友人という名の玩具
酔った勢いでの行動って恐ろしいものがあるよねなお話。
「別にいいよ。ていうか僕がカナちゃんに恋人候補なんて送るわけないじゃん。そんなことしたらカナちゃんが僕のモノじゃなくなっちゃうからね。」
「いつ俺がお前のモノになったんだ!」
「ん?約六年前。」
出会ったときからですか。そうですか。奏芽さんが絶句している間にも白雪さんは言葉を続けていく。
「僕カナちゃんから盛大に告白されたよ?」
「いつ!」
「二十歳の時の夏。カナちゃん酔っちゃってたから覚えてないかも。」
「……俺、なんて?」
「秘密。」
「俺、お前に何かした?」
「んー……押し倒されたような。」
「はいぃいぃい!?」
あー……奏芽さん、酔った勢いとはいえ……それはどうかと個人的には思うぞ。白雪さんみたいなのにそんなことしたら後々話のネタになるに決まってるじゃないか。
「ていってもまあ単純にカナちゃんがふらついてベッドに倒れこんだときにたまたま僕が目の前にいただけなんだけどね?」
「よかった……心底よかった……!」
「あとさっきも言ったように盛大に告白されたけど。」
「すいません、酔っていたのでその話はなかったことに。」
なんかどっかで聞いたことのあるようなセリフだな。
「うーん……いいの?」
「いいのも何も。むしろとっとと忘れてくれ。」
「そう、カナちゃんは僕に友人として好きだと言った告白を無かったことにすると。いいよ、じゃあ今からは赤の他人と言うことで。」
悪魔だ。悪魔がいる。ここに悪魔がいますよ!
「ちょっと待て。」
「なんでしょうか、奏芽さん。」
うわぁ……。奏芽さん真っ青だよ。友人じゃなくなったことに真っ青なのか、今の白雪さんの口調に真っ青なのかはよく分からないけど。
「気持ち悪!」
あ、後者だったのね。
「っていうか、あー……さっきのセリフはなかったことにしていただけませんかね。いや、だって俺、お前のことそういう意味では……その……嫌いじゃないし。」
なにこのツンデレ。奏芽さん顔真っ赤だし。
お気に入り登録ありがとうございます!気分は三十度を超えない日が来た瞬間の気分です。皆様熱中症にはくれぐれもお気を付けくださいね。(っていう私が危ない。でも頭痛持ちの日々立ちくらみしてる人だからどこからが熱中症かわからない。)
さて、見事に転がされてますね、奏芽さん。まだまだ彼の苦難は続きます。頑張れ奏芽。