登場人物紹介 ~主人公勢力たち~
「ゴブリン文学少女 、大ハーンになって大陸制覇、目指します!」登場人物紹介
(第十部開始時点 王国歴596年/トゥリ・ハイラ・ハーンの4年:5月)
主人公勢力たち
■リリ・ハン国(主人公勢力)
王国歴593年に大陸南部「火の国」を統一した「ゴブリリ」リリ・レンティが「トゥリ・ハイラ・ハーン」の称号を名乗り成立したゴブリン国家。
本国「火の国」に加えて、東北に位置する「日登りの国」の中南部を諸部族の服属により掌握、更に東南に位置する「隅の国」を「シブシ戦役」で征服して領土に加えており、大陸の地方9カ国のうち2カ国半を勢力下に治めている。
彼らが対外的に名乗る国家名の自称は「我らがハーンの国」であるが、後世からはこの名称では判別しにくい事と、後述する「リーリエの国」も同じ名乗りをしており紛らわしい事から、歴史上の呼称は「リリ・ハン国」(LiliKhanate)(またはゴブリン南朝)であり、本作においてもこの呼称を用いている。
[構成部族]
《ヘルシラント族》
主人公リリが属する、リリ・ハン国の支配氏族であるゴブリン部族。大陸の最南端、ヘルシラント山の洞窟が本拠地。
●リリ・レンティ
本作の主人公。
ヘルシラント族に、百年に一度の「ゴブリリ」として生まれる。
普通のゴブリンより一回り小さく、肌の緑は薄めで、白い髪に小さめの獣耳を持っており、人間の少女の様な姿を持っている。
幽閉され、本に囲まれていた幼少期を通じて、読書が大好きな、文学少女として成長する。
その後、スキル「採掘」に覚醒。
幽閉状態から抜け出して部族長の座に就くと、その能力と、培った知識を生かして活躍していく。
紆余曲折を経て、各ゴブリン部族を傘下に収め、「火の国」全土を統一。
トゥリ・ハイラ・ハーンの称号を捧げられ、「リリ・ハン国」のハーンに即位した。
即位後は、新たな能力「刻印」を獲得する。
「リリ・ハン国」は順調に勢力を拡大・更に発展する様に思われたが……即位4年目の王国歴596年、最大の危機に直面するのであった。
●コアクト・コエン
ヘルシラントの三大有力氏族の一つで、リリの出現前にヘルシラント族の部族長を務めていたコエン家出身のゴブリン女性。前部族長アクダムの姪に当たる。
同じ読書趣味がある事から、早期からリリと親しく付き合いがある。
禁呪の使用により脱色した髪を赤く染めており、赤髪がトレードマークとなっている。また、古王国時代のアイテム「眼鏡の人の眼鏡」を身につけている。
高い内政能力を持ち、現在はリリ・ハン国の文官の長である、大尚書の地位に就いている。
政権を簒奪し、リリを幽閉していたアクダムの一族であるにも関わらず、自身を信頼して重用してくれるリリに深い感謝と愛情に近い忠誠心を持っており、リリを守るためであれば謀略や非情な手段を駆使する事も厭わない。正道を行くリリの裏で密かに謀略を巡らし、様々な政敵を葬るなど、裏の顔がある。
コアクトの活躍により、コエン家は再興を許され、傍系の親族・ガイアークが貴族に取り立てられている。
●シュウ・ホーク
ヘルシラントの三大有力氏族の一つ、ホーク家の長。コアクトに次ぐ地位である、文官長を務めている中年のゴブリン男性。
シブシ戦役の発端となった使節派遣時の負傷のため、常に頭巾を被っている。
堅実な性格で、年長者として常識的な見識から意見を述べる事が多い。
弟のショウ・ホークはシブシ国司の副官を務めていたが、サタ領主ショウウンに謀殺された。
●ケン・ラン
ヘルシラントの三大有力氏族の一つ、ラン家の長。
父ランル・ランがシブシ族に殺害されたために、若くして爵位を継いだ。
現在は征服地である「隅の国」でシブシ国司の宰相を務めているが……シブシ族の大反乱に直面する事となる。
●リーナ
リリの幼少時、幽閉時代から身の回りを務めている女性メイド。
同じく幼少期から執事を務めていたマンティ亡き現在、プライベートの面ではリリが最も信頼する人物である。
《イプ=スキ族》
ヘルシラント北方のイプ=スキを拠点とする部族。弓騎兵による騎射戦術を得意とする。かつてはヘルシラント族と敵対していたが、後に和解し帰順。最初に傘下に加わった経緯からリリに重用され、成立したリリ・ハン国においても要職を占めている。
