まおうからせんせんふこくがくる
1話目は短編の方に一度投稿してあるのと全く一緒です
2話以降が出来たのでこちらに移動
お友達曰く、1話目は『起』『起』『起』『結』
この話は勇者(仮)と魔王との伝説を書いた内容です。嘘です。ちなみに勇者(仮)は、まるで無垢な子供の様な素直な心でゆうしゃと読んでくださると幸いです。別に、腐れやろうと読んでいたいても私自身は何の問題もありません。また、この先は(仮)の部分を外し、そのまま勇者と名義することにします。
まず最初に、このお話のメインとなる勇者をご紹介しようと思います。
長身でスタイルがよく、金髪がロングでサラサラの女性をイメージしてください。出来ましたか?そう、目つきはきつめで。スタイルは良いほうですが胸はありません。平らです。人によっては美人とも、そうでないとも思えるかもしれませんが、美人のほうが見た目がよろしいかと。
さて、出来ましたか?別にできなくとも、お話になんら問題はありませんのでご安心ください。
では、何故彼女の容姿についてお話したのかといいますと、コイツは男です。Y染色体の混じった。そう、所謂オカマや女装と言った人です。
ココまでで、コイツが勇者だと思える人は居るでしょうか?居ないでしょう。
ですが、血筋とは恐ろしいもの、この女装癖にも勇者の血が混じっているのです。末席ですが。その辺りのお話はまた別の話。ただ、一応の苦労はなさっていると思ってください。
また、このお話の勇者は魔王を倒したもの、という意味で使われています。仮なのもそのためです。つまり、ご先祖様が魔王を倒したことがあるという事実しかありません。ですが、勇者のみ、秘儀こんてにゅーを使うことが出来ます。恐ろしい血筋です。
という意味なので、勇者候補の皆さんはそれなりに出てきます。皆、我こそが勇者だ・・・と。何を言ってるんでしょうね?あの人たちは。
ですが、この人だけは例外です。その辺りの話は、機会がありましたらすることにしましょう。
さて、他に魔王というちんまい子がいらっしゃるのですが、私もまだお会いしたことが無いので語ることはありません。何故ちんまいのがわかるのか?という疑問については写真で見ました。
ところで先ほどからのたまっているお前は誰なのか?とお思いになりましたか?なりませんか、でしたら大した存在でもありません、先へどうぞ。お思いになられた方は、少しばかしの時間をいただきます。
私はそうですね、所謂語り手というものを勤めさせていただいてます。語り手、と書いて空気とも神とも読みます。
容姿はそうですね、どの様な姿を想像していただいても結構です。私は空気の様なものなので。老若男女、どうぞご自由にご想像ください。
とある事情から、勇者と一緒に動くことを余儀なくされました。ですが、生死を共にするほどは一緒ではありません、あしからず。
また、勇者に特別な感情も持っていません。ここは重要なのでしっかり覚えておいてください。いいですね?
