はかる君とネコミミ、その2
まったく、兄貴は何でこんなタイミングで電話してくるんんだー?
まさか、俺が家に着くころを見計らって、俺が困っているところを直接電話で確かめようとしてるんじゃないか?
「その、まさかだよ!」
「ごめんなケンジ。ほら、かわいい弟には旅をさせろって言うじゃないか。ライオンは自分の子供を先人の谷に落とすと言うじゃないか。それと同じ事だよ」
え?何で俺が心の中で思った事が兄貴に筒抜けなんだ?
恐ろしい兄貴だぜ。
って、だからと言って、実の弟を弄って欲しくないんだけどなあ。まったく困った兄貴だぜ。
「いやあ、本当にごめんな。ケンジ」
「だから、ちゃんと家に到着する頃に本当の事を伝えたじゃあないか。結構、スリルがあったろう?」
「幼馴染のモモちゃんが横に居たのは、私も想定外だったので少しリスクが増したかもしれないけど、まあそれは誤差のうちだな」
一応、ネコミミ中継器とミサンガもどきの質量測定器「はかる君」とは10m以内の距離を保ってくれると助かるんだが。
はかる君は、完全防水だからそのままお風呂にも入れるし、シャワーも問題ないからな。当然寝るときも身に着けてくれよ。
多分唯一のリスクは体育の時間にグラウンドに出て運動している時かな?
教室からグラウンドまでは100mくらいあるからデータの中継が出来ないと思うんだ。
その時は申し訳ないけど、メコミミだけ体操着のポケットに入れて移動してくれないかな?
後は、プールの時はプールサイドにネコミミ入りの着替えを持ってきてくれると助かるかな。
ただ、どうしてもダメそうな場合は無理する必要はないぞ。
そんな事のために、大事な弟の学校生活を不幸のどん底に突き落とすつもりはないから。
「まあ、そんな訳で宜しく頼むね。無茶はしても、無理はしなくていいからな!」
ぷっ。
ぷーぷーぷー。
なんだい、散々好き勝手言って勝手に電話切りやがって。
まあ、これだけの話をメールでするより口で直接連絡した方が良いに決まってるしなあ。
それに、俺の反応をダイレクトに感じることできるからなあ。
最近は、猫も杓子も、メール一発で済ませるけど、
電話で直接会話するのも大事だよな。
しょうがないなあ、じゃあ明日からこのミサンガ付けて学校に行ってやるかー。
その横で、幼馴染のモモがニコニコしながらおれのネコミミを狙っていた。




