第10話 「解き放たれた顎の守護龍」
レオファング
「何!?ううっ…ゴボボボボボ………」
広間にポイントから出た激流がなだれ込んだ。
ソライト
「うっし!決まったな。ポイントは仕掛ける時に
色が見えるだけで何が見えるかはわからねえ。
そして強力なモノを仕掛けようモンなら何がしたいか
簡単にバレる。」
「そして何よりアンタは同じような
攻撃ばかりしてきたよな。
まあ…どんな手練れでも“依存する”という
人間の本質には敵わねえ。
絶対に大きな一撃を与えさせない事実を作った以上、
俺は余裕ができたんだ。
積み上げて大きなポイントを作る隙が。な…」
レオファング
「だから僕の行動を誘発させて単純化させた。
か…すごいね、完敗だよ…」
言い終えて弱ったレオファングに魔法で微弱な
電流を流して気絶させた。
安全な場所に身を移して、持ってきてたロープを使い
付近にあった大岩に縛り付けて目覚めるのを待つ。
その時間4時間だったが、起きるや否や降伏宣言をして
持っていた帝国剣を捨てた。
ソライト
「勝ったんだし、願い事聞いてもらえないかな」
レオファング
「金目の物なら僕の部屋にあるし、
案内してあげるよ?」
ソライト
「いやいや、欲しいのはゴブリンの通貨よりお前さ。
一緒に来て欲しいんだけど!」
ソライト
「……は、はあ。まあ、別にいいけど…」
そこから長い距離を冒険するならと距離感を縮めるため、
雑談を交わす。
あの街がどんな場所なのか、いつからあったのか、
ゴブリンに目的はあるのか…と言ったところだ。
レオファング
「最近だとやっぱり10階層への調査が大きな話題を
読んでたね。守護龍の力をモノにしたかったのか
赴いたらしいけどさ、全滅したんだって。」
ソライト
「10階層?この真下の階層か。
それって顎の封印とか関係あったりする?」
レオファング
「そうなんだけど…何か知ってたりするの?」
ソライト
「親父と調べたんだけどさ…
この図鑑を解放したせいで眠りから覚めたのだとか。」
図鑑を見せるとレオファングは頷き何か考え事をし始めた。
レオファング
「間違いないね。コレが原因だ…
ミラージュ・データブックは別名“鏡の世界の賢者”と
呼ばれてる。ここではない世界の歴史や伝承をまとめた
上げた本で、筆者はまだわかっていない。」
そういって図鑑を返した。
レオファング
「というか…これからどうするの?」
ソライト
「決まってら、残りの秘宝も探し当てる。約束なんだ!」
レオファング
「そうなんだ…
ならここから先にいる(グランプレス)と
刃を交える気だね」
ソライト
「グランプレス?それが守護龍の名前なのか?」
レオファング
「そう、そしてソイツは顎の力がとても強靭なんだ。
獲物を喰らえば砕かれ、すりつぶされ、そして
胃の中へ…さ。」
ソライト
「おっかな!」
そんなおっかないヤツを眠りから覚ましてしまったとは…と考えても後の祭り。抜け道だらけのゴブリンの街を右往左往しているうちに大きな階段広間に着いた。
10階層…管理が甘い門をくぐり抜けると、
淋しげな通路が続く。が、その通路は守護龍のオーラの
影響でとても明るい。まるで外にいるかのようだ。
一歩、また一歩進むにつれて強くなるオーラに
ソライトは武者震いした。
やがて大きな龍がソライトの前に立ちはだかる。
グランプレス
「よくぞ参られた、図鑑の所有者よ。
我は洞窟の守護龍、名をグランプレスという者。
冒険者よ、何を望みにここまできた?」
ソライト
「俺の望みは七秘宝と洞窟の真実だ。
アンタは図鑑を解放した事で目醒めた
顎の封印の主人なんだよな?」
グランプレス
「…まあ、秘宝の解放は我の眠りを覚ます鍵である。
そして冒険者よ、其方に伝えることがある…」
「この洞窟に眠る秘宝の数は、残り2つだ。」
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これは果たしてカレーなのかメシなのか。
設定集のコーナー
「ゴブリンの奴隷システム」
先の話でゴブリンは冒険者を捉えて奴隷にしていた。
と書きましたがどういうシステムだったのか
結論を言いますと「様々な班に分けて朝から晩まで
労働をさせている」という風になります。
とはいえ、最初は面談をして得意なことを
聞き出したあと、そこから班分けが始まります。
ゴブリンとはいえ、無駄な事は省きたいのは
人間とさほど変わらない…というかもう人間ですね!
あ、逆らったりルールを破れば
(クモツ)にされますからね。逆らえない!