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僕だけが求むる解  作者: 麦野和殷
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1- 出会いと期待と新学期

学園ループものです。色々面白い話に膨らましたいものです…(笑)

「起きなさい律徒。もう7:30なんだから。学校に遅れるわよ。」

母の声がそう言う。学校に行くことは面倒くさいことこの上ないのに、この時間になると使命感からか体が勝手に起きてくれる。

まぁ、母に呼ばれなければ寝坊確定なんだけど…。


僕は果岡 律徒。高校2年生だ。1年生は特に当たり障りもなく終えて、今日から新学期になる。

もうこの年にもなると桜の季節にはじめまして何ていうのは慣れたし、それどころか飽きてしまったくらいだ。


遅れそうなのでささっと朝食を済ませて自転車にのり、桜並木と小川の道をこいでいく。


そして今年こそ、女子と話したり、あわよくば付き合ったり…なんて淡い妄想を抱く。

生まれてから今まではただ男友達とふざけにふざけて、くだらない事で笑う生活だったからそんな妄想をしてしまうことはしょっちゅうあるのだ。


ぼーっと考えていたらもう学校の裏門が見える。最後にあるちょっとした傾斜を立ちこぎで乗り越えて、駐輪場に向かう。


「おっ律!おはよう」 後ろから自転車を押してくるのは去年のクラスメイト 大棚 晴也だ。

元気でいつみてもニヤニヤというのかニコニコというのかずっと笑ってる気がするくらいなひょうきん者だ。

「おぉ 晴也。久しぶりだね」

僕は少し久々なので無難な返しをする。しばらく合わないと人見知り的な症状がぶり返すからだ。

「まぁ2週間くらいだけどな!クラス表見に行こうぜ」と笑い飛ばす。校舎に急いで表を見に行くことにした。



クラスを見ると…どうやら僕は9組のようだ。ちなみに僕たちの学校「古祖北高等学校」は10クラスある。

「え?お前も9組!? マジかまた一緒じゃねーか!」隣からうるさいくらいに飛び付いて絡んでくる晴也。

勢い強すぎて某入れ替わり展開が起きてもおかしくないぞ。残念だがここ二人が入れ替わったところで喜ぶ人は誰もいない。

そもそもこの茶番は必要ない。 と頭を高速だ回転させたあとに僕は2年連続を共に喜んだ。



遅刻寸前のところを二人で教室に入る。

出席番号順なので晴也とはだいぶ離れたが、まぁいいんだ。

ここからどんどん新しいマイフレンズを作って後期にはハーレムでも狙っておこう…。


僕は無難な学校生活を送ってきて、何一つとして特別なことは無かった。何の功績も、何の印象も、そして誰かにもきっと認められたりなんてことはもしかしたら…無かったのかもしれない。


春休みの憂鬱な自分のあらすじをホームルームの間にふとまた開いてしまっていた。 ぼーっとしていたら隣から声がした。



「あのー、はじめまして。魅花見 恵です。

好きな食べ物はバウムクーヘンです。今年から入ってきたので、お友達少ないので、仲良くしてね。よろしく」



…ん??なんだどうしたっていうんだこれは急に?もしかしてこれは僕に遂に春が来たのか!…しかも見てみたら超絶美少女!どこぞの漫画的なお約束!!これは勝った。勝ったぞ。

「こちらこそよろしく。僕は果山律徒。…ぜひよろしつ」 よろしくって二回言っちゃったしよろしつって言っちゃったがまぁ良かった。

そして後々自己紹介タイムだったということも分かり、中々恥ずかしくなった。



その後は普通に初授業があり、僕は幸い今年から来たという魅花見さんと色々話すことができた。

彼女は前まではかなり遠い辺境の学校に通っていてある理由があってから友達が離れていき、寂しい思いをしたという話も聞いた。

「安心して。僕はずっと友達だよ。」なんて言いたくなるけど普通に僕から友達が居なくなるお手軽フラグになりそうなのでもちろん言わなかった。



好きな食べ物や、テストがどれくらいとれそうかとか、運動は得意かとか、体育祭で写真撮ろうとか、些細な会話だが、僕にとっては新鮮な空間だった。



ただ、僕はずっと魅花見さんから友達が離れてくなんて信じられなくて、それは推測すらたたない謎となって、その1日目の陰りとなった。そして僕はそのまま眠りについた。




始まったばかりの春に、僕の憶測にはあり得るはずのない運命が、残酷が、この先にあることはしらずに

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