ヒルゴハン × 2
勢いで 隣の部署に 入ったはいいが・・・
周りは ざわつき 皆からの視線を感じる
そりゃそうだよな 俺だって隣の部署の奴が
いきなり入って来たら 見てしまうよ
俺は唾を飲み込み 拳を握りしめて 言った
「阿部さん 昼食一緒にって 約束してたので
来ましたよ」「さぁ 行きましょうか」
勿論約束等していない 誘う為の口実である
阿部さんは 何が起こったのか 分らず
ただ ただ 唖然とした表情で 俺を見ていた
そして暫くの間 沈黙が部屋の中を包み込んだ
その沈黙に 俺は耐えきれず 阿部さんの腕を
掴み 俯いたまま 言った
「さぁ 行きましょう 時間がないですよ」
すると 阿部さんは 踏ん張りながら言った
「ごめんなさい 私 お金無いから」
その言葉は とても 虚しく そして 哀しく
俺のココロに響き 胸が痛んだ
何をやってるんだ 俺は 情けない
阿部さんに あんな事を言わせる為に
そんな為に 俺はここに来たんじゃない
俺の考えが 余りにも 浅はかだった
「ゴメン こんなつもりじゃ なかったのに」
掴んでいた腕を離し 俺は呆然と立ちつくした
そんな表情を見てなのか 呆然と立ちつくして
いる 俺の腕を掴み 阿部さんが 口を開いた
「私こそ ゴメンナサイ 約束忘れてました」
「さぁ お昼食べに 行きましょう」
そして俺は阿部さんに 引っ張られながら
表に出たのだった




