迷惑行為という名の休憩時間
「えーっと……雪さん?」
「ん?」
いや、ん?じゃなくて。
「えぇと、これは私どーすればよいのでしょうか。」
「大人しく抱かれとけばいいんじゃないかな?」
なんだその俺様が吐くようなセリフは。
「嫉妬させちゃったお詫び。」
「いや、もうそれお詫びにすらなってないし。むしろ迷惑行為に近いよ?」
「んー……もうちょい体重を預けてくれると多分お詫びになると思うよ?」
何この意味不明な物体は。言ってることの意味が分からないよ。
「罠とか仕掛けてたりしないよね?」
「信用ないなぁ僕。大丈夫だよ。んなことしたら暁留に殺される。」
いや、今の時点でだいぶ殺気が見え隠れしてますよ?赤い瞳を持つ男のほうから。
「いいんだよ。あいつが一番怒る時は仄亞ちゃんを誰かが傷つけた時なんだから。」
自分は傷つけるくせに。ああ、そうか。独占欲か。自分以外が傷つけることは決して許さない。いや、もうちょっと逆ベクトルに働いてほしかったかも。その独占欲。
「じゃあお言葉に甘えて。」
疲れてたんだよね。立ってることに。ということで体重を預けてみた。
「重くない?」
「いや、これで重かったら問題でしょ。大丈夫。」
じゃあいっか。
「疲れてたんでしょ?」
「そりゃあね。」
飛行機でここまで来て。久々に暁留にあって、首絞められかけたりとかして。そりゃあ疲れもすると思う。
「疲れたんなら休めばいいんだよ。」
「いや、そういうわけにもいかないし。」
雪さんの腕の中めちゃくちゃ居心地いいけどね。
「お詫びになる?」
「なるねー……」
温かくて、優しくて、ああ、この感覚は久々に味わったかな。
「雪さんが年下に好かれる理由がよく分かったかも。」
「そう?」
「ん、多分ね、安心できるからじゃないかな?」
幼子が母親に抱く安心感のような感覚。愛されている感覚。一度味わえば決して逃れられないであろう優しくて温かいソレ。
「僕はそこまでいい人間じゃないんだけどね。」
「多分そういうフェロモン的な何かが醸し出されているんじゃないかな……」
「あまり嬉しくないね。仄亞ちゃんや暁留に好かれるのはいいけど別の鬱陶しい奴までかかわってくるのはヤダ。」
やっぱりこの人なんか変だ……それと、この人……
「雪さんって私に似てるよね。」
「ああ、うん。それは僕もそう思う。」
やっぱり。
「つーかそっくりだろ。お前らさ。違うのは性別と年齢と《片翼》くらいだろ。」
笙さんもそう思うかー……
お気に入り登録ありがとうございます!気分はコタツでぬくぬくできた時の気分です。これからもよろしくお願いします<(_ _)>あと皆様、寒くなってきましたので風邪にはお気をつけください……ごほ、げほっ、ずるずる、はっくしょん……ナニカ?ええ、軽い風邪にかかってますが熱はないので大丈夫です。多分。
白雪は年下に好かれるというより異端に好かれます。たまたま異端に年下が多いだけです。後は恐らく姿かたちの問題でしょう。女を含めても雨欺一綺麗です。綺麗な薔薇には棘がある。これ、名言。ついでに棘には毒が仕込まれていたりする。