正常という名の異常
グロくはありませんがブラック暁留君が降臨中です。ご注意ください。
「はあ。」
疲れた。ものすごく疲れた。汗がまだ止まらない。
「また、強硬手段に出たな。知らないよ?」
「まあ次起きた時には正常だと思うから。」
まあ正常がさっきのなんだけどね。ついでに純粋無垢この上ない少女をそんなふうにしちゃったのは僕なんだけどね。それ言うと多分雪兄あたりに怒られるから言わないけど。
「潤んだ目で上目づかいってどう考えても反則だよね。」
まったく、誰があの子をあんな風に……僕だな。
「まあ、男から襲われてもおかしかないわな。いやあ、恐ろしい子が世の中にはいるもんだ。」
「ま、仕込んだのが悪いね。」
ばれてた。
「いやあ、ね?大丈夫、男に襲われるようなことはないから。」
前の学校ではあったみたいだけど。ま、それは後で聞き出して締めときゃいっか。
「とりあえず指の切り落としだよね。」
僕の許可なく仄亞に触れるだなんて、大罪も大罪。ちゃんと悪いことをしたイケナイ指を落としておかなくっちゃ。
「……おーい、暁留ー帰ってこーい。」
「それと……もう二度と喋れないように舌抜くか。」
仄亞が聞いていいのは僕の声だけ。他はちゃんと許可を取らないとね。
「……おーい、友人やめていいかー。」
「後は……まあ社会的に殺して、精神的に殺して、どっかの病院にぶち込もう。」
そうだな。そうしよう。仄亞と同じ社会にいていいのは僕だけ。仄亞を想っていいのも、仄亞に想われていいのも僕だけ。ああ、そうだ。
「足切っとかないと。」
仄亞のもとに訪れられたら困るしな。ああ、『正常時』の仄亞を見せてショックを受けさせるって言うのもいいな。一応案に入れておこう。
「……暁留ー友人やめるぞーやめるぞー。」
僕はとりあえず大罪人の壊し方を666通り考えて、満足し、さっきからうるさい桐生の相手をする。
「桐生、友達やめないでね。」
「……ああ。」
なんやかんやでいい奴だこいつ。さすが仄亞の兄。まあ、その妹が昔とおおいに変わっているのは無視してもらおう。
「ふう。さてと、全員揃ってるし、とりあえず話聞いて、んで家帰ろうよ。仄亞。」
「うん……?」
呼んだだけで起きるあたり、僕の躾は上手くいっているってことだね。よかったよかった。
「うー……うー……う!?」
あ、理性戻った。スイッチ切れた。あーあ、赤面してるよ。可愛いなー。さてと、今度は僕の番だよね?覚悟しててよ仄亞。さっきのお返し、たあっぷりしてあげるからさ……
溺愛って怖いなあと思う今日この頃。