挿話9 コアクトの初登場とその後の変貌
主人公リリの良き理解者であり、後に大尚書としてハーンの右腕となる女性、コアクト・コエンは第二部終了時の外伝で初登場します。
当面の敵であるアクダムの姪でありながら、同じ読書好きとしてリリと友情を育み、次第に関係性を深めていく事となります。
コアクトについては以降の展開で常にリリと行動を共にして活動する事が決まっていましたので、この段階で外伝を挟み込む事で早期に登場させました。
ただ、彼女はその後キャラクターとして成長……というか、作者の意図を超えて「勝手に動き」、当初の意図を超えたキャラクターとして活躍していく事になります。
コアクトは元々の当初の意図としては、リリとは仲が良いものの、ある程度とぼけた少し頼りない性格で、リリの発言や行動に追随する(コアクトが「相槌を打つ」事で、話の展開を良くする)キャラクターとして考えていました。
しかし、話が進むにつれ、彼女は当初の意図を超えて活動していく事となります。
「相槌を打つ」「単に賛同する」キャラとしての当初の意図を超え、リリとの会話において発言がより主体的となり、時にはリリの決断にも影響を与える存在となっていきます。
それだけでなく、「リリを支える」という信念の元にリリ・ハン国の重臣として影響力を駆使し……様々な活動や工作を行っていく様になりました。
最終的には、「リリがハーンとして王道を歩むためには、裏で策謀や陰謀を巡らせる……手を汚す事も厭わない」キャラクターに……一言で言えば信念を持った「黒い」キャラクターとなってしまいました。
名前の由来は言うまでもなく(アクダム:悪玉の親戚ということで)「小悪党」ですが、「小」どころではない「悪」を抱えた女性に育ちました。
作中で「リリのために手を汚している」事例としては、カラベ事件での行動、ココチュの謀殺、「吾亦紅」団長と住民の謀殺(未遂)などがあります。
こうした策謀や陰謀を行う能力は既に伯父のアクダムを超えていると言え、すっかりリリ・ハン国で「汚れた部分に敢えて手を染める」キャラになってしまいました。
とはいえ、その能力とリリを思う気持ちは本物です。
聖騎士サイモン来襲時のリリを守るために身を顧みない行動など、基本的にはリリを守る、リリのために役立つ行動を行っており、時には不興を買うことを承知で反対意見を出したり、リリを諫めたりする行動を取ります。
また、現時点では聖騎士サイモンとの戦いなどでしか目立つ場面がありませんが、コアクトはゴブリンとしては少数派の魔法使いであり、ゴブリンの魔法使いとしては最強クラスの能力を持っています。
内政面での活動が目立つ彼女ですが、いずれ魔法バトルを見せる時があるかもしれません。
そんなわけで、作者の意図を超えて変貌し、ある意味では成長したコアクトですが、今後も常にリリの側にあり、彼女のために活動していく事でしょう。
今後も益々活躍していくであろう彼女を見守っていただければと思います。
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