●サカ・ムーシ(右賢王)
リリ・ハン国の諸侯王「右賢王」で、席次上はリリに次ぐ国家のNo2となる少年。
ヘルシラント族と敵対した先代族長スナの息子で、後に部族が危機に陥った際にサラクの進言により自ら人質となってヘルシラント族に帰順。その後は重用される事となった。
まだ若いが、成長するにつれ、シブシ戦役における「オスミ高原の戦い」で部族の指揮を取り勝利するなど、軍事的な才能を発揮しつつある。
年齢が近いリリとは親しい関係にあり、次第に関係を深めている様だが……。
●サラク・カイカン(弓騎将軍)
先代族長の代から部族長の側近を務める、イプ=スキ族の宿将。現在は少年部族長サカの補佐を務める。
個人としての戦闘力や将軍としての能力だけでなく、政治的なセンスもあり、度重なる敗戦で部族が危機に陥った際にヘルシラント族へのいち早い帰順を先導し、そのおかげで後にイプ=スキ族が重用される事となった。
その能力からリリ・ハン国でも「弓騎将軍」として処遇されている。「リーリエの国」に使節として派遣された際に暴行され大怪我を負うが、引き続き将軍の地位に就き、リリたちへの助言を行っている。
●コラン・ノゥユ(ユガ国司)
元はイプ=スキ族の部将で、過去にはヘルシラント侵攻などにも参加していたが、シブシ戦役での活躍により貴族に取り立てられ、「ユガ国司」に抜擢される。
国司としてユガ地方の統治に苦闘しながらも見事に現地を治め、オーク襲撃事件なども解決して現地ユガ地方の住民たちの信頼を獲得している。
現在はユガ地方主要4部族の娘たちを妃とし、彼女たちとともにユガ地方を統治するとともに、北方の守りを固めている。
《マイクチェク族》
「火の国」北方のリシマを根拠地とするゴブリン部族。ゴブリンとしては大柄な体躯が特徴で、白兵戦を得意とする。
かつては「火の国」征服を目指し周辺部族と対立していたが、聖騎士サイモン襲撃事件を契機にヘルシラント族に帰順。成立したリリ・ハン国の一翼を担う事となった。
●ウス=コタ(左谷蠡王・矛剣将軍)
リリ・ハン国の諸侯王「左谷蠡王」にして、マイクチェク族の青年族長。
ゴブリン離れした巨体で、薙刀や蛇矛で戦う戦士であり、自身の武勇を誇る猪突猛進型の部将である。
父や部族の敵である聖騎士サイモンとの戦いで敗退するが、その聖騎士サイモンをリリが討った事で、その力を認め、部族を挙げてヘルシラント族に帰順した。
「リリ・ハン国」ではNo3に当たる「左谷蠡王」の地位に就いているとともに、一軍を率いる将として「矛剣将軍」の地位も持っている。シブシ戦役においても活躍した。
部族の副王の娘トワを妻としており、彼女との間に四男三女が産まれている。
●トワ=シン(マイクチェク王妃)
ウス=コタの妻で、先代副王ワント=シンの娘。女性ながら、棍棒を武器に高い戦闘力を持つ。
ウス=コタよりも身体が大きく、豪快な性格で彼を尻に敷いている。
夫のウス=コタとの間に四男三女を産んでいる。
●ソダック(シブシ国司)
ウス=コタの三男。征服地であるシブシ地方の名目上の国司に任命されている。
(幼児であるため、実際の統治は部下たちが行っている)
●ラナイカ、カマホル
マイクチェク族の部将で、左右両翼の軍勢を任されている。
《オシマ族》
「火の国」の東北にある「日登りの国」南部を統治する部族。
リリ・ハン国成立時にいち早くハーンに服属し、諸侯王の地位を確保している。部族の軍勢は長年のシブシ族との戦いを通じて「防御の強さ」を特色としている。
●グランテ(左日逐王)
オシマ族の部族長。リリ・ハン国成立時に機を逃さず、速やかにハーンに服属。諸侯王の地位を獲得した。他の諸侯王より地味で目立たないながら、地道な成果を上げており、ハーンに信頼されている。
《ユガ地方諸部族》
「日登りの国」中部に勢力を持つ小部族たち。
リリ・ハン国成立時にオシマ族とともにハーンに服属、貴族の称号を与えられる。
現在はユガ国司コランの麾下にあり、協力してユガ地方を統治している。
小部族が乱立しているが、その中で比較的有力なのはタゴゥ族、マユラ族、クシマ族、ヨゥマチ族の4部族で、各部族長の娘(クリーク、サシオ、トルテア、ハッチャ)はユガ国司コランの妃となっている。
