第9話 「獅子の牙」
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「すぅ…すぅ…」
ゴブリン門番
「オイ、起キロ。」
目を覚ますと、まぶたから綺麗なマリンとスカイブルーの瞳が輝きを放つ。
??????
「囚人番号4858、アトライネ=レオファング。
ただいま起床致しました…」
ゴブリン門番
「ゴ苦労。今日カラオマエハ臨戦部隊ニ移ッテモラウ。」
レオファング
「え…つまり今日から前衛で取り締まりと外回りですか?」
ゴブリン門番
「ソウダ。ココ最近ハ囚人ノ脱走ノ噂ガサレテイル。
侵入者ハ見ツケ次第捕ラエロ。モシクハコロセ。」
一方のソライト。
もはやここ周辺の階層では時の人だ。
ゴブリンを襲っては奴隷を解放して大騒ぎ。
不思議な図鑑から色々な武器を出しては、
下級だろうと上級だろうと関係なくちぎっては投げを繰り返していた。
ゴブリン門番
「トニカク気ヲツケテオケ。ドンナ武器ヲ持ッテシテモ、
マトモニ太刀打チデキタヤツハ1匹モイナカッタトイウ噂ダ。」
レオファング
「…怖いなあ、でも僕も退屈だったからね…」
ストレッチを終えてパトロールへ向かう。
8階層…
ソライト
「いや〜快勝!快勝!相手もそこまで強くねえし、
親父なら赤子を捻る感覚で倒せるだろうな!」
図鑑を使いこなしており上機嫌だ。
たとえ剣でも槍でも使いこなす、ソライトの天性のセンスが光る。
暫く歩き続けていると、だんだんと街の賑わいは静かになって来た。
そう、例の牢屋街に辿り着いたのである。
いくつもの交差路を超えて人探し中だが、お目当ての人が偶然たまたまやって来たのだ。
レオファング
「…君が侵入者だね。上からの指示通り、拘束させて貰うよ。」
ソライト
「…オメーが噂のレオファングか。確かに一見すると女の子だな。」
レオファングが距離を詰めて剣を振るう。持っていたダガーナイフで迎え撃った。
ソライト
「いきなりだなこの戦闘狂!だったら見せてもらおうじゃねえか!
“クラヒヲチミ・リワヲミウ・ウオンケノ・イカッジ”!」
(アロンズ・ロット)という杖が出てきた。
杖に魔力を込めて、術式を詠唱すると魔術は具現化される。
そしてそれに意志を与えると魔法が完成するのだ。
ここでいう意志というのは属性のことだ。人間、誰しも勉強ひとつで技術を
身につけていくので使えるかどうかで出せない魔法は無い。が、
得意、不得意は存在する。ソライトの得意属性は電気である。センスも抜群だ。
ソライト レオファング
「ッ…!」 「ふふっ、背中が空いてるよ?」
レオファングの持つ帝国剣がソライトを襲う。
当然だが、タイマンで魔術を使うのは自殺行為に等しい。
剣を振るう時間は詠唱時間より何十倍も早いのである。
短い詠唱を行いつつ小さな魔法で攻撃するもかすり傷だ。
ソライト
「どうにかして一発決めねえと…!」
レオファング
「遅い遅い!そんなんじゃ一生僕には傷を入れられないね」
コンビネーションと軽快すぎる立ち回りに太刀打ちできない。
いやらしさを増す光刃の一閃でダメージは溜まりつつあった。
ソライト
「………そろそろやるか。」
ソライトは一気に距離を置くと詠唱を行い、ある魔力ポイントを地面に埋める。
ポイントと言うのは魔力の罠だ。言い換えれば、着火前のダイナマイトを置いてるようなモノだ。
ソライト
「(アロンズ・ロット)ならアレができる…がヤツが来るかどうかだな…l
そんな心配も杞憂に終わる。レオファングはトドメを刺そうとソライトを探し回っていた。
ポイントの位置を把握して引き下がりつつも、レオファングはここでタックルを決める!
レオファング ソライト
「取った!じゃあね!」 「ああ…じゃあ…な!」
タックルで飛ばされた後の場所はポイント起爆点だった。
ソライトは魔力の爆裂を起こしアッパーストリームを巻き起こした!
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寒い夜には天そばが染みるでごぜえやす…ずるずる…ちゅぽっ
設定集のコーナー
「ブリタニア王立図書館」
ミラージュ・データブックの秘密や洞窟について調べるために使った
王立図書館。王城の地下が3階層にも伴って大きな空間になっています。
受付が1階にあって、地下1階が児童書や図鑑があるコーナーになっています。
学校図書館のような感じ…と言ったらわかりやすいかもしれません。
地下2階は魔道書や魔本のコーナーです。ちなみに持ち出し厳禁、コピーはOKです。
まあ、危険ですからwww
そしてソライトが使った地下3階層は雰囲気からしてゾッとするほど怖くなる
禁書や呪書物が置いてます。なお、ここに入れるのは騎士団関係者や
許可を得た人だけです。ちなみに最近こっそり入った学生が神隠しにあったそうです。
お〜、こわ。