッ
と覗いたが 阿部さんの姿は見えなかった
「あの子が気になるのかな〜?」
ニヤニヤ笑いながら 俺に言った
「そんなんじゃ ね〜よ」眉を顰めて言うと
「でも お前 確か 恋人が 居たんじゃね?」
「ああ アイツには・」そう言いかけた時
俺の後ろで ガタンと物音がした
振り向くと そこには驚いた顔の阿部さんが
立って居た
「あ す すいません 盗み聞くつもりは なかっ
たんです ホントにすいません」
俺の横を走り去った 阿部さんの瞳から
涙が零れ落ちた様に見えた
そして 後ろ姿を見ながら 続きを言った
「ふられたよ もう 終わったんだよ」
「そう・・」同僚は言葉に 詰まった
それは 俺の頬に 涙が伝い落ちていたからだ
「お前ひょっとして あの子の事を・・・」
「そんな訳ないだろ」涙を拭いながら言った
少し沈黙が 続き再び同僚が口を開いた
「勘違いされたな すまん」
「謝らなくていいさ 別に・・・」「どうせ
裏切られるなら 何も始まらない方がいいさ」
気不味いまま 同僚と別れ家へと 帰った




