歪んだ弟という名の純粋な弟
短めです。
「「変に打たれ弱い誰かさんを結局愛しちゃったりしてるとことか?」」
「うえ?」
まさか一言一句違わないとは。恐るべし。
「変な顔。なんか反応すれば?前言撤回してほしいの?」
「違う!」
そう言って、顔を真っ赤にさせる暁留。うん、さっきの仕返しでもするか。
「目より真っ赤。そんなに嬉しかったの?」
「あーあー……お前変なところが純粋だから。こういうのに弱いんだよね。」
「そんなに嬉しかったんならいくらでも言ってあげるのに。ねえ、雪さん?」
「本当だよ。減るもんじゃなし。」
「「愛してるよ?」」
耳元で囁いてやると、また真っ赤になった。何これ、中毒になりそうなくらい楽しいわ。
「言うのには慣れてるのにね。」
「ほんと、可愛いね。」
「も、やめて。」
弱弱しい懇願。普段からじゃ想像つかないね。
「本当はやめてほしくなんてないくせに。」
「そうそう、そんな本気でない我儘は聞いてなんかあげないんだから。」
「ちゃんとねだれたら言ってあげんこともないけど。」
「どうする?」
あ、周囲に助けを求め始めた。うん、みんな目をそらしまくってるけどね。
「ほらほら、逃げるなって昔教えただろ?」
「そうだよ暁留。ちゃんと言わないと。」
「二人の馬鹿……」
「そんな態度とっていいの?」
「そうだよ?嫌いになっちゃうかもよ。」
「それは駄目!」
扱いやすいなぁ。よほどパニックになってるんだね。
「嫌いになられたくはないんだね……本当、僕の弟とは思えない可愛さ。」
「うぅ……弟だもん……一応。」
あー……どうしよう。なんか変な扉開きそうだわ私。今まで開いてた扉と逆方向の扉開きそうだわ。そんな時、ドアがノックされる。
暁留はやっぱり白雪に弱いですね。ブラコンだから。兄に関して言えばもう弟溺愛してますしね。ここの兄弟。