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私を迎えにいく話。

蛍光灯と常夜灯

なにかしらトラウマがあるひとは見ないでくださいね。私のトラウマ解消が主目的です。

蛍光灯の灯りが好きじゃない。


白々しく目に痛い。全てを曝け出すかのように照らすくせに決して私を助けてはくれない。


小学校に上がるよりももっと前。一番最初それが起こった日は覚えていない。それは頻繁に起こった。

特にじいちゃんの家のこたつに入っているとそれが始まる。


痛い。苦しい。気持ち悪い。

早く終わらないかと天井を見つめる。


ただでさえ気持ち悪く感じる天井のトラバーチン模様が私に恐怖感までも与えてくる。


「お父さんお母さんには言ったらだめだからね。」

流しで手を洗いながら従兄弟はいつもそう言う。

言えるわけないだろう。そう思いながらこたつに潜り込んだ。熱い。こもったにおいがよりいっそう気持ち悪い。他に誰も大人がいない時はそれに耐えなければならなかった。


それは自宅でもたまに発生した。


自宅は1階が喫茶店で、2階が住居スペースだった。従兄弟がいる日は、暗闇が守ってくれるような気がして押し入れに閉じこもっていた。隙間から様子を伺い、そして内線電話を鳴らす。鳴らすが特になんと言って良いか分からず「テレビの音がうるさくて眠れない。上にきて」といつも言っていた気がする。


単なる子供のわがままだと捉えられていたようで、きてくれたことはない。そしてそれが起こる。


「お父さんお母さんには言ったらだめだからね。」


言えるわけがない。

蛍光灯は醜悪さを照らし出す。

自宅の天井もトラバーチン模様だ。


蛍光灯は明るすぎて好きじゃない。

押し入れの暗さは暗すぎる。

常夜灯くらいの灯りの中で呼吸が楽になる。

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