《ティエングリ一族》
大陸東南地方のゴブリンたちの中で、「神巫の一族」として宗教的権威を持っていた一族。
中でも当主の老婆、ココチュは「天の神巫」として高い宗教的権威を持ち、リリのハーン即位時には「トゥリ・ハイラ・ハーン」の称号を考案して授与する役割を果たした。
しかし、ティエングリ一族はその後も増長を続け、無断で「隅の国」で収奪を行い、更に勢力拡大を狙いハーンとの姻戚を図るなど危険性が増したため、大尚書コアクトの暗躍より一族の殆どが謀殺された(公式には「失踪」扱い)。
悪事に寄与していなかった一部傍系の者たちは生き残っており、傍系のパスパ・ティエングリはリリ・ハン国の宗教行事を司る「神祇官」に任命されている。
《シブシ族》
大陸の東南にある「隅の国」全土を、かつては約300年間統治していたゴブリン部族。
その経過から傲岸であり、通商使節団を襲撃・惨殺して物資を略奪する「カラベ事件」を発生させてリリ・ハン国と対立。その結果リリ・ハン国の侵攻を招いて敗戦。全土を制圧された。
現在は「隅の国」南部のみを領土として残され、リリ・ハン国の一地方貴族として存続を許されている。
領土北部を奪われ、多重に税を徴収され、更に部族としてはリリ・ハン国から派遣された「シブシ国司」に実権を握られるなど苦しい立場に置かれていたが……辺境都市「サタの街」で王子を擁立した反乱軍が決起する事となる。
●カ・キーム
シブシ族の王子。まだ年若い少年で、まるで少女の様な容姿を持つ。
父親のイル・キームは「シブシ戦役」に敗北した結果、「シブシ国司」に実権を持たぬ傀儡の王とされている。
シブシ落城時に逃走、辺境にある「サタの街」に潜伏していたが、現地を統治するショウウンに擁立され、部族復興を目指す反乱軍の盟主となる。
●ショウウン
隅の国南端の「サタの街」の領主。
シブシ落城の際にカ・キーム王子を逃がし、匿っていた。
密かに軍勢を養い、カ・キーム王子を擁立してシブシ族復興の反乱を主導する。
《灰の街》
「火の国」中部、「灰の山」付近にある人間の大都市。
「評議会」が政権を担っており、街の繁栄と勢力(利権)拡大を目指している。
かつては「火の国」のゴブリン諸部族に対しては中立的な立場で、利権に反するゴブリン部族を襲撃させたり、ヘルシラント族にも陰謀を巡らすなど暗躍していたが、「火の国」が統一されリリ・ハン国が成立すると、名目上は同盟都市であるものの実質は傘下に入った。
現在はリリ・ハン国に協力しながら、領土内での利権の確保や拡大を図る方向性に転換している。
自前の軍事力には乏しいが、有事には経済力を活かして傭兵を雇い入れて戦争を行う。
●ルインバース議長
現在の「灰の街」代表。本来は陰謀家であったが、リリ・ハン国に入朝してハーンであるリリに心酔。ほぼ忠誠を誓う形で街の政治を運営している。
タヴェルト侯の東征に際しても、表だっては中立を守りつつ、様々な情報をリリ・ハン国側に流す形で裏から協力する立場を取っている。
《山賊団「吾亦紅」》
「火の国」と「後ろの国」を結ぶ要衝「ク=マの回廊」を占拠していた山賊団。
元はタヴェルト侯の迫害を受けて「後ろの国」から逃れて来た人間たちが中心である。名称は山賊団であるが、回廊を要塞化して同地に街を築いて活動し、回廊の利用者から通行料を徴収するとともに、交易も行う両国間の中継都市の役割を果たしてきた。
タヴェルト侯の東征が迫り、回廊の戦略的価値が高まった事により、同地を確保しようとするリリ・ハン国から軍勢を差し向けられるが、交渉の結果、平和裏に回廊を明け渡し、有利な条件で建設中の新首都「レンティア」に移住した。
●モル・カー団長
山賊団「吾亦紅」の団長。「後ろの国」出身。大鼠を飼っており常に傍らに置いている。
回廊の両側から軍事的圧力を加えられる状況下で、巧みな政治的センスと交渉力で軍事衝突を回避。回廊の明け渡しと引き換えに、平和裏に有利な条件でリリ・ハン国内に移住先を確保した。
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