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馬鹿な子という名の社会に適応できない子

有言実行。よかった。

「義務で一緒にいるんだったら雪兄はいらない。好きにすれば。」

「誰がそんなこと言ったよ。言われなくとも僕は自分の好きに生きるし自分の好きな人の傍にいる。約束なんて知ったことか。いくら僕がファザコンだったとしても自由に生きることだけは譲らないよ。」

「なんか約束なんてしてたかのう……」

「というか頼まれごとかな。父さんが暁留のこと見捨てるなって。傍にいてやれって。ま、破りたくなったらいつだって破ってやる気満々だけど。あの人ほんっとに息子大好きだよね。」

あれだね、馬鹿な子ほどかわいいとかいうやつだね。きっと。この場合馬鹿というより社会に適応できないのほうが正しいけど。

「そんな約束に縛られるほど僕は素直じゃないんでね。」

「まあそれならいいけど。」

「とかいいながらものすごい捨てられたらどうしようって思ってたんだよね、可愛い暁留君は。」

あ、また顔赤くなった。

「んな顔するくらいなら最初からそんなばかばかしいこと言わなきゃいいのに。」

「だって義務で付き合われるのやだしさ。」

「大丈夫だって。一人しかいない身内を見捨てたりなんてしないし。というか捨てろと言われても捨てないから。可愛い弟だしね。」

なんで雪白はこんなブラコンと一緒にいるんだろう……謎だ。

「で、そっちの女の子はどちら様?」

葉月さんが庇うように女性を背後へやる。

「え?ああ……白雪には関係ない人ですから。」

「ヨウの《片翼》?」

「んなわけあるかよ。ヨウの《片翼》候補。現在進行形で片思いなの。ingなの。」

「笙月!」

あれま、珍しいこともあるもんだ。雨欺が片思いだなんて。

「ふうん。ずいぶんと遅かったね。出逢うの。ま、知り合いに四十過ぎでも《片翼》なしを知ってるけどさ。」

「珍しいな。」

「僕に片思いしてるんだよ。」

「……かわいそうに。」

碧露さん、大人の哀愁漂わせながらそんなこと言わないでください。

「というか片思いしかしたことがないかわいそうな大人なんだよ。」

かわいそうすぎる!

「うん、お前そいつにつき合ってやれ。それがせめてもの償いだ。色々な奴に対する。」

「んー……ま、遊びでならね、多少付き合ってあげんこともないけど。そう言う感じの相手じゃないんだよね。ほら、年の離れた兄みたいな感じだからさ。」

遊び……雪さん、ひどい人……というかその人本当にかわいそう……

「惚れた相手を間違えたな……」

「うん、本当にそう思うよ……」

雪さん以外の誰もがその名前も顔も知らない誰かさんに同情していた。

「大体あの人はね、この世で一番好きとか言っておきながらキス一つできない腑抜けヤローだからね。いいんだよ。これで。」

「いいんですか?それ。」

「うーん……じゃあ次の僕のセリフで全員がいいって言うほうに一万円賭けるよ。未成年者以外は賭けてみたら?」

全員が?うーん……雪さんのことだからあり得そうだ。

「俺は全員ってのはありえねえと思うね。全員が全員いいとは言わないに千円。だいたい俺がいいって言わなきゃいい話だろ?それって。」

「でも白雪の言うことだしな、私は全員がいいというほうに一万円。」

「僕は笙月に乗っかって千円。」

「わしは不参加。」

「あ、私たちも遠慮するわ。男だけでどうぞ。」

白雪さんが笑みを浮かべ、口を開く。

「僕の兄みたいな人でね、僕よりひどい変態なんだ。んでもって僕がこうなっちゃった原因。」

「白雪、まったくもって問題ない。今すぐ振れ。思う存分振ってこい。」

というのは笙月さんの言葉だけど、皆様似たようなことを間髪いれずにおっしゃいました。


雪さんはブラコンでファザコンだったようです。あと彼に片思いした可哀想な男は出てきます。また変なキャラが増えてしまった……


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