第75話 「リリ・ハン国」の組織と大陸の情勢
●リリ・ハン国の組織体制
「リリ・ハン国」は、ハーンであるリリ(トゥリ・ハイラ・ハーン)を頂点としたハン国である。
「リリ・ハン国」を構成する部族のうち、ハーンの出身部族であるヘルシラント族は、ハーンであるリリが直轄するが、それ以外の部族(帰順した部族)には、王位、爵位を与えて所管地域の統治を任せる方針を採っている。
また、地域をまとめる部族がおらず、小部族が点在する地域等には、中央から国司を派遣し、地域全体の統治を統括する形で政権運営が行われる。
王位は、左右の賢王、谷蠡王などの位があり、爵位には主に大当戸、骨都侯などの称号がある。
大部族の長については王位を、小部族の長については爵位を与える事となっている。
組織上、臣下の最上位、ハーンに次ぐNo2は「左賢王」であるが、ハーンの後継者、皇太子に用意された地位であるため、ハーンが若年、未婚である現時点では空席となっている。
イプ=スキ族長、サカが「左賢王」に次ぐ地位である「右賢王」となっており、現時点ではNo2の地位となる。
続いて、マイクチェク族長、ウス=コタがNo3である左谷蠡王の地位を占めている。
上記とは別に、文官にも様々な地位が設けられている。
最上位の地位が「大尚書」であり、文官を統括する存在である。現在はコアクトがこの地位に就いている。
●敬音について
ゴブリンの世界において、貴位にある者、特に、ハーンや伝説の存在である「ゴブリリ」は、敬意を込めて「敬音」と呼ばれる、通常とは異なる発音でその名を呼ぶ。
本作においては、「敬音」は「りり」とひらがなで表記している。
対象者に「敬音」を使わない事は不敬であるとみなされ、「リリ・ハン国」においてハーンの名を「敬音」で呼ばない事は、不敬罪となる。
後に、「リリ・ハン国」の貴族階級には、偏諱の一種として、ハーンから「敬音」が下賜される事となった。ハーンの御名の「敬音」である「り」が貴族の証として与えられたのである。
与えられた「敬音」は名前の前置詞(ドイツ語圏における「Von」と同様)として使用された。
(例えばウス=コタの場合、貴族的な正式名称は「ウス=り=コタ」となる)
●「火の国」周辺の大陸の地理に関して
「リリ・ハン国」が成立した「火の国」は、ファレス大陸の最南端に位置する。
大陸には9つの国(地域)がある(いくつかの国は、更に細分化して呼ばれる事がある)。
「火の国」に隣接する国は2つで、西北に「後ろの国」、東側に「日登りの国」がある。
このうち、西北にある「後ろの国」との間は山脈で隔てられている。
僅かに通行が可能な「ク=マの回廊」は山賊に支配されており、細々とした移動や通商を除いて往来が遮断された状態である。
「後ろの国」は、人間が支配している国で、かつては諸勢力が割拠している状況であったが、本作の時点ではタヴェルト侯が国の大半を支配している。
東にある「日登りの国」は南北に長い地方であり、「日登りの国」の南部が「火の国」に接している。
「日登りの国」はゴブリンが割拠する(人間の主要な勢力はいない)地であり、多数の部族が割拠している。
「日登りの国」南部は、オシマ族と呼ばれる部族が勢力を持っている。
中部地方は「ユガ地方」とも呼ばれており、多数の小部族が乱立している状態である。
ヨゥマチ族、タゴゥ族、マユラ族、クシマ族などが代表格であるが、代表である彼らの勢力範囲ですら、洞窟数カ所、数村程度である。
北部地方は、カチホ族と呼ばれる部族が勢力を持っている。
「日登りの国」の南側には、「隅の国」と呼ばれる半島が隣接している。
「隅の国」は、シブシ族と呼ばれるゴブリン部族が支配している。
「日登りの国」の北側には、「豊かなる国」と呼ばれる広大な地域が隣接している。
この地にもゴブリン勢力が割拠しており、主な部族はベルヌイ族とユフィン族である。
……………
これら、北から「豊かなる国」「日登りの国」「隅の国」の3国が、ファレス大陸の東部にあたる。この3国に、大陸南端の「火の国」を加えた4地域が、大陸においてゴブリンが割拠している範囲となる。
「後ろの国」など、大陸の中央~西半分は、人類が勢力を確保している地域である。
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