第7話 「洞窟を進む」
(白龍)を図鑑に戻していざ2階層へ。
しかし舗装された道がまだ続いているので足取りこそ軽やかだ。
そんな中まだ松明が置かれていない箇所もあるので、探索も行いつつ進む。
ソライト
「そういえば…俺以外にも、
秘宝や謎目当てでこの洞窟を冒険するやつっているんだよな。」
そう、ソライト以外にもこの洞窟を調査する者はいる。
王国の騎士団の他にも、ギルドから派生された冒険家や別国のトレジャーハンターもいるらしい。
心配なのは過激派の連中だ。要するに様々な権力を行使して、
見つけ出した物を強奪する連中だっているだろう。
色々な人がいるからこそ、油断できないのだ。
6階層…この階層に入ると急激に足元が悪くなった。
今まであった舗装が無くなっており照明も最低限しかない。
極め付けに、安全を促す看板がそこいら中に立てられている。
ソライト
「探検用のシューズ、街で買っておいて良かったな。」
出発の前、ソライトはあらかじめ準備を整えていた。
ちなみにリュックの中にはサバイバルの心得を記した本も入ってる。
食糧確保とその調理法が書かれた本だが、中々面白い。
例えば(スライム)なんかはそのまま食べることができる。
氷結魔法で凍らせれて、程よく解凍すればシャーベットになるし、
最初から容器に入れて熱を当て続ければ真水にもなる。
ただし、食べるにしろ飲むにしろ生き物の内臓にはどんな毒性があるかわからないので注意だ。
ソライト
「洞窟ヤモリは姿揚げが美味しく、レッサードラゴンなら霜降りを狙うべし。か…
へえ、美味しそうだなあ!」
だが、ここは6階層。当然向こう側も我々のことは食糧でしかない。
と、考えていると目の前にゴブリンが現れた!
ゴブリンA
「侵入者ダ!捕ラエテ裂イテ今日ノ晩飯ニシテヤラア!!!」
ゴブリンB
「オオオオオ!人間ダ、ウマソウ!…ッテコラ!マズハ捕虜ニスルノガ先ダ!」
ソライト
「最初の階層より物騒だな!相手してやるぜ!
“クマンダ・ノッシ・ヌレイ・ツパンカー”!」
以前は出しただけだった(ガトリング銃)が出てきた。
ソライト
「使い方は勉強済みだ、行っけえええええ!!!」
重ったるいトリガーハンドルを回すと銃弾が勢いよく発射される。
バババババ!!!!!と、物凄い音にソライトも圧倒された。
ゴブリンA
「グッ…ガアアアア…!!!」
ゴブリンB
「ギャアアア…!!!ック…報…コク……ヲ…………」
ソライト
「すげえ…一瞬で全滅した…」
襲い掛かる暇さえ与えずに一方的な形で戦闘が終了した。
あまりの出来事に唖然とするも、銃の音を聞きつけた他のゴブリンが
居場所を嗅ぎつけてきた。
ゴブリンC
「ナンダ…今ノ音…ナッ、コレハ…」
ゴブリンD
「ナンテコッタ…貴様…ヤリヤガッタナ……!」
ゴブリンE
「同胞ノ恨ミ、晴ラシテクレル…!」
「挟ミ撃チダ!イクゾオ!!!」
駆けつけてきたゴブリン6体が襲いかかってくる!
ソライト
「上等だ、束になってきたって迎え撃つ!
“バイヤ・ノウユリイセ・ルナウ・ニウクンテ”!」
(青龍偃月刀)が出てきた。
ソライト
「ンッ!重い…だが、構えて大きく振り回せば…!」
力と魔力を込めて偃月刀を思いっきり振り回す。
すると振り翳した後から風の刃が巻き起こり、衝撃波となって
ゴブリン達を一網打尽に吹き飛ばした。
ゴブリンD
「ヤッテクレタナ…コノオオオ!!!」
2匹まで減らしたゴブリンは激昂し剣を構えて突撃してきた。
慣れない武器を力の軸にして、アクロバティックな動きで対応するソライト。
激しく打ち合っていたが、5分が経った頃にゴブリンに隙ができる。
ソライト
「今だ!青龍斬!」
宙に浮かした体を利用して思いっきりジャンプ。浮いてる間、刃に龍闘気を込める。
左腕に力を込めた青龍のオーラと共に横一閃。ゴブリンは真っ二つに裂かれて、殲滅は完了した。
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ハンバーガーむしゃむしゃ!フライドポテトをもぐもぐ…
設定集のコーナー
「ゾルデ」
第1話でソライトとセッションをしたゾルデさん。
モチーフは「イゾルデ」と呼ばれる王女様です。
ですがこのお話では王女ではなく1人の王都民として登場します。
趣味はギターやピアノの演奏とマイナーな楽器の攻略です。
なので馬琴やバグパイプもお手のもの!
ソライト曰く、「本物の神様ってこういう人のことなんだなあ」とのこと。
ちなみに年齢は18歳と先輩の立場でもあります。
あ、そうそう…念のために書きますが
こっちのイゾルデの性別は男性です。