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僕だけが求むる解  作者: 麦野和殷
4/6

4-疑いと終末の存在

見た。確かに見たんだ。そして聞いた。

沖葉 涼佳が残した言葉と、その悲しげな冷えきった表情。


僕は憤った。新学期が始まったばかりで、異能力だかなんだかってだけで何故罪のないクラスメートに手をかけるんだ…?


「なんで…なんでこんな真似をした?」

僕はそのままの疑問を吐くように、容疑者とされる一人の女子生徒、白川 琴音に聞いた。


「私は…してない。」

震え声でそういってくる。でもあの沖葉の顔に嘘はないはずだった。あんなに必死に伝えたのに、それが嘘だなんて、そんな終わらせ方はしたくない。


「じゃあなんで沖葉は殺された?どうしてだ。

まだあんまり話したこともないけど、最後の最後まで温もりを求めていたあの顔を、純情を裏切るやつがいたってことだろ!?」


「でも…私は知らないです。だから私がしたっていわれて、私は私が信じられなくなりそうだし、いまこの世界だって、本当は現実でも真実でもないって、信じたい。」

そうやって分からないというやるせなさを露骨に表情にだす白川。


くそっ。どうすればいい?誰を信じれば…

そもそもなぜこんなことになると、魅花見さんは…?何か知っていたんじゃないのか?

異能力…それを使って何をしたくて、どうしてこんなことになってるっていうんだよ!


「とりあえず、沖葉はこんな地べたじゃないところで横にさせてあげた方が…良いよな」


「そうだね。果山くん…?だよね。」

「とっても優しくて勇気のある人なんだね。」

この人は…沖葉の友達の、滝間 礼 か。

なんというか、とても優しい眼差しをしていた。


「ただクラスメートがこんな悲しい顔で最期を迎えるなんて、やるせなかっただけだよ」

「きっと怖がっていて、悲しんでる人も沢山この中にはいる。僕は信じてる。」

こんな事した奴への皮肉もあったが、純粋に信じられる人がいることを願いながらそうこぼした。


「凉佳を寝かしたら話があるの、ちょっとしたね。あなたには聞いて欲しい。だから…そうね。女子トイレに来て。」

耳元でそう告げられた……。

え?女子トイレ!? とかいってる場合でもないのか、なら気にせずに…沖葉の頬にてをおいてからトイレに向かった。

彼女の頬はとても冷たかった。まるで氷のように。休み時間に見えていた笑顔の暖かさを忘れてしまうほどに。




「魅花見さんと話していたでしょう?」

「あ、…あぁ」


ばれていたのか。

少し緊張感が走る。

滝間は信じて良いのか…?そもそも何を聞かれるのか…。


「じゃあ話は早いわね。」

「私は終末の異能力を持つものよ。」


まさか滝間が異能力者の一人だったとは。

カミングアウトしてきたってことは…相当な裏がなければ信じてよさそうだ。


「しゅ…しゅうまつ?」

かたことになる。だって週末って、なんだよ。


「終末。その気になればこの時空を全て終わらせる力よ。時間の流れの終着点を作るの。終末に関することだから、対価があれば、人の能力を終わらせて無能力にもできるし、人生も終わらせられる。」


え。怖すぎる。なんだそのチート能力は…

僕は最初の方にこんなのと会ってしまって良いのか?

この暖かい眼差しに終末。

温度差の激しい子だな…。


「だから入学してから魅花見さんに私も言われた。彼女は継承と予知、そして起源の力を持つの。だから私がたちきり、彼女が始める。こうすることで、何度かやり直して、繰り返していけるの。」


なるほど。そういう仕組みか。

なんで滝間の存在を言わなかったのかも謎だし、予知がどの範囲なのかも気になるな…。


ただ、滝間と基本的に連携していくというのは分かった。

「とりあえず話は読めたよ。それで、話に続きはあったりするのかな?」


「もちろんよ。」

少し得意そうに言っているが…一体なんだろうか

「もったいぶるなよー?期待するだろ」


深呼吸すると、彼女はこういう。




「犯人候補なら、何人か分かるわ。」


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