長かった平和期間という名の避けたかった悪魔の帰還
更新が遅れてすみません。登場人物が増えるの巻です。
「どうぞ。」
「「「「失礼します。」」」」
来たのは二組の男女。一人を除き皆知り合いだ。
「碧兄、葉兄、詩織姉!誰でもいいから助けて!現在help meな状況!」
おお、発音完璧だ。さすがだね。
「えーっと……どうなってるんだ?」
「というか、白雪?」
「え?雪くん?あ、本当だ!おかえり!」
「ん、ただいま。っとそこの二人、なんだって外に出ようとしてる。」
雪さんを見たとたんに逃げる男二人、プラス何が何だか分かっていない様子の女性。
「えーっと、いいんですか?葉月さん。」
「いいんです。むしろあいつとかかわると面倒なことになりますから。」
「どういうこと、それ。まるで僕がトラブルメーカーみたいに言わないでほしいね。」
「そういう意味じゃなくて、お前にかかわって気に入られたり、嫌われたりしたら面倒って意味だろ。ほら、ホノとかその典型。」
うわー……最悪だ。私、男運ないのかなぁ…………なさそうだなぁ。
「ていうかここに僕の味方は……?」
「ごめんよ暁留。現在お前の味方になろうなんていう勇者は誰一人としていない。」
「碧兄、雪兄より年上だよね?雨欺の現表当主だよね?」
「そうだけど、ほら、白雪を敵に回せるほど強くはないんだ。息子には平穏無事な生活を送ってほしいし。」
雨欺碧露さん。雨欺の現表当主。年は二十六歳。三歳になる息子が一人いる。
「ねえ葉兄、スクールカウンセラーだったよね?カウンセリングをお願いしたいんだけど。」
「今は休憩中なんだ。仕事はしないって決めている。」
雨欺葉月さん。ここのスクールカウンセラー。年は二十四歳。未だ《片翼》なし。
「泣いていい……?」
「ホノと白雪の胸でも貸してもらったらどうだ?」
「いいなーそれ。おいでよ暁留。慰めてあげる。」
「そうそう。おいで、暁留。んでもっていい声で鳴いてね……っと間違えた。泣いてね?」
「遠慮させてください。いや、本気で。」
そんなに拒絶されるとショックだわ。いやいや、きっと雪さんに言ったんだよ。そうに違いない……と思わせてください。
「まあそのことは一旦置いておいて。久しぶりだね。ヘキもヨウも。」
「あんまり会いたくなかったんだけどな。こちらとしては。」
「まったくもって碧露さんの言うとおり。」
「ひどいな。弟のためを思って急いで帰ってきた僕に少しは何か思わないわけ?」
「ん?思うな。《片翼》のためじゃなく、弟のために帰ってきたお前はやっぱりブラコンだったんだなと。」
ああ、否定できないよ。碧露さん。というかむしろ肯定しまくりだよ。
「ブラコンなのは認めるよ。事実だし。自分でもたまに病んでるなーって思うことあるし。」
「雪白、今でも遅くない。とっととこいつのもとを離れるのが一番だ。」
「いえ、私はそんな白雪さんも大好きですから。」
健気だ……いい子だ……
「僕も雪白を世界で一番愛してるよ?」
「二番目との差がほぼゼロだろうが。」
「んー……ま、昔色々あったからね……約束のこともあるしさ。」
約束?なんだそれ。私聞いてないよ。
はい、ヘキロ、ヨウヅキ、シオリと読みます。登場回数は少ないかと。
雪白には病んでないくせに弟には病んでる白雪は大丈夫なのでしょうか。この頃心配になってきました、作者なのに。