表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

むかしばなし

作者: 伊佐凪セヂ
掲載日:2026/04/29

 これは、むかしむかしのお話です。

 一人の神様がこの地上にり立ちました。

 神様は大事な仕事をするために、人間の世界にやってきたのです。

 しかしその仕事とは、神様の姿のままではできない仕事でした。


 そこで神様はみすぼらしい老人に変身すると、その格好で仕事をすることにしました。

 これなら決して誰にも神様だとばれる心配はないでしょう。

 神様は、世界じゅうの様々な国々を渡り歩き、まず「一晩泊めてもらえませんか」とお願いすることにしました。



 最初に行ったのは熱い砂漠の国でした。


「お願いです。一晩泊めてもらえませんか」

「だめだめ」


 砂漠の国の王様は、みすぼらしい身なりの神様を相手にもしませんでした。




 次に行ったのは雪と氷に閉ざされた寒い国でした。


「お願いです。一晩泊めてもらえませんか」

「だめだめ」


 寒い国の女王様も、みすぼらしい身なりの神様を見るなり追い出してしまいました。




「ああ、地上の世界とは、なんて心の冷たい人間ばかりが住んでいるのだろう」


 神様はなげきました。

 どの国の王様も女王様も、酷いときはその国の民ですら神様を受け入れてはくれませんでした。



 最後に神様が行ったはのは、海に浮かぶ大きな国でした。


「お願いです。一晩泊めてもらえませんか」


「いいですよ」とその国の王様は言いました。「我が国はどんな方でも歓迎です。一晩と言わず、ずっと滞在してください」


 王様だけでなく、みんな心やさしい人たちばかりの国でした。

 国全体を上げて神様の大歓迎パーティが行われました。


「ありがとう。これでやっと仕事をすることができます」


 神様はにっこり笑いました。












 神様の名前は死神でした。

 海に浮かぶ大きな国――ムー大陸は、そうして一晩のうちに海に沈んで滅びてしまいました。


 むかしむかしのお話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 ブラックだなぁ……。(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