ユカとケンイチロウ
「私が通っている予備校って、自慢じゃ無いですけど、凄いレベル高いんです。ケンイチロウさんは、そこの伝説ですもの。それもあって、本物に会いたかったんですー」
ユカのケンイチロウを見る目には星が見えるようだ。
「えー、そんな、大したことしてないけどね」
ケンイチロウは謙遜してユカの言葉を否定する。
「だって、全国1位を一年間守り通したんですよ!。しかも、全国模試三回連続、全科目満点も達成してるのに。それで、大した事してないなんて、私達の立つ瀬がありませんわ!」
ユカは、両手を組んでケンイチロウに向かって憧れのポーズをとる。
「え! 兄貴って凄かったんだ! 家ではそんな話一切してないのに」
「ケンジ君、そうよ! 貴方のお兄様は、とにかく凄い人なの! ビックリマークを十個付けても良いぐらいなのよ。お兄様のDNAなら分けて欲しいという高偏差値女子高生はゴマンといるわよ!」
ユカのケンジを見る目が痛い。
「だって、三択の問題じゃないのよ! 記述式の5科目8教科の全科目で満点なんて、誰がどう頑張っても出せないわ! 予備校の先生方の語り草なのよ。もう、私はこうして本物に会えたのだから、死んでもいいぐらい」
ユカは改めて、ケンイチロウの顔を覗き込みながら、目をぱちぱちとしばたかせる。
「今ここで、結婚して欲しいと言われたら、もう速攻でホテルにゴーして既成事実を作りたいぐらいなのッ!!!」
うーん、高偏差値女子高生でツンデレなユカの表現はよくわからないけど、とにかく兄貴が凄いらしいというのは伝わって来た。
「ユカさん、君の幻想を壊して悪いけども、私はそんなに頭がいいわけでは無いよ」
ケンイチロウがユックリとユカに話し始めた。
「確かに、それなりに勉強はしてきた。だけど、それだけでは普通は全科目満点は取れないんだ。それは、ユカさんも話した通りだね」
ケンイチロウはユカを見ながらニコヤカニ話を続ける。
「私には、相手の気持ちが手に取るように分かるんだ。だから、試験問題を見て、問題を作成した人の気持ちが理解できるんだよ。この問題は、何を解答して欲しいのか? その問題の出題者の意図が頭の中に浮かんで来るんだ。マア、どの試験では、どんな出題者が問題を作るかなんて分かるはずはないから、出題範囲は全て勉強する必要はある。でもね、出題者の意図に沿って考えれば、答えは自ずと見えてくるんだ。高校の問題には、必ず模範解答が有るからね」
ケンイチロウは、両手を胸の前まであげながら、肩をすくめる。
「私は、毎回の試験で出題者の意図を正しく理解して、解答用紙にその模範解答を書くだけだ。全問正解の時は、その能力が完璧に決まった時だよ。だから、結果は凄いけど自分としては大した事はしていないと思っているよ。今の研究が、相手の心を知る事に通じるから、私も非常に興味深いんだよ」
……ケンイチロウが一通り話し終わった後で、その話を引き継ぐ様に、ユカが話し始めた。
「確かに、高校の問題には模範解答なるものが存在します。私達は、その模範解答に少しでも近づ来たいと思って一生懸命勉強しているのですから。でも、ケンイチロウ様は、出題者の意図を正しく感じられる訳だから、私達の理想の勉強方法を無意識のうちに行なっているのと同じだと思います」
ユカは、ケンイチロウの言葉にうっとりとしながら話を続ける。
「ケンイチロウ様が言うように、そのチカラは決して卑下する様なチカラではありません。だって、そのチカラを発揮するためには、出題者と同じ知識が要求されるのですもの。要するに、ケンイチロウ様は、出題する側と同じ知識を身につけているから、出題者側の視線で考えられるという事です」
ユカは、ケンイチロウの言葉に激しく同意しながら、心なしか頬が赤くなっていた。
「私達は、出題者と同じ土俵に上がれていないのです。だから、出題者の意図が読み取れず、不明瞭な解答をしているのですわ」
ユカは、少し悲しそうになりながら、しかし相変わらずケンイチロウに流し目ビームをだしている。
「私は、ケンイチロウ様の才能を高く評価致します。さあ、大学横のホテルにご一緒しましょう。そこで既成事実を作るのはやぶさかではございません。そのための、勝負パンツですから。ちなみに、この見せパンツの下も女子高生とは思えない勝負パンティですのよ。ですから、もしも私とホテルに行っていただけるのなら、ケンイチロウ様だけに特別にお見せ致しますわ!」
モモちゃんとこの間二人で買った、お揃いのセクシーなパンティですから。




