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隣の席の子という名の交際相手として申し分ない子

「でもね、雪兄。」

「でもじゃないの。」

「雪兄はどっちの味方なの。」

「どっちの味方でもないよ。」

「仄亞が誘うのが悪いんだよ。僕は何も悪くない!」

「いや、悪いのはどう考えてもお前だから。どうせろくでもないやり方で仄亞ちゃんを手に入れたんだろ。」

ええ、その通りですとも白雪さん。よくお分かりで。

「あの、先生。私の席ってどこですか?」

「ああ、窓際の列の一番後ろ。視力は問題ないと向こうから連絡が来たからそうしたんだが。問題ないか?」

「ええ、ありませんよ。」

問題と言えば隣の席の子かな。さっきから視線をやたら感じるんだよね。あの子から。特にお兄ちゃんに話しかけた時に。

「じゃあとりあえず終礼を進めましょうか。」

「え……いいのか?」

「全く問題ありません。」

彼らの喧嘩を見てると恐らく数時間くらい余裕で過ぎちゃうからね。

「えーと……よろしくね?」

とりあえずお隣に挨拶。

「ええ、よろしく。私は瀬戸実希。好きに呼んでちょうだい。」

ああ、そう言えばそんな名前だったなぁ。

「ん、よろしく。実希。お兄ちゃんと被るから私は仄亞でいいよ。」

そう言って私はルーズリーフとシャーペンをとりだす。

『実希ってお兄ちゃんのこと、好きだよね?』

それをそっと渡す。先生がこっち見てなくてよかった。声を出しそうな実希だけどなんとか出さずにすんだらしい。

『なんで、分かるのよ。』

『見てたら分かるよ。やたらと視線を感じたし?』

最初は暁留狙いかと思ったんだけどそれにしてはどうもおかしかったんだよね。暁留と話してるときには好奇の視線しか感じないし。

『秘密にしておいてくれると嬉しいんだけど。』

『もちろん。ついでに手伝ってあげるよ。』

実希ならお兄ちゃんの交際相手として申し分ないしね。

『ありがと。』

『いえいえ、どういたしまして。』

「っつーわけだ。はい、終礼終わり。っと深桜、これ、止めて。」

これ――――暁留と白雪さんの喧嘩。

「面倒です。」

「お前以外がどうにかするのはできないからな。仕方がない。諦めろ。」

そーですねー……仕方ないな。奥の手。とりあえず暁留のとこまで行ってっと。

「暁留。」

「何?」

あんまりこういうこと人前でしたくないんだけどね。

「仄亞?用が無いなら呼ばないでほしいんだけど?」

それが恋人に対する態度か。

「ちょっとねー覚悟をねー……はぁ。」

あーやだなぁ。したくないなぁ。

「ま、しょうがないよね。」

暁留に近づいて……ほんの一瞬だけ距離をゼロにする。

「……え?」

うん、これでおとなしくもなるでしょ。


恋人に対する態度が悪いって?いやあ、彼はそういう人ですよ?

暁留は一つのことに夢中になったら後は排除する人です。恋人だろうがなんだろうが。現在白雪を言い負かそうと必死だったのでこうなったと。なんだこの恋人にしたくない野郎ナンバー1はとか言わないであげてくださいね……作者もそう思ってますけどね!


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