第13話 「再び合い見える時」
バゲーズ通りを散策しつつ準備を整える事3日。
2人は作戦を整えて予行演習を繰り返し、再び10階層への通路に来ていた。
ソライト
「わかってるよな、練習のヤツ。」
レオファング
「おうとも。成し遂げよう、必ず!」
グランプレスは不敵な笑みを浮かべていた。
必ず戻ってくるとわかっているからこそ、
久しぶりの強者であろう者達との対戦を愉しんでいたのだ。
ソライト
「来たぜ…早速始めようか。」
グランプレス
「フッフッフッ…そうだな。
但し守護者としてもう我も手を抜けん。よいな。」
ソライト
「無論だ!」
そう言い終えると後ろで構えていたレオファングが
獲物を睨む表情で衝撃波を放つ!
すかさず応戦するグランプレスだが、不意を打たれてダメージを受ける。
ソライトは隙を逃さず図鑑を開いて呪文を唱える。
ソライト
「“ヘウコム・ノミウ・テメトモヲラカタ”
“スタハ・ヲメトツ・リキヲキテ」
(マスケットガン)と(サーベルナイフ)が出てきた。
グランプレス
「……なんだ?その貧弱そうな武具は。
よもや小道具で撹乱しようとは…
見損なったぞ!煤塵に帰せしめてやろう!!」
ソライト
「へっ!勝手に見損ねてやがれってんだ!」
動きが軽い2人に火球や火炎放射を浴びせようとしても全く当たらない。
一方ソライトは、関節や肉の柔らかな部分に斬撃を与えて、
的確にダメージを負わせていった。
レオファング
「どうしました?我々はまだ痛手一つ受けていませんが。」
グランプレス
「ほざけ!!!!!」
グランプレスが浮き上がると、
そのまま足元に火球を放ち、一面を火の海に
変える。当然動き回れば汗もかくだろう。
火の手は一瞬にして大広間を包んだ。
ソライト レオファング
「あっ……つ!」 「まずいな…!」
グランプレス
「どうした?呼吸もできんか?
よもや俺が飛べないとでも…思っていないだろうなあ…!」
実際、先の戦いではグランプレスは飛行していない。
大広間の酸素が奪われていく、
ここでソライトがポケットから何かを取り出し、
口に含んで飲み込んだ後図鑑を開く。
ソライト
「この手を使う!
”インウフ・リヨニチタ・ノミウラア・チロオノタマヤ“!」
グランプレス
「クッフッフ……ようやく出すか。"あの武器"を!!!」
天叢雲剣…以前使った時は力に飲み込まれ、自我を失ったが今回は上手くいける。
そのための作戦なのだから、そう思っていた時。
グランプレス
「甘いな。お前が今口に含んだ物は
おおかたシズメワラビを兵糧丸にしたもの。………だろう?」
ソライト レオファング
「………」 「………!」
万事休す。一瞬の行動から全てを悟られてしまった。
レオファングは呆然と立ち尽くす。
勝利を確信したグランプレスは高笑いする。
ソライト
「……今だ!」
何かを投げる。それは口の中に入っていった。
グランプレス
「あグッ!?………ごくり。
貴様、今何を投げた…?」
ソライト
「何って…ハナビダとタキツバキの花粉団子。」
グランプレス
「何!?き、貴様………
ううっ!??急に…腹が痛く…!?」
(タキツバキ)は花弁に強力な下剤効果がある。
ちなみにとても香り高いので、様々な虫達が何度も花弁の表面に留まるのだ。
受粉も容易く行えるので様々な地域に生息する。
悶え苦しむグランプレス。
すかさず天叢雲剣を構えて、渾身の力で衝撃波を放つ。
迎え打とうと大口を開けるが…
ソライト
「おっと、今火を放てば…わかるよな?
言ったはずだぜ、(ハナビダ)と(タキツバキ)だ…ってよお!!!」
グランプレス
「………!!!!!おのれええええ!!!!!」
直撃した衝撃波が引火して大きな爆発になる。
ついにグランプレスは撃墜され、気絶した。
閲覧いただきありがとうございます♪
激辛カレーカワサキホットスペシャル!いただきま〜…やっぱやめとこ。
設定集のコーナー
「図鑑を出す時はどうしているのか」
図鑑から武器、兵器を出す。という行動をする時ですが、
この時必ずしも呪文を唱えているだけではありません。
ちゃんと体力と魔力を消耗して召喚しています。
では今回のように連続して召喚しても大丈夫か。
結論を言いますと「二つ目以降は掛かる魔力も多くなるが大丈夫」です。
なので出す物も気をつけなくては行けません。神器ばかり出してると
コストが重すぎて体が干からびちゃいますからね⭐︎