他にも奈々師匠やユメ様というちんまい方が出たり出なかったりしますが、さしたる問題はありません。
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まずは我が家の人員構成をお話しましょうか。例によって例の如く、興味の無い方は、自宅でカサカサテカテカとしている黒い虫を見つめたときの様に、さらりとスルーしてください。
まず最初に、語り手であり、このお話の神となるべく私が居ます。このお話は私のさじ加減一つで決まります。もしも私に気に入らない人物が存在し、パチンと指を1つ鳴らせば、その人物は大変よろしくない人物として書かれることでしょう。例えソレが主人公であっても、です。とはいえ、このお話の主人公は私がわざわざ陥れるほどの聖人君子でもないので、大した問題はありません。
次に、我が家の主人であり、このお話の主人公である勇者が居ます。勇者は大変な怠け者で、人生は食う寝る遊ぶという、人類の三大欲求を何処か間違えている様な生活を送っています。おそらく性欲は何処かに置いていってしまったのでしょう。また、性欲と一緒に生活能力も置いていったようで、勇者は家事と名の付く事を一切しません。つまり、勇者は私によって生かされていると言っても過言ではないでしょう。
以上です。今後、これ以上増えることも無いでしょうし、減ることも無いでしょう。少なくとも、当時の私はそう思っていました。
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では、前置きが長くなりましたがお話を始めることにしましょう。
始まりはそうですね、やはり旅のきっかけから始めるのがよろしいでしょうか。アレはまだ、彼らの兄弟姉妹、一族達が全身全霊を掛けてミンミンと鳴き始め、やっと夏の始まりを告げるのかという季節でした。そしてその大体半年後、人類側にとっては最悪で、魔王側にとっては最高の終わりを告げます。私は勇者サイドでも人サイドでも、もちろん魔王サイドでもないのでどうでもよかったです。それは、共に魔王の元へと向かった奈々師匠も同じ考えでしょう。
かといって、このお話は皆様の涙を誘うものでは無いですし、笑いを誘うものでもありません。もしもこのお話で涙を流す人が居たら、その人は感受性が不必要なまでにするどいか、辛すぎる食べ物を口にして全身から汁が滴り落ちているのでしょう。また、このお話で笑える方が居たら、その人はさぞ人生を幸せに過ごしていることでしょう。別に幸せに過ごせなかったからといって、私に文句を言われても困りますが。
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目覚めを迎えてからの私の一日は、気まぐれで設置した手作りの郵便ポストの中身を洗い、勇者と私の食事を作ることから始まりますが、その最中に謎の封筒を発見したのが全ての始まりとなります。
夏のある日、我が家に1通の手紙が届き、私は悩んでいました。
辺境の不便なところにぽつりと建てられた我が家に手紙を出すものなんて、私の記憶の限り居らず。それは勿論、勇者の記憶にも無いということを示しています。
たとえばコレが文字を見るだけで発狂するような、トンでも不幸の手紙などであったら、嬉々として勇者の下へと届けるのですが。そうではなく、温泉宿泊券ご招待などという幸福をもたらす物であれば、勇者の世話なぞ放り出して嬉々として出かけたいからです。共に行くという選択肢は、あまり考えたくありません。
また、差出人の部分も謎です。もしもココに『温泉愛好会』という夢色文字が躍っていたならば、今ここで封筒をびりびりと破り、ソレこそ受験の合否の手紙を見る学生の如く貪り読むのですが、其処にはただ『魔王』とだけ書いてありました。当然ながら、私達に『魔王』なる酔狂な知人の心当たりはありません。そもそも知人が少ないです。
少し悩んだ結果、勇者に届けることにしました。もしもコレが不幸の手紙で勇者が吹き飛ぶのであれば、ソレはそれでよし。万が一幸福の手紙であっても、私は『魔王』なる怪奇な人物の幸福なんぞ受けたりたくはないので、ソレもまたよしです。
早速我が家へと戻ると、シュンシュンと炊飯器がお米を炊いている音をバックにコーヒーの準備をし、ベーコンエッグとお味噌汁の準備を始めます。まずベーコンを焼き、その油で目玉焼きを作ります。油要らずのベーコンエッグはとても経済的といえるでしょう。そうこうしているうちに出汁が沸騰しそうになったので火を止め、お味噌を溶かせば和なのか洋なのか判らない朝食の準備は完了です。
するとその匂いに釣られたのか、勇者が目覚めてのそのそと起きだします。その姿は無精ひげに顎を覆われ、長い髪はぼさぼさ、不機嫌そうに閉じた瞳は、見る人が見たら卒倒するでしょう。勿論、夢を見るのは自由ですし、私に人を卒倒させて愉悦に浸るような性癖はありませんので、この事実はそっと胸に秘めておきます。皆様もそっと胸に秘めていただけたら幸いです。
そのまま会話もなく、もそもそとパジャマ姿で食べる姿はとても勇者には見えません。勇者はベーコンエッグを食べ、お味噌汁でご飯を流し込むと、コーヒーで目を覚ましました。私はというと、あんな殺人的な苦さの物を口に入れる事を良しとしないので、お水で我慢します。私は日々として、オレンジジュースが欲しいと訴えているのですが、まるで高レベルの勇者が道端で出てきたスライムを見下ろすが如き目で、のらりくらりと逃げてしまいます。後は大体勇者と同じです。
