楽しかった日々という名の恐ろしかった日々
楽しかったのは白雪さんだけ。
「てかさ、雪兄、あの土地って学園長が持ってる土地だよ?」
「あーうん。知ってる。買い占めたっていうかまあ脅し取ったというか。」
何をしたんだあんた。
「僕さーここ寄る前に実家……本家のほう寄ったんだよね。そこでいい土地探してもらおうと思って。んで、なんか小さいのがいたからその子に、本家から遠くて、学校に近くて、ついでに暁留の家から近い空き地ない?って聞いたらありますけどって言われたからその子に許可をもらった。」
「そんなこと許されてないはずなんですけど……。」
「最初は断られたよ?でもちょっと遊んだらすぐに了承してくれたよ?」
本当に何をしたんですかあなたは。
「何したのさ雪兄……。」
「えー……秘密。」
絶対になんかした。この人絶対になんかすごいことした!
「大丈夫だって。暁留が考えてるよりずっと普通だと思うよ?」
「雪兄の大丈夫はあてにならないよ。ね、雪白。」
「ええまあ。大丈夫だってって言われて数分後なんとか組の家に連れて行かれた記憶が。」
「何やってるんですかあなた……。」
多分雪白や暁留が八歳九歳の時の話だと思うんですけど。
「そのおかげで逃げ足は速くなったでしょう?」
「いやまあそうだけどさ。あの時どれだけ僕らが怖い思いをしたか。なんかいかついおじさんたちが追ってくるんだよ?こっちは武器すら持っていないのに。」
「そうですよ。向こうはたくさんの武器を持っていたのに私たちは丸腰ですよ?」
しかも小学生だよね。私だったらトラウマになるよ。多分。
「いいじゃない。別に何があったわけでもなし。終わりよければすべてよしだよ。」
「あのね……それはまあましとしても色々他にもあったじゃん。大丈夫って言われて見た映画が……今思い出しても気持ち悪くなってきたんだけど。」
「暁留さん。ダメです。あれを思い出したら男の人をまともに見れなくなりますよ。」
「よく二人とも腐らなかったよねぇ。」
なんとなく分かったんだけどさ、それってR指定ついてるんじゃないの?ねえ。
「そのおかげで君たちは多少まあ誰かがいかがわしいことをしていても無視できるでしょ?」
「それならせめてノーマルにしてくれたってよかったじゃないですか。」
「あれ、アブノーマルにアブノーマルをつぎ込んだやつだったじゃん。」
よかった。その時に知り合いじゃなくて本当に良かった……!
「んー僕の趣味。」
「雪兄。半径一メートル以内に近寄らないでくれる?」
お気に入り登録ありがとうございます!気分は高級ホテルに無料で泊まれる気分です!これからもよろしくお願いします<(_ _)>
暁留の半径~は冗談です。実際特に彼らは同性愛者に何か感情があるわけではないので。片翼以外はどうでもいい人たちですし。まあ白雪はちょっとあれですが。彼らが見た映画にモデルとかはありませんけど、どんな物語だったかといいますと、まあちょっとわけありなカップルがアブノーマルなことをしていたんでしょうね。特に何とは書きませんが。R指定が付いていたに違いない。