深桜のご令嬢という名の雨欺のご令嬢
令嬢であることには変わりないですよねー。狙われる率が高いのは雨欺のご令嬢です。いろんなところから恨みかってます彼ら。好き勝手しまくってるせいだと思われます。
「ところで仄亞、一つ聞きたいんだけれど。」
「ん?」
「君、ここまで何できた?」
ここまで?そりゃあ……
「飛行機だけど?」
岐阜からだし。
「どんな名前で飛行機使った?」
「そりゃあ深桜仄亞だけど?」
当たり前でしょ。
「はぁぁ……危機感がなさすぎるよ……」
危機感?
「あのね……一応君は元深桜のご令嬢で現雨欺のご令嬢なんだよ?」
「うん、とりあえずまだ籍はいれてないからね?」
「大丈夫、後数年だから。」
何が大丈夫なんだか。
「で、まあ君は現在進行形で狙われちゃってるわけだね。」
「そんな今さら……暁留に狙われてるのなんていつものことじゃん。」
「いや、違うって。そういう意味じゃなくて……」
「ああ、他の男の人?そんな悪趣味な人ここにはいないって。」
多分。
「それって前の学校にはいたってこと?」
しまった。失言だ……どーしよう。とりあえず誤魔化すか。
「あ、いや、あの「いや、まあそれはどうでもいいんだけどね。」」
「は?」
今なんて言ったこいつ。
「あ、ごめん。今のは言葉の綾で……って仄亞!危ない!」
速攻で暁留のそばを離れる、とほぼ同時に銃声が鳴った。え?そう思った時には床に倒れていた。
「だから言っただろ?危ないんだって。危機感持ってよ。」
私は無事だった。暁留が庇ってくれたおかげで。
「ごめん!大丈夫?痛くない?」
綺麗に肩のあたりをかすったようで、制服が破け血が流れている。
「ん?これくらい平気だけど。ていうか仄亞は大丈夫?」
「私は全然平気だけど……」
「なら僕も平気だよ。」
あっさりと言ってのけた。
「ま、とりあえずここで抱き合ってれば安全でしょ。狙いは分かったしね。許可が下りるのを待ってればいい。」
「許可?」
「そ。ここさー学園長の支配する場所だから好き勝手力使えないんだよねぇ。」
そっか……だから傷も治せなかったのか。
「ま、やろうとすればできるけどめんどくさいし。雪白に許可取るほうが楽。」
雪白って言うのは学園長補佐をやっている雨欺の親族。年は十六歳で髪が白い。かわいらしい女の子だ。
「じゃあ電話とかしたほうがいいんじゃないの?」
「それだと向こうにばれるじゃん?だから待ってようかと。そしたら雪白がおかしいことに気づくはずだしね。」
「いつまでも抱き合ってるのヤダ。」
「はいはい。ツンデレはいいから。」
いや、本気でやなんだけど?
「んー……にしてももう一つ変なのがいるな。ああ、そういうことか。ふぅん……一気にここも面白くなってきたじゃん。」
「意味不明なこと言わないでよ。」
まあ、いつものことだけどさ。雨欺の人間の頭の回転が速すぎて常人じゃ追いつけないことなんて。
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さて、雪白さんについてはまた次回(かその次)に説明しますが、彼女は雨欺の女です。ええ、尽くす女でございます。でもっていわくつきです。とあるものは付いていないというのにいわくは付いております。とあるものが何かはまた次回かその次で……。