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あなたは、だあれ?  作者: ぬまちゃん
次への備え
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「うん、実は心が切り替わる数日前から、ヤッパリ、ケンジ君少し変だったの。なんていうか、心ここにあらず? みたいな感じだったの」


「フーン、モモピーはケンジ君の事よく観察しているのね。ヤッパリ、ケンジ君のこと好きなのかな?」


「やめてよ、ユカピー! 恥ずかしいじゃないの。そりゃあ、嫌いじゃあないよ。でも、ほら、幼馴染だしさ。ほら、何かあったら気分が悪いじゃないの。その程度の話しよ」


 と言いながら、モモは少し顔が赤くなっているのがわかった。


「可愛いー、モモピー。懸命に否定する所なんか、もう最高! 安心して、私は今の所はケンジ君には手は出さないわ。私の方針は、人の持ち物には関わらないようにする事だからね」


 ケンジ君は私の持ち物ではないわ。モモは懸命に否定するが、ますます顔が赤くなるのが自分でも恥ずかしかった。


「分かってる。ケンジ君は、モモピーの持ち物では無いわ。でも、今ケンジ君をフォロー出来るのはモモピーだけでしょ? 役割分担は明確にしましょう、そういう事よ」


 モモを上目遣いで見ながら、すこしふざける様に言う。


「もしも、モモピーがケンジ君のフォローを止めたくなったら言ってね、私が変わってあげるからね。ウフフ」


「ユカピーってホント面白いよね」


「ありがとうね、モモピー。あなたぐらいだよ、こんな変な、オタクでヤオイな女の子とここまで付き合ってくれるのって」


「えー、そうかな。ユカピーは十分に面白いよ」


「イヤイヤ、普通の女の子は、普通の子が好きなの。私みたいにクセの強い子は、外見上は付き合ってくれるけど、ここまで親身にはなってくれないものなのよ」


 ユカは、真面目な顔になって、遠くを見つめながらぼそりと話す。


「学校では、学力や体力と言った目で見える力で順位付けされちゃうじゃない。私の場合は学年トップの称号があるから、いじめられないけどさ。これで勉強が出来なければ、ツンデレオタクでキモい奴と言われて、イジメの対象ナンバーワンだと思うもの」


 ユカは、モモの目をじっと見つめながら、モモの手をぐっとつかむ。


「モモピーというお友達がいて、本当にありがとうだよ。私はモモピーに感謝してるんだよ。ホント……」


「えー、ユカピーにそうやって真面目に言われちゃうと、チョット照れちゃうな。そんな、感謝されるような事はしてないもん。私としては、ふつーのお友達だと思ってるだけだよ。だから、百合友になってとか言われちゃうと、ゴメンね、そんな趣味は無いからね」


 モモは、慌てて目線をそらした。ユカの目が本気の様に思えたからだ。ユカに握られた手は少し汗ばんでいる気がして、体中の血液が銭湯の湯舟のように熱くなっている感じだった。


「ううん、大丈夫。百合友の件は本気じゃないから。単純に、そのくらい好きだよ、と言うだけよ。私だって百合がデフォルトじゃあないもの」


 ユカは、モモの手をそっと放して、少し微笑みながら話を変える。


「でもさ、モモピーも大変よね、ケンジ君がいつまた、向こうの世界の人と入れ替わるかと思うと、気が気じゃないわよね」


「うん、まあそうなんだけど」


 モモは少し心配そうに、下を向く。


「どうしたの、モモピー?」


 下を向いてしまったモモに、心配そうに声をかけるユカ。


「やはりさ、入れ替わるケンジ本人が一番不安なんだと思うよね。だって、何の前触れもなく、イキナリ別の人間の中に放り込まれる訳だもん」


 モモはユカに向かって向き直り、眉を寄せながら話す。


「そうねえ。でもさ、向こうの人達はどうやって心の入れ替えをするのかしら? 入れ替える方法じゃなくて、入れ替わる時のタイミングなんだけどさ。だって、入れ替え対象の人間が水泳してたり、極端な話し体操選手で空中で3回転中だったらさ、入れ替わった途端に大怪我だよ!」


「そうだよね、なんか向こうの人が言うには、入れ替え対象者には予め準備が必要だ、とか言ってたのよね」


「そうか、やっぱり何かカラクリが有るんだよ。私達が気が付いていないけど、心を入れ替えるタイミングって調整出来るんだよきっと」


「だからさ、その入れ替わるタイミングを調べる事が出来れば、ビクビクしなくて良くなるよきっと! そうすれば、ユカピーもユックリケンジ君と寝れるよ!」


「止めてよ、モモピー。私はケンジと一緒のベッドじゃ無いわよ」


 右手を思いっ切りブンブンと左右に振って、ユカの発言を否定するモモ。


「え? 私はモモピーがケンジ君と同じベッドで寝てるなんて一言も言ってないわよ。ただ、ケンジ君と寝れる、としか言ってないわ。例えば、電車の席で隣同士で寝れるとか…そういう意味で言ったのよ」


 ちょっととぼけた表情で、モモを下から除くこむように見つめるユカ。


「いゃーん。恥ずかしい! ユカピー、私をはめたわね!」


 モモは、体中が燃える様に熱くなっているように感じた。

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