天使という名の悪魔
一人称仄亞に戻ります。短め。
「さてと。」
ヤバい、ヤバいよ。どうしよう。なんでスイッチ入っちゃったの私。暁留が笑ってるよ。怖いよ。むしろ怖いよ。叫び出したいよ。お兄ちゃんのほう見れないよ。
「うぅ……」
さあ、最終宣告の時だ。ああ、さようなら。
「話って何?学園長?」
え?
「あ、ああ、ええとじゃな。」
ちょ、ちょっと待ってよ。なんで?
「えーっと……そう、裏の当主の話なんじゃが……話していいのか?」
そうだよ、あんなに煽ったんだよ?絶対押し倒すくらいのことはやるだろうと思ってたのに。
「え?早く話してよ。」
ええ?これ、本当に暁留?実は別人じゃないの?そう思っていたら、笑われた、にっこりと、天使のように……私は自分の顔が真っ青になっていくのを感じた。そうか、そういうことか。
あとでじっくりいたぶるつもりなんだ…………
「うぅ……減刑を求めます。」
「減刑?何言ってるの?」
僕はそんなことしないよって笑顔で言ってるけれど……私には分かる。僕が減刑なんてすると思ってるの?って言ってるんだ。
「オリンポス十二神と八百万の神と後は……アトン神とかに祈っておけばどうにかなるかな……」
知ってる限りの神様を脳に思い浮かべ祈る。できる限り優しい罰ですみますように。ああ、でもなんでだろう。神様がみんな困り顔だよ、諦めなさいって言う目で微笑んでるよ。なんで?
「で?話は?」
「ああ、裏当主がずっと空いていることは皆知っておるな?」
「あーそうだねえ。今は先代の補佐が代理でやってるんだろ?」
「そう、で、そろそろ後任を決めようと思う。」
へえ、そうなんですか。裏当主決めるんですか。ははは。そんなことより誰か私を救って下さい。
「でまあ、本家の方々と話しあった。」
「で?誰がやんの。」
「暁留。」
時が数秒止まった気がした。私からしたらへえ、そうなんですか。それより罰はどうなってるんですかって感じだけど。あ、後雪さんも平然としてる。叶多さんと碧露さん、雪白も。後よく分かってない人々(葉月さんが連れてきた人と実希、お兄ちゃん)も平然としてる。
現在の仄亞の脳内は減刑の二文字しかありません。だから平然としています。
で、白雪や叶多は予想が付いていたので平然、碧露・雪白は知っていた組。他の方々は意味が分かっていないので平然としております。