第5部までのあらすじ
「火の国」の片隅にあるゴブリンの小部族、ヘルシラント族に、女王個体「ゴブリリ」として生まれて来た文学少女、リリ。
「ゴブリリ」は約百年に一度生まれてくる特別な存在で、特殊能力「スキル」に覚醒してゴブリンを導き、繁栄に導く使命を持つ存在であった。
物語で読んだ歴代の「ゴブリリ」の様に、自分も活躍したいと願うリリ。しかし近年「外れスキル」の「ゴブリリ」が続いた事から、現代では「ゴブリリ」は誰からも期待されない存在となっていた。
名目上は族長の地位に就くも、周囲に疎まれ、奸臣アクダムに幽閉され……更には、予定日を過ぎても「スキル」に目覚めず、奴隷落ちの危機を迎えたリリであったが、ついに土壇場で「スキル」に目覚める。
だが、与えられた力は、強力な能力とは思えない、地味な「採掘」スキルだった。
危機に立たされたリリであったが、創意工夫と書物で培った知恵で、逆境から試練を乗り越えていく。
「採掘」を消滅能力だと錯覚させる事で、権力を簒奪していた奸臣アクダムを下し、部族長の座を奪回したのだった。
……………
部族長となったリリは、「採掘」スキルを生かして部族の生活環境を改善、更には貴重な「魔光石」の鉱脈を発見するなどの成果をあげる。
部族の発展のために力を尽くすその姿勢に、リリは次第にヘルシラント族の住民たちの支持を獲得していく。
……………
だが、発展するヘルシラント族に目を付けて、隣接する大部族イプ=スキ族が、略奪と征服を目指して攻撃を仕掛けてくる。
最大の危機に立たされるリリであったが、自身の軍略と「採掘」スキルを生かして、イプ=スキ族との戦いに完勝。
イプ=スキ族の部族長を討ち、軍勢に大打撃を与えた「ナウギ湖畔の戦い」は、培われた彼女の軍事的才能を示すものとなった。
敗れたイプ=スキ族は、大幅に弱体化。北方のマイクチェク族からも圧迫を受けた事により、後にヘルシラント族に帰順。傘下に加わる事となる。
……………
続いて、北方から勢力を伸ばすマイクチェク族との戦いになると思われたが、そこに現れたのが、ゴブリン討伐の依頼を受けた、人間では大陸最強の「七英雄」と呼ばれる聖騎士サイモンだった。
彼はマイクチェク族を襲い、部族の首脳陣を全滅させる。それに続き、珍しい「ゴブリリ」……リリの首を求めて、ヘルシラントへと来襲してきた。
皆の力を結集させて聖騎士サイモンを迎え撃つも、一蹴されて危機に陥るゴブリンたち。
しかし、リリはヘルシラント山頂で一騎打ちに持ち込み、その能力と機転を生かして聖騎士サイモンを倒す事に成功したのだった。
この戦いを通じて、リリの力を認めたマイクチェク族も、リリの傘下に入る事を選択。
ここに、ゴブリンの全部族が彼女の傘下に入り、「火の国」が統一されたのだった。
……………
ここまでの出来事を通じて、部族運営能力や内政能力、軍事的才能、更には個人の武勇を示す形になった、リリ。
様々な能力や「スキル」を生かして「火の国」を統一したその姿は、人々にとって、ゴブリンを繁栄に導く、伝説の「ゴブリリ」の再誕を感じさせるに十分であった。
ヘルシラントにおいて大会議「クリルタイ」が開催され、「火の国」の住民達の総意により、リリはハーンに推戴される。
トゥリ・ハイラ・ハーンの称号を捧げられたリリは、臣下と住民達の歓呼に包まれて、ハーンに即位。
ここに、「火の国」を統一した、ハーンとなったリリを頂点とするゴブリン政権「リリ・ハン国」が成立したのだった。
ハーンとなったリリ。
「ゴブリリ」の使命。
大陸に住む、全てのゴブリンを、そして、彼女を信じて付き従う、全ての者達を保護し、繁栄に導くために。
リリと、彼女が治める「リリ・ハン国」の新たな物語が紡がれ始める。
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