ちなみにこの世界のスライムは存在が死亡フラグとも呼ばれる、大変恐ろしい存在です。
「ご馳走様、今日も美味かった」
私的には別に美味しかろうが不味かろうが関係ないのですが、やはり美味しいと言われると嬉しいものです。ホクホクと頬が緩むのを自覚しながらも、その顔を勇者に見せる義理何ぞありません。洗面台を睨みつけるようにして、洗い物を始めます。また皆様には全く伝えようが無いのですが、今は立派な男性ボイスです。
洗いものをしてると、ふと横に置いた封筒へと目が行きました。そういえばこんなものありましたね。
「勇者様、お手紙です」
「私に手紙ー?」
振り向くと、先ほどまでのY染色体は何処へやら、其処には美人の女性が立っていました。思わず感動する化け方です。声まで変わるのですから、もはや変身と言ってもいいでしょう。
とはいえ、見事な変身も毎日見てると見飽きるもの。どんなにすばらしいマジックでも、毎日見てたら感動も何もありません。変身を見飽きる事がないのは、ヒーローに出会った怪人くらいでしょう。
私が手渡すと、勇者は「ふーん」と呟きながら封筒を眺め、あて先の部分に目をやるとぽいっと後ろへと投げました。
「今時魔王って・・・アホ臭い。悪戯ならもっとマシな名前があったでしょうに」
そう言うと彼・・・いえ、彼女は外へと歩いて行きました。けれども私は見逃しません。彼女が呟いたときのその目は悪戯だとは語っておらず、コレが本物であると語っていたことを。
つくづく、あの時に開けなくて良かったと胸を撫でおろしました。本物の魔王からの手紙なんて、どんな罠があるかわかったものじゃありません。
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さて、ココから先、語り手である私は我が家で紅茶を飲んだり、ぶらりと辺りへとお散歩に出かけたり、昼食を届けたり晩御飯の買出しに行っているので、特に語る事はありません。
なので勇者が何処に行ったのか?ということをお話しようかと思います。
男性が女装をして行く場所といえば、皆さんどんな想像をするでしょう?喫茶店のウェイトレス?それとも怪しげなバー?いやいや、普通に会社員だ、という方もいらっしゃるでしょう。なんてことはありません、ただの農業です。
私達は、まるで大海原の如く心の広い農家の方に無償で畑を貸して頂き、其処に野菜の種やら何やらを植えて育てています。ちょっと規模の大きい家庭菜園です。
畑とは言っても4、5畳ほどなので一人でもさほど問題はありません。そもそも私はあれやこれやと箱入り娘の様に暮らしていたので、鍬や鎌といった重い肉体労働が出来るようには出来ていません。かといって、お箸より重いものを持ったことがない、というお嬢様でもありません。お箸以上の重さなんて日常には有り触れているでしょうに。異常に重いお箸でも使ってるのでしょうか?日々疑問は絶えません。
さて、いくら一人で足りるとは言っても、一人で黙々と作業をするのは辛いもの。
ということで、私達は妖精を3人ほど雇っています。妖精である彼女達は、どう見てもただの少女にしか見えないのですが、本人達がそうだと言っていますので、そうなのでしょう。確かにそういわれれば、彼女達がちょいと手を動かせば水が浮き、空に虹が掛かり、野菜類が消えます。けれども悲しいがな、そんな彼女達の起す神秘ですが、この世界では日常なので驚くことは出来ません。ちなみに、消えた野菜類は数日間の時間旅行の末に帰ってきました。
その馴れ初めについては、大したことは起きていないので省くことにします。ただ悪戯に来たところを食べ物で懐柔しただけです。
以降、無垢な子供の様に純粋な彼女達は、飽くなき労働に手を貸すことになってます。現実は作業もすぐに終了するので、日が暮れるまで4人で遊んでいるようです。
そして、日も暮れると、お腹を空かした子供達は揃って我が家へとなだれ込みます。とても子供とは呼べない人も居ますが。
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日も暮れると、いい歳して子供の様に騒いでいた大人と、子供の様に純な妖精達のために晩御飯の準備を始め、終わる頃には皆さん仲良くテーブルへと着きます。
食べている間もまるで子供の様に騒がしく、もしも私に子供かいればこういう気分になったのかもしれないと自然と頬が緩みます。けれども、まるで竹取の翁がかぐや姫を見るかのように緩んでいた頬は、妖精達と同レベルの争いをしている勇者を視界に捉えると、ピーマンを食べたときの様な顔になってしまいます。何故あんなに苦いものが存在するのでしょうか?つくづく理解に苦しみます。
ご飯も過ぎ、お風呂に入って一騒ぎすると妖精の皆さんは帰路へと着きます。たまにそのまま泊まって行く事もありますが、今日は自身の家へと帰るようです。
彼女達が帰った後、まるでお祭りの後の様な静けさの中、使い終わった食器を洗っていると、勇者がべりべりと封筒を破るのがわかりました。振り向くと、中から出てきたらしい便箋を見つめて何やら神妙な顔をしています。一体何が書かれているのでしょう?
「ん?見る?」
私の興味津々と言った様子が伝わったのか、便箋をテーブルの上に置くと勇者はごろんと横になりました。基本することが無いときは横になります。することがあるときは、横になって何か作業をします。起き上がらなければ出来ないときのみ、勇者は起動するのです。これですばらしいスタイルを維持しているのですから、もはや女性の敵と言ってもよろしいのではないかと、私は日々思っています。
それはともかくとして、今は魔王からの手紙のほうが重要です。勇者がいつも通り無事であることから、私が心配していた罠の類は無かった様子。
早速便箋を見ると、其処には大きく『宣戦布告』と書かれていました。
なるほど、ストレートです。むしろストレート過ぎて説明不足です。
そして封筒からは、なにやらちんまい人がマントを羽織っている写真が出てきました。一見するとただの子供が仮装してる様にしか見えないこの写真ですが、おそらくこの方が差出人であり、勇者へと宣戦を布告した『魔王』なのでしょう。私には何度見ても子供が仮装してる様にしか見えません。
しかしこの文面が事実なら、『魔王』は復活し『勇者』へと宣戦を布告した事になります。
私は思わず天を仰ぎました。何でこの人なのだと。
世界の命運を握るのは、こんな女装癖のある勇者だか何だか判らない存在ではなく、もっとちゃんとした人に握らせるべきではないのでしょうか?それも、未来も夢も、希望すらも満ち溢れる子供ならまだしも。四半世紀すでに過ぎ、もうすぐ30かと言われる、未来も夢も、希望すらも薄い人に宣戦を布告する必要が何処にあるのでしょう?
探せば張り合いのある『勇者』はいくらでも居たでしょうに、どうしてこいつなのでしょうか。それとも、勇者全員に宣戦を布告しているのでしょうか?
「どうなさるのですか?」
一応、横になったまま動かない勇者へと聞いてみます。
そのまま数分が経ち、もしかして眠りに着いたのでは?と疑問を抱き始めた頃、勇者から返事が来ました。
「これが事実なら誰かが解決するでしょうし、放置でいいんじゃない?そろそろ収穫期だし」
そう言うと、ごろりと寝返りを打ちます。本音度では後者のほうがウェイトが大きいように感じられます。やはり、魔王が居ようが、何が起きようが、人は簡単には変わらないものだと痛感しました。
ですが『勇者』ではない私が危機感を感じたところで何になるでしょう?それに『勇者』はこいつだけではなく、他にも居るのです。これが事実であれば、やはり何もしないのが一番なのでしょう。
「ところで、眠るのはよろしいのですが、きちんと歯を磨いてから眠りについてくださいね」
横になった後頭部へと私が告げると、数分間は何かに抗うように寝たふりを決め込んでいたのですが、それが無駄だと悟るとモゾモゾと起き始めるのでした。
はい連載始まりましたー
メインの放置して何してるんだと思った方、ごめんなさい
気分転換したいの
ではでは、少しでも楽しんでいただけたら幸いです




