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ドラゴンと不思議な図鑑  作者: 龍果実
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第8話 「ゴブリンの街」

多勢に無勢。複数体のゴブリン相手でもなんのその。

ソライト

「ふい〜…なんとか掃討完了っと。」

そこいら中に散らばったゴブリンの死体や気絶体だらけで、周囲一面かなり物騒な光景になってしまった。

図鑑から出した武器を戻してはゴブリンの体でも

美味しいと言われるもも肉を剥ぎ取って先に進む。


歩いていると、前方から匂う風が吹いてきた。

洞窟では絶対に嗅ぐことのないそれこそカレーのような

揚げ物のような匂いのする風が吹いてくる。

何かあると察知したソライトは確かめようと走っていくと、

大きな空洞と街が現れた。


ソライト

「すげえ!大きな塔に、でかい豆腐みたいな家!

 コレってあのゴブリン達の街なのか!」

…と、心の中で感心した。

いつどこでゴブリンが襲いかかってくるかわからない。

気を引き締めて街へ足を進ませると

信じがたい光景が見えた。


人間がこき使われている。

ゴブリンの管理者にこき使われているようだ。

力仕事の最中か、重い荷車を複数人で押している。

荷物の上ではゴブリンがふんぞり帰って威張っていた。


ソライト

「…つまり、この街ではゴブリンは至上の存在で

 俺たち人間は下等生物、か。」

そんな事を考えていた矢先、1人の労働者が倒れた。


ゴブリン

「ア、オイゴルァ!誰ガ休ンデ良イッテ言ッタカ!?」

奴隷1

「す、すいません! ハァ…ハァ………ううっ……」

ゴブリン

「ハヨタタンカイ!

 ソレトモ今日ハオ前ガ“クモツ”ニナルノカァ?」

奴隷1

「そ、それだけは…!ゲホッ!ゲホッ!」

奴隷2

「り、リーダー!それ以上はもう…」

ゴブリン

「ナンダヨ?モウ休マセテヤレッテカ?」

奴隷2

「こいつ、働き過ぎで体を壊しているんですよ…

 だからもう勘弁してやってください!」

ゴブリン         奴隷2

「………ヨシワカッタ。」 「…!」

「今日ノ“クモツ”ハオマエラ2人ダ。」

そんな!?と奴隷の2人は顔を青ざめる。


監督ゴブリンの連れて行けの号令に付近から出てきた

ゴブリンが束縛する。

悲痛な叫び声にソライトは憤怒し、図鑑を開いた。


ソライト

「これ以上黙って見過ごす訳にはいかない!

 "ルナトンガンダ・クヌラツヲツテ・

 クヒヲネガキヒ・テメコヲクヤカ"!」

図鑑から(火縄銃)が出てきた。

尾栓と呼ばれる蓋を開けると、

既に火薬が詰まっていることが確認できた。


ソライト

「え〜と、確かリュックの中に…あった!」

マッチを取り出して爆弾の導火線みたいな部分に

火をつける。後は狙いを定めて強く構えるだけ。


ソライト

「発射!」

ズドン!…という大きな音と共にゴブリンの心臓を貫いた。

2、3発目も慌てふためくゴブリン相手に容赦なく撃ち抜く。


ゴブリン

「グハァッ……!」

奴隷1

「うわあああ!!!撃たれたあ!!!」

奴隷2

「落ち着け!撃たれたのはゴブリン共だ!

 でも一体誰が…!?」

混乱の中にソライト参上。

場をなだめて全ての事情を話した。

すると向こう側も色々と話してくれた。

この地下街のこと、自分達が何者なのかを。


奴隷の人達曰く、この街ではゴブリンが至上の種族として

発展しているらしく、洞窟に来た冒険者達を捕らえては、

労働力として使っているとの事だ。

初めはそこそこだった街並みを人間から奪った知識により、発展していったとの事だ。

また、逆らったりすれば“クモツ”として、

人体実験や信仰の贄にされる。


ソライト

「…酷えな、結局やってる事は真似事なのか。」

奴隷1

「そうだな…力を持てば、

 種族なんて関係無いんだろうなあ。

 そうだ!なあアンタ、この先も進むんだろう?

 なら良い人材が眠っている場所を教えようか?」

ソライト

「確かにあんな風に集団戦になると厄介だからなあ。

 同行者が欲しいな!」

奴隷1

「よしきた!そいつなんだけどな…」

閲覧いただきありがとうございます♪

あつっ!カップ麺用のお湯が溢れて来た!


設定集のコーナー

「ゴブリン」


この物語に限らず様々な創作物で目にする存在。

スライムやオークもそうですがやはり「ゴブリン」は

欠かせない存在の一角でしょう。


このストーリーのゴブリンは洞窟の複数の層を

支配しています。やがてやって来た冒険者から

知識を抜いては一方的に働かせる…

もしかすると人間となんら変わらない存在かも

しれませんね